勇者の花と桔梗の花   作:水甲

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第10話 初陣

友奈が宣言する中、僕は少し後悔した。何故なら彼女との約束を守れなかったからだ。少し離れた位置にいたとはいえ、止めることが出来なかった。

 

「……今更こんなこと思っても仕方ないよな」

 

直ぐに頭を切り替え、友奈と一緒に先輩達の所へと駆け寄った。

 

「友奈さん、凄いパンチです」

 

「何だかみなぎってきて」

 

「こんな時にのんきな……」

 

「まぁ暗くなるよりはいいでしょう」

 

「桔梗。ごめんね。あんたからしてみれば……いたっ」

 

謝ろうとする先輩にデコピンを食らわす僕。何で回りにいる子は謝ることしか考えてないのだろうか

 

「今更後悔したってしょうがないですよ。僕も後悔はしてます。だからこそ……」

 

バーテックスの身体が見る見るうちに再生をしていく中、みんなに指示を出した。

 

「みんな、こいつは御霊というコアを破壊しないと倒せない。そのために今から説明する」

 

「ってそういうのはわたしの役目でしょ」

 

「今はそういう状況じゃないよお姉ちゃん~」

 

自分の立場を奪われたと思い、怒る先輩。それにツッコミを入れる樹だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いを見つめる東郷は一人、恐怖に震えていた。

 

(一緒に戦いたいのに……どうしようもなく怖い)

 

それが普通の反応だ。突然訪れた世界に、告げられた真実、そしてあの化物。誰だって恐怖するしか無かった。

 

(友奈ちゃん、みんな……)

 

 

 

 

 

 

バーテックスを囲むと同時に友奈と樹は端末に書かれた祝詞を唱えた。

 

「かくりよのおおかみ あわれみたまい

 

「めぐみたまい さきみたま くしみたま」

 

「 おとなしくしろ~!!」

 

「「ええ~、それでいいの!? 」」

 

「要は魂込めれば、言葉は問わないのよ」

 

「まぁ誰だって書かれていればそうするよ」

 

「早く言ってよ~」

 

僕は大鎌を大きく振ると、刃がバーテックスに向けて飛んでいった。刃の後ろに鎖が繋がれていた。刃が地面に刺さると鎖がバーテックスを縛り上げた。するとバーテックスから四角錐の物体が現れた。

「なっ、なんかベロンと出た~!」

「封印すれば、御霊がむき出しになる。あれはいわば心臓。破壊すればこっちの勝ち! 」

 

「先輩、僕はこいつを抑えている間に……」

 

「それなら私が行きます!」

 

友奈は御霊に一撃を与えた。だが、

 

「かたぁぁい!! これ硬すぎるよぉ~!」

 

硬いため破壊することが出来ない。それと同時に周りの景色が腐っていった。

 

(これがずっと続けば世界が……)

 

先輩も同じように二人にそのことを告げながら、御霊に大剣を叩きつけた。すると御霊にヒビが入った。

 

「今なら!!友奈!」

 

「うおおおおぉぉぉぉ!!!!」

 

友奈の拳はヒビが入った場所に当たると御霊が崩れだし、見る見るうちに砂へと変わっていった。

 

「……終わりか」

 

バーテックスの討伐に安堵する僕、そしてそれとある疑問が出た。

 

(あの白い奴ら、前に大赦から聞いた星屑。出てきたのは偶然だけど、あのバーテックスが指示を出したのか?友奈たちを襲えって……)

 

それにしてはそんな知能があるとは思えなかった。

 

(報告くらいはしておくか)

 

見る見るうちに元の世界へと戻っていく中、その存在に誰も気が付かなかった。白い人型に……

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あれ、ここ学校の屋上?」

 

友奈はここに来る前にいた教室ではなく、屋上にいることに疑問を感じていた。

 

「神樹様が戻してくださったのよ」

 

神樹は言うなら樹海からの出口に近いかもしれない場所に送ることが出来る。とはいえ、僕としてはこのまま屋上にいたらサボりだと思われそうだ。

 

そんな中、友奈は東郷へと近寄った。

 

「東郷さん無事だった? 怪我はない?」

 

「友奈ちゃん……友奈ちゃんこそ大丈夫?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

東郷の心配をする友奈。その横では犬吠埼姉妹は……

 

「うん、お姉ちゃんは何ともない?」

 

「平気平気~」

 

すると緊張の糸が切れたのか突然泣き出す樹。

 

「怖かったよぉ~、お姉ちゃぁん。もう訳わかんないよぉ~」

 

「……よしよし、よくやったわね。冷蔵庫のプリン、半分食べていいから」

 

「あれ元々私のだよぉ~~」

 

「ほら、皆見てみなさい。あれが今日私達が守って街よ」

 

四人がいつも通りの景色を眺めている中、僕はそっと屋上から出て行った。

 

 

 

 

屋上から出て行くと僕は壁を殴った。

 

「……彼女たちが勇者になってしまった。ごめん、園子……約束が」

 

やはり約束を守れなかったことに、後悔をしてしまう僕。こんな姿はみんなに見せられないな

 

僕は屋上へと戻ろうとすると、さっきまで屋上にいた東郷と友奈が後ろにいた。

 

「二人共どうしたんだ?」

 

「桔梗くんがいなくなったから探そうと思って……」

 

「ずっと思ってた。勇者になった友奈ちゃん達を見て、悲しそうであって、怒っていた」

 

二人にはお見通しか。

 

「詳しくは話せないけど、今言えることは……僕は誰にも戦ってほしくない。僕が一人で戦いたかったんだ」




今回は短めでスミマセンでした。前回の後書きでは書かなかったですが、桔梗の武器はかなり迷いましたね。それとオリジナル要素も入りますのでよろしくお願いします。次回は原作2話の途中からです
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