カードファイト!! ヴァンガード G 漆黒の騎士と少女 作:ぬっく~
「勝った……の?」
私の初めての勝利は言葉では表せなかった。
「ああ、君の勝ちだ。いいファイトだったぜ」
カムイさんは握手を求めてくる。
私は少し動揺しながらもその手を握ぎった。
◇
「……………」
カードキャピタルを出る頃には空はオレンジ色……夕日色に包まれていた。
そこで大の大、大問題が発生していた事に私は気付く。
「家……何処?」
カムイさんにそれなくここの住所を聞き、ここは私がいた世界ではないことを知った。
スカイツリーぽい物はあるのに私の知らない住所だったのだ。
(ポケットに入っていた金銭だとホテルにも泊まれないし……まさか、今日は野宿!? それだけは避けたいなぁ……)
このまま行けば野宿。16歳の乙女にそれはまずいと咲夜は色々と考える。
ぶー、ぶー、ぶー。
その時ポケットに入っていた携帯が鳴り、私は出る。
「はい。もしもし……」
「咲夜ちゃん、今どこにいる?」
聞いたことのない女性の声に少し戸惑うも、素直に答える。
「えっと……今、XX町のXX-XXですが……」
「あら、近くね。じゃあ、近くにXX駅があるからその改札口で待っていて」
「あ、はい」
そう言って、電話は切られてしまったが私はその駅に向かう。
携帯のマップを頼りに進むと駅に着いた。
そして、改札口にオレンジ色のポニーテールの女性が手を振っている。
「こっちよ!」
「え~と……」
私は初めて出会った人なんで、誰かは分からない。
しかし、この女性はどうも私のことを知っているようだ。
「予定の時間にいなかったから、心配したわ」
「あ、すみません……」
「まあいいわ。こっちよ」
そう言って、その女性の後に続き一軒のマンションにたどり着く。
表札には『新導』と書かれていた。
「クロノ、今戻ったわ」
「随分と遅かったな」
「ちょっとあってね」
部屋の奥から私と同い年の赤毛の少年が出て来る。
とりあえず、疑われないようごく普通に部屋に上がたった。
「紹介するわ。私の甥のクロノよ」
「どうも」
そう言って、軽くお辞儀をする赤毛の少年クロノ。
「咲夜です」
「ちなみに私はミクルよ。よろしくね」
「あ、はい」
どうやら、住まいに関しては問題なかったようだが、私はこの世界ではどう言う存在になっているのだろう?
「いきなり、親戚のところから電話がかかってくると思いきや、『家の子がそっちの学校に通学するから、お願い出来る?』と言い出すし、はぁ……」
なるほど、私は新導家の親戚の子と言う設定なのね。
大体の事情を把握し、ミクルさんに案内された部屋には段ボールが山積みにされていた。
「出すのは明日でいいね。クロノ晩御飯は?」
「もう出来ている」
「そう。なら……」
「はい」
そう言って、クロノの手作りご飯を頂いた。
◇
翌朝、段ボールの横に衣服と書かれた物を開ける。
下着……私服……とまあ、普通の引っ越し荷物が出て来る。
そして、探していた物が見つかる。
「これからな?」
未開封の制服を見つけた。
私はすぐさま、それに着替える。
「ふ~ん、まあまあね」
前の世界では着た事のない制服に少し私は気に入った。
コンコン。
誰かがドアをノックする。
「朝飯の準備ができたぞ」
「わかった」
どうやら、クロノだったようだ。
支度は既にできていたので、私はそのまま部屋をでる。
「ミクルさんは?」
「あの人は先に出た」
「そう……」
そう言って、私はクロノと二人で朝飯を食べる。
(男の人と食べるのは、初めてだったな……)
私は一人っ子なのでこう言った経験は味わったことがない。
そう言っている内にクロノは朝飯を終え、片付けに入る。
「ごちそうさまでした」
私もその後、食器を片付ける。
時間にして7時過ぎになると、クロノは鞄を持って玄関に立っていた。
「ほら、行くぞ」
「ちょっと、待って」
ヴァンガードを鞄に入れ、私は玄関に向かう。
その後はクロノの後に続いて学校まで歩く。
「職員室はあっちだ」
「わかった。また、後でね」
私はクロノと別れ、職員室に向かった。
担任と思われる教師と軽く言葉を交わして、私のクラスへと向かう。
「ここで、待っていてくれ」
「あ、はい」
そう言われ、私は待機する。
教室内は少し騒がしかった。転校生が来るだけで、ここまで騒がしくなるのね。
私はそう言った経験が無かったから分からないが、そうなんだろう。
「いいぞ」
「はい」
私は元気よく挨拶し、教室のドアを開ける。
「黒崎咲夜です。皆さん、よろしくお願いします」