勇者の花と桔梗の花   作:水甲

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第21話 決戦 後編

合体バーテックスの封印を開始した瞬間、勇者部全員、勿論僕もただ呆然と見上げるだけだった。何故なら出てきた御霊は巨大だった。それに出ている場所が宇宙と来たものだ。誰だってそうなるのは当然だ。

 

「大丈夫」

 

だが友奈は諦めていなかった。

 

「御霊なんだから今までと同じようにすればいいんだよ。どんなに敵が大きくたって諦めるもんか!勇者ってそういうもんだよね」

 

「友奈ちゃん!行こう。今の私なら友奈ちゃんを運べると思う」

 

僕自身、これ以上は満開をしてほしくなかった。もしあの御霊を破壊するのであったらきっと友奈は満開する。だけど……この場であの御霊を破壊することが出来るのは友奈しかいない

 

「……二人共気をつけろ」

 

「うん、任せて」

 

「きっと戻ってくるから」

 

友奈は東郷が操る戦艦に乗り込み、宇宙へと上がった。残った僕たちは封印に集中するべきなのだが……どうやら僕はこの場から離れなければいけないみたいだ

 

「樹、夏凛、ここを頼んだ」

 

「何を……」

 

「夏凛さん、あれ……」

 

樹が指を刺した方を夏凛も見るとそこにはキキョウがいた。

 

「あいつは僕の相手だ。夏凛、後のことを頼んだぞ」

 

「……分かったわ」

 

僕は大鎌を構えて、キキョウへと向かっていた。

 

 

 

 

 

僕はキキョウの前に立つとキキョウは笑みを浮かべていた。

 

「ヨウヤクオレトヒトツニナルケッシンガツイタノカ」

 

「お前と一つ?違うな、お前を倒す決心が出来ただけだ」

 

「オレヲタオス?ムリダナ」

 

キキョウは左腕を大鎌に変化させ、襲いかかる。僕は大鎌で攻撃を受ける。

 

「オマエハニゲタンダ。オレカラ……」

 

「確かに逃げたさ。その右腕を見て恐怖した」

 

キキョウは僕の大鎌を弾き、上段蹴りを放ち、僕の顎を掠める。顎に攻撃を喰らえば一発で気絶してしまう。だけどキキョウは鋭い蹴りのラッシュを放ち続ける。

 

「前鬼!!」

 

前鬼のバリアで攻撃を防ぐが、奴はバリアを張ることを待っていたかのように右腕で僕の首を掴んだ

 

「コノ右腕ハオマエノモノ。精霊ハ勇者ヲマモル存在。ダガ、コノ右腕ハオマエニフレヨウトシテイルダケ、コウゲキデハナイ」

 

どうやら奴は精霊の力も知っているみたいだな。奴の右腕は僕の腕、僕の身体に触れようとしているのであれば精霊は守ってくれるはずがない。おまけに奴の言葉が段々とはっきりしていく。僕に触れることで情報を得ているのか

 

(このままじゃ……)

 

このまま前と同じになってしまう。その時、上空に眩い光が見えた。あれは友奈が満開した光

 

(満開……そうだよな。そうするしかないか。それに忘れていた。こいつを倒す最後の賭けを……)

 

僕は掴んでいる右腕を思いっきり殴った。その結果右腕が離れた。その瞬間を狙い僕は……

 

「満開!」

 

眩い光が僕を包み込んだ。体中に力が漲ってくる。そのせいなのか恐怖が無くなっていく。これが満開か……

 

光が消えると僕の両手に巨大な大鎌が二本現れ、背中には尻尾のようなものが生え、その先端には銃が付けられた。そして黒い鬼の面がつけられた。

 

「………」

 

僕はただ大鎌を振ると同時に奴の左腕を切り落とした。

 

「コレが……勇者の力……ダケドオマエの情報をヨミトッタオレにだって!!」

 

左腕が生え変わるとキキョウは似たような姿に変貌した。面白い……

 

「行くぞォォォォォォ!!キキョウ!!」

 

「来い!!勇者!!」

 

何発もの斬撃、何十発もの砲撃が飛び交った。その度に周りのものが壊れていく。

 

「マダマダマダダァァァァァ!!」

 

奴の斬撃が僕の大鎌を弾き飛ばす。銃口も標準をつけるがその瞬間破壊される。奴はここまで強くなっているのか……だけど……

 

「うおおおおおおおお!!」

 

僕は突撃を仕掛ける。ある程度の攻撃は精霊が防ぐとはいえ防ぎきれないことだってある。僕の身体は切り刻まれていく。だけど……

 

「掴んだ!!」

 

僕は奴の両手を掴んだ。それと同時に満開も解けてしまう。奴は笑みを浮かべるが、まだ笑うのは早いぞ。僕は奴の両腕を掴んだ。

 

「封印開始!!」

 

封印が始まると奴の身体から御霊と御霊をつかむ右腕が現れた。御霊は他のものと違い、何かを言っていた。

 

『両腕が防がれた状態で、俺の御霊を破壊することは出来ない。とはいえ一度出された以上はしばらくは元の場所に戻らないが………お前に何が出来る!!右腕を見てまた震えているぞ』

 

頭のなかで奴の声が響く。確かにそうかもしれない。満開が解けた以上、僕にまた恐怖が戻ってきた。このままじゃまた……

 

「たしかにな……だけど」

 

だけど僕は神頼みをしていたのだ。満開の後遺症については前もって知っている。だからこそ僕は願った。

 

『ぬぅ、何だ……この感覚は力が抜けていく?どういうことだ?』

 

「よく見ろよ。僕の右腕の今の状態を……」

 

御霊を掴んでいた右腕が見る見るうちに消えていく。いや、捧げられていく。

 

『戻る、モドル、オレガ……アノ……す……が……た……ニ』

 

右腕が完全に消えると奴の御霊が消え、白い人型から一体の星屑に戻った。

 

「……進化した星屑……手ごわかったな……僕にはもうあいつを倒す力はない……あとは……頼んだぞ」

 

倒れこむ僕、星屑は大きく口を開いた。このままでは食われてしまうが……

 

「はああああああああ!!」

 

突然星屑が真っ二つになった。星屑の後ろにいたのは夏凛だった。

 

「よぉ、夏凛。待ってたぞ」

 

「あんたね、無茶しすぎよ!ほかの奴らも心配かけるし」

 

どうやら巨大な御霊を破壊することが出来たみたいだな……

 

「悪い、頑張りすぎたよ。樹海から戻ったら大赦に連絡を……」

 

僕の意識はこのまま途絶えるのであった。その後、夏凛は僕の言うとおりというか自らもそうするべきと判断したのか、霊的医療班の手配してくれた。

 

 

 

 

僕達勇者部は十二体のバーテックス+キキョウを倒すことに成功した。だけど……四人の勇者の後遺症は……

 

 

 

 

 




後編は完全にオリジナルになりました。次回は原作六話となります
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