2日続けてのバーテックスの侵攻。今度は三体現れた。それに何十匹もの星屑もいた。
「2日続けてか」
「本当にいつ来るかわからないんだね」
僕は友奈たちと合流していた。友奈は直ぐに勇者へと変身すると東郷に言った
「東郷さん、待っててね。倒してくる」
「っ! 待って、私も……」
自分も変身しようと思うが、昨日の戦いを思い出していた。未知の化物が自分に襲いかかる。それを思い出してしまい、恐怖に震えていた。友奈はそんな東郷の手を握った。
「大丈夫だよ、東郷さん。……行ってくるね」
「友奈ちゃん……!」
友奈は笑顔でバーテックスの元へと向かった。残った僕は……
「昨日僕が言ったことを覚えているか?」
「私達に戦わせたくない?」
「僕はこのまま東郷だけは戦ってほしくはないと思っているけど、だけど、お前は本当にそれでいいのか?」
「えっ?」
「ただここで怯えて、あいつの帰りを待つだけでいいのか?今は自分の気持ちに正直になれ」
そう言って、僕も友奈の後を追った。
三体のバーテックスの内、二体は別々に動き出し、星屑もそれに付いて行った。
「何であの奥のやつは動かないんだろう?」
「今は奥のやつを放っておいて、他の二体をやるわよ!桔梗、樹、」
「星屑を倒せですね。樹!行くぞ」
「は、はい」
僕と樹の二人は二体のバーテックスを守る星屑を倒すことになった。樹は糸で星屑を縛り上げ、僕はその星屑を大鎌で切り裂いていく。一体一体確実に倒す必要があるけど……
「樹!縛り上げるだけじゃ駄目だ!!まずは星屑を一体縛り上げろ」
「は、はい」
言われるままに星屑を縛り上げる樹。僕は次の指示を出した。
「そのまま他のやつにぶつける感じで大きく横に振れ!!」
「こうですか!」
縛り上げた星屑が他の星屑に向かってぶつかっていった。これだけでは倒せないが、ぶつかった星屑は他の星屑にもぶつかり、その連鎖が続いていく。
「一気に切り裂く!!」
その連鎖を利用し、体勢を崩した星屑が一列に並び、僕は一気に駆け抜けていき、星屑を切り裂いた。
「すごいです!桔梗さん」
「樹もな。あとは……」
バーテックスを倒すだけと言いかけた瞬間、無数の矢が振り注いだ。みんなが一斉に避けていく。僕は改めてバーテックスの名称を確認した。今回来たのは射手型、蠍型、蟹型の三体。さっきの攻撃は射手型ということは……
「遠距離で攻撃か」
「撃ってくる奴を何とかしないと!」
友奈が射手型を倒そうと大きくジャンプをした瞬間、蠍型の尻尾が友奈を打ち落とし、地面に落とされた友奈。そんな友奈に蠍型の尻尾の針が友奈を刺そうとしていた。
「うくっ」
「友奈!!」
僕が救援に入ろうとするが、射手型の攻撃がそれを妨害する。
「このままじゃ……」
友奈の持つ精霊牛鬼が彼女を必死に守るが、破られるのも時間の問題だ。このままじゃ……
「新しいお隣さんだ!」
それは私が友奈ちゃんの隣に引っ越してきた時のこと、私は記憶と足が不自由だった。私は不安と悲しみで心が張り裂けそうだった。だけど彼女はそんなの気にせず、無邪気な笑顔を向けた。
「同じ年の女の子が引っ越してくるって聞いてたから、楽しみにしてたんだ!年が同じなら、同じ中学になるよね。私は結城友奈、宜しくね」
きっと私は彼女の笑顔に救われたんだろうか。ううん、きっと救われたんだ。
だからこそ私は……
「……やめろ」
自分を救ってくれた人たちが酷い目にあっている。そんな時、彼が私に言った言葉を思い出した。
『自分の気持に正直になれ』
自分の気持ち。今の私の気持ちは……
「友奈ちゃんをいじめるなああぁぁぁぁ!!」
バーテックスの攻撃が私に襲いかかるが、私の前に卵の型の精霊が現れ、私を守る。
「私、いつも友奈ちゃんに守ってもらってた。……だから、次は私が勇者になって、大切な人たちを、友奈ちゃんを守る!!」
端末のボタンを押した瞬間、青い衣装に白い帯が垂らされた姿に変わった。そして両手には二丁の銃が握られていた。その横には狸型の精霊が現れていた。
「もう、友奈ちゃんには手出しさせない」
二丁の銃で蠍型のバーテックスを撃ち、体勢が崩れていく。それと同時に青い炎の精霊が現れると、二丁の銃が変化していき、散弾銃へと代わり更に攻撃を加えていった。
大鎌を回転させながら射手型の攻撃を弾くが……
「結構キツいな」
回転させても全部を弾けるわけじゃない。徐々に奴らに押されていく。先輩達も必死に避けてるけど……
「あーもーしつこい男は嫌いなのよ」
「モテる人っぽく避けてないでなんとかしようよ。お姉ちゃん」
結構余裕がありそうで困るんだが……
「なかなか隙が……」
突然空から蠍型のバーテックスが蟹型のバーテックスの上に落ちてきた。すると遠くの方で友奈が手を降っていた。
「そのエビ運んできたよ」
大きく手を振る友奈。でも、あれは蠍だからな。すると友奈の隣に東郷がやってきた。
「東郷先輩」
「遠くの敵は私が狙撃します」
どうやら彼女も戦う決意をしたのか。本当に良い事なのだけど……
「一緒に戦ってくれるのね。みんな行くわよ」
先輩の指示通りに動くと同時に僕は東郷の隣に来た。
「桔梗くんは行かないの?」
「狙撃メインだと敵に狙われやすくなる。護衛くらいはさせろ」
「……ありがとう」
東郷がそう言うと射手型の動きを止めるように狙撃をしていく。フッと射手型の身体から星屑が出現した。それもまるで星屑は僕らに襲いかかるわけではなくバーテックスを守るようにしていた。
「まずいな……面倒な盾が……」
突然大鎌が黒い狙撃銃へと変化していった。どういうことなのか分からない。こんなシステム聞いたことがない。戸惑う僕だけど……これなら
「東郷、星屑は任せろ」
「えぇ」
僕は何体もの星屑に向かって狙撃をした。奴らは盾になってバーテックスを守るが……
「その銃弾は散弾じゃない。当たった瞬間爆発する!!」
一体の星屑に当たった瞬間、爆発し星屑の盾を崩した。そんなことをしているうちに、みんなが他のバーテックスの封印を完了したみたいだ。
「東郷、後は」
「えぇ、任せて……」
一発の銃弾がバーテックスの頭を撃ち貫いた。弱ったその瞬間を狙い、封印の儀を行う友奈たち。すると射手型の御霊は高速に回りだした。普通なら捉えるのは難しいが……
東郷には簡単すぎたようだ。たった一発で御霊を破壊したんだから……
三体のバーテックスを倒した僕らは元の世界に戻った。みんなが東郷の参戦に喜ぶ中、僕は端末にあるメッセージが入っていた事に気がついた。
「誰からだ?大赦からだったら僕の武器が変わったことを……」
だが僕の端末に入っていたメッセージは大赦からではなかった。それを見た瞬間僕は端末を落とした。
『モウスグキミハオレトヒトツニ』
何なんだこれは……
徐々にオリジナル要素が入っていますが、ちゃんと説明できるかな?一応桔梗の鎌が銃になった理由も考えていますので、次回は日常回です。