勇者の花と桔梗の花   作:水甲

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第12話 再び

2日続けてのバーテックスの侵攻。今度は三体現れた。それに何十匹もの星屑もいた。

 

「2日続けてか」

 

「本当にいつ来るかわからないんだね」

 

僕は友奈たちと合流していた。友奈は直ぐに勇者へと変身すると東郷に言った

 

「東郷さん、待っててね。倒してくる」

 

「っ! 待って、私も……」

 

自分も変身しようと思うが、昨日の戦いを思い出していた。未知の化物が自分に襲いかかる。それを思い出してしまい、恐怖に震えていた。友奈はそんな東郷の手を握った。

 

「大丈夫だよ、東郷さん。……行ってくるね」

 

「友奈ちゃん……!」

 

友奈は笑顔でバーテックスの元へと向かった。残った僕は……

 

「昨日僕が言ったことを覚えているか?」

 

「私達に戦わせたくない?」

 

「僕はこのまま東郷だけは戦ってほしくはないと思っているけど、だけど、お前は本当にそれでいいのか?」

 

「えっ?」

 

「ただここで怯えて、あいつの帰りを待つだけでいいのか?今は自分の気持ちに正直になれ」

 

そう言って、僕も友奈の後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

三体のバーテックスの内、二体は別々に動き出し、星屑もそれに付いて行った。

 

「何であの奥のやつは動かないんだろう?」

 

「今は奥のやつを放っておいて、他の二体をやるわよ!桔梗、樹、」

 

「星屑を倒せですね。樹!行くぞ」

 

「は、はい」

 

僕と樹の二人は二体のバーテックスを守る星屑を倒すことになった。樹は糸で星屑を縛り上げ、僕はその星屑を大鎌で切り裂いていく。一体一体確実に倒す必要があるけど……

 

「樹!縛り上げるだけじゃ駄目だ!!まずは星屑を一体縛り上げろ」

 

「は、はい」

 

言われるままに星屑を縛り上げる樹。僕は次の指示を出した。

 

「そのまま他のやつにぶつける感じで大きく横に振れ!!」

 

「こうですか!」

 

縛り上げた星屑が他の星屑に向かってぶつかっていった。これだけでは倒せないが、ぶつかった星屑は他の星屑にもぶつかり、その連鎖が続いていく。

 

「一気に切り裂く!!」

 

その連鎖を利用し、体勢を崩した星屑が一列に並び、僕は一気に駆け抜けていき、星屑を切り裂いた。

 

「すごいです!桔梗さん」

 

「樹もな。あとは……」

 

バーテックスを倒すだけと言いかけた瞬間、無数の矢が振り注いだ。みんなが一斉に避けていく。僕は改めてバーテックスの名称を確認した。今回来たのは射手型、蠍型、蟹型の三体。さっきの攻撃は射手型ということは……

 

「遠距離で攻撃か」

 

「撃ってくる奴を何とかしないと!」

 

 

友奈が射手型を倒そうと大きくジャンプをした瞬間、蠍型の尻尾が友奈を打ち落とし、地面に落とされた友奈。そんな友奈に蠍型の尻尾の針が友奈を刺そうとしていた。

 

「うくっ」

 

「友奈!!」

 

僕が救援に入ろうとするが、射手型の攻撃がそれを妨害する。

 

「このままじゃ……」

 

友奈の持つ精霊牛鬼が彼女を必死に守るが、破られるのも時間の問題だ。このままじゃ……

 

 

 

 

 

「新しいお隣さんだ!」

 

それは私が友奈ちゃんの隣に引っ越してきた時のこと、私は記憶と足が不自由だった。私は不安と悲しみで心が張り裂けそうだった。だけど彼女はそんなの気にせず、無邪気な笑顔を向けた。

 

「同じ年の女の子が引っ越してくるって聞いてたから、楽しみにしてたんだ!年が同じなら、同じ中学になるよね。私は結城友奈、宜しくね」

 

きっと私は彼女の笑顔に救われたんだろうか。ううん、きっと救われたんだ。

 

 

 

 

 

 

だからこそ私は……

 

