勇者部部室にて皆に集まってもらい、まだバーテックスの生き残りがいることを告げた。そして友奈、東郷、樹、先輩、僕の精霊は一体ずつ増えた。夏凛だけは一体のみだった。それは仕方ないことなのかもしれないけど……
僕たちはいつ来るかわからない敵に対して警戒をしていくこと一ヶ月、夏休みが終わり二学期に入ったが、敵は一向に攻めてこなかった。
部室に入ると何故か皆が精霊を出していた。どこの百鬼夜行だ
「何事?」
「妖精の話しをしてたら、皆出ちゃったのよ」
「ふ~ん、じゃあ僕も」
僕も精霊を出した。前鬼と新たな精霊であるサルの顔、タヌキの胴体、トラの手足を持ち、尾はヘビの精霊鵺だった。
「何だか色々と混ざった感じだね」
「そういう妖怪だって話だからな。さて今日は何をするん……」
言いかけた瞬間、突然アラームが鳴り響いた。どうやら敵が来たみたいだ
僕たちは樹海へ訪れ、変身を終えた。敵の位置を確認し、僕たちはもう一度円陣を組んだ。そして敵のバーテックスを視認するが何か見覚えがある。
「あの変質者ってさ、樹が倒さなかったっけ?」
「もともと2体いるのが特徴のバーテックスかもしれません」
「2体で1セット…双子ってこと?」
「いずれにせよ、やることは同じ!止めるわよ!」
僕は鎌と銃に変わる新たな武器、槍を構えた。だけど何かがおかしかった。みんなが動こうとしなかった。一体何がと思ったがそれもそうだ。何せまた戦えば満開をして、体の機能をまたなくしてしまう。そんな事が頭に過ぎってしまえば動けないのも当然だ。だけど夏凛はそれでも戦おうとした。
「行くぞ夏凛」
「分かってるわよ」
僕達が大きくジャンプをすると後を追うように友奈も来た。友奈は怖くないのか……いいや、きっと友奈なら後遺症を知っていても戦うはずだ。
僕はバーテックスの目の前に槍を突き刺すと、友奈と夏凛の二人が同時に蹴りを食らわせた。
僕達の戦いを見て、みんなも戦う気持ちになった。東郷はバーテックスを狙撃し、全員で封印の儀を行うと出てきた御霊が無数に出てきた。
「何この数!?」
「くそ」
僕は武器を銃に変え、爆発弾を撃つが効果がない。どうやら出てきた御霊を全て破壊しないといけないみたいだ。夏凛はこのままみんなに負担をかけまいと御霊を構えるが、上空にジャンプした友奈は炎を纏った蹴りを放った
「勇者キック!!」
御霊に直撃すると御霊が炎に包まれたこれなら一気に倒せる。思った通り御霊は燃え散っていった。
「友奈ちゃん!大丈夫!」
友奈を心配したのか、東郷やみんなも駆け寄った。
「大丈夫だよ」
笑顔の友奈。だけどみんなは友奈のゲージが溜まっていることに気がついた。
「友奈…」
先輩も心配する中、僕たちは元の世界へと戻っていくことになった。そんな中、僕はいい加減みんなに全てを話さなければいけないと思った。
だけど僕、友奈、東郷の三人はいつもの屋上ではなく、大橋近くに来ていた。
「ここは……」
「学校の屋上じゃない」
「みんなは?」
どうして僕達だけ……でも、こんな風に別の場所に連れていくことが出来るのは彼女しかいなかった。僕は先へと進んだそこにはベットに横たわる園子がいた。
「……やっと会えた~わっしー」
「!?」
園子は東郷の方を見て呼んだ。彼女は全てを話すのか……
「わ、わっし~?」
「本当だったらもっと早く会いたかったんだけどね。中々会わせてくれなかったから、呼んじゃった」
「え、あ、わ、私は東郷美森です」
「………美森ちゃんか。そっちの子は?」
「結城友奈です。それでこっちは……」
「どういうつもりだ。園子」
「……桔梗くん?」
どうしてこのタイミングで全てを話そうとするんだ。
「……きょうくん、もう話さないといけないよね。まだ話してたりしてないんだよね。全てを……」
「桔梗くん、知り合い?」
友奈が心配そうに声をかける。僕はため息を付き、二人に彼女を紹介した。
「彼女は乃木園子。昔大橋の方で勇者をやっていた。言うなれば先代の勇者だ」
「先代って先輩ってこと?」
「どうして私達をここに……」
僕は壁にもたりかかり、園子の話を聞いた。それが僕達の平和にヒビが入ろうとしていた。