「……やめろ」

 

自分を救ってくれた人たちが酷い目にあっている。そんな時、彼が私に言った言葉を思い出した。

 

『自分の気持に正直になれ』

 

自分の気持ち。今の私の気持ちは……

 

「友奈ちゃんをいじめるなああぁぁぁぁ!!」

 

バーテックスの攻撃が私に襲いかかるが、私の前に卵の型の精霊が現れ、私を守る。

 

「私、いつも友奈ちゃんに守ってもらってた。……だから、次は私が勇者になって、大切な人たちを、友奈ちゃんを守る!!」

 

端末のボタンを押した瞬間、青い衣装に白い帯が垂らされた姿に変わった。そして両手には二丁の銃が握られていた。その横には狸型の精霊が現れていた。

 

「もう、友奈ちゃんには手出しさせない」

 

二丁の銃で蠍型のバーテックスを撃ち、体勢が崩れていく。それと同時に青い炎の精霊が現れると、二丁の銃が変化していき、散弾銃へと代わり更に攻撃を加えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大鎌を回転させながら射手型の攻撃を弾くが……

 

「結構キツいな」

 

回転させても全部を弾けるわけじゃない。徐々に奴らに押されていく。先輩達も必死に避けてるけど……

 

「あーもーしつこい男は嫌いなのよ」

 

「モテる人っぽく避けてないでなんとかしようよ。お姉ちゃん」

 

結構余裕がありそうで困るんだが……

 

「なかなか隙が……」

 

突然空から蠍型のバーテックスが蟹型のバーテックスの上に落ちてきた。すると遠くの方で友奈が手を降っていた。

 

「そのエビ運んできたよ」

 

大きく手を振る友奈。でも、あれは蠍だからな。すると友奈の隣に東郷がやってきた。

 

「東郷先輩」

 

「遠くの敵は私が狙撃します」

 

どうやら彼女も戦う決意をしたのか。本当に良い事なのだけど……

 

「一緒に戦ってくれるのね。みんな行くわよ」

 

先輩の指示通りに動くと同時に僕は東郷の隣に来た。

 

「桔梗くんは行かないの?」

 

「狙撃メインだと敵に狙われやすくなる。護衛くらいはさせろ」

 

「……ありがとう」

 

東郷がそう言うと射手型の動きを止めるように狙撃をしていく。フッと射手型の身体から星屑が出現した。それもまるで星屑は僕らに襲いかかるわけではなくバーテックスを守るようにしていた。

 

「まずいな……面倒な盾が……」

 

突然大鎌が黒い狙撃銃へと変化していった。どういうことなのか分からない。こんなシステム聞いたことがない。戸惑う僕だけど……これなら

 

「東郷、星屑は任せろ」

 

「えぇ」

 

僕は何体もの星屑に向かって狙撃をした。奴らは盾になってバーテックスを守るが……

 

「その銃弾は散弾じゃない。当たった瞬間爆発する!!」

 

一体の星屑に当たった瞬間、爆発し星屑の盾を崩した。そんなことをしているうちに、みんなが他のバーテックスの封印を完了したみたいだ。

 

「東郷、後は」

 

「えぇ、任せて……」

 

一発の銃弾がバーテックスの頭を撃ち貫いた。弱ったその瞬間を狙い、封印の儀を行う友奈たち。すると射手型の御霊は高速に回りだした。普通なら捉えるのは難しいが……

東郷には簡単すぎたようだ。たった一発で御霊を破壊したんだから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三体のバーテックスを倒した僕らは元の世界に戻った。みんなが東郷の参戦に喜ぶ中、僕は端末にあるメッセージが入っていた事に気がついた。

 

「誰からだ?大赦からだったら僕の武器が変わったことを……」

 

だが僕の端末に入っていたメッセージは大赦からではなかった。それを見た瞬間僕は端末を落とした。

 

『モウスグキミハオレトヒトツニ』

 

何なんだこれは……

 

 

 

 

 

 




徐々にオリジナル要素が入っていますが、ちゃんと説明できるかな?一応桔梗の鎌が銃になった理由も考えていますので、次回は日常回です。
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