東方風天録   作:九郎

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はじめ

「いざ、生きめやも……やっぱり生きるって面倒くさいなぁ…… 」

無気力な青年の幻想入りです。

処女作です。

自分の敬愛する人の書き振りを真似ています。

主人公視点と他人視点が入り混じるとても読みにくい書き方です。

何卒、優しい目で見てやって下さい。

 

これから始まる

 

大人になれなかったクソ野郎の物語であり〼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見上げると空が見えた。

 

蒼天です。

 

曇り一つありません。

 

なんとまぁ居心地の悪そうな空だこと……

自然と苦笑いしている自分がいた。

 

「どこだろうここは?」

 

見渡せども鬱蒼と生い茂る木々と岩しか見えん

そんなつまらない風景にオレは心を奪われる

 

「綺麗だ…………」

ひゅうと風が吹きます。

 

とても心地よい風です。

このまま飛んでいけたらなぁとか思っちゃいました。

 

「嗚呼、美しい……」

 

青年は呟いた 。

 

 

「どこだよここ?」

 

ふと不安になった。

 

何故ならどういった経緯でこの山中に来たのか思い出せないからだ、

 

嫌な汗が吹き出した。

 

夢か何かか?

それとも、ここはあの世か?

 

頬をつねってみた。

 

痛い……夢ではないんだなぁ

 

 

ガサガサと音がした。

 

こんな山の中だ、獣か何かだろう。

 

ズルズルと音がした。

 

思った以上に巨大な物が近付いているようだ。

 

シャーと音がした。

 

やっぱり夢なのかなぁ?

目の前には、オレを丸呑み出来るくらいの大きな蛇がこちらを見ている。

 

「やぁ、お前はオレを喰うのかい?」

 

青年は、大蛇に微笑んだ。

 

大蛇は、チロチロと舌を出してオレを見ている。

 

怖い…………心臓がドクドクと鼓動を打っている。

 

手足が細かく震えている。

 

嗚呼、オレはここで喰われて死ぬのだろうか?

 

まぁ、是非も無しだ。仕方がないね、オレは生きている事に意味を見出せない男だ、いや、人生に意味を見つけるってのは変な言い方だな、もともと意味のない人生に意味を与えるのが生きるって事なのだろう。

 

何処かの本にそう書いてあったな。

 

ならはオレは意味を与える事が出来なかった男というのが正解だろう

 

 

ふふふ、もうすぐ、情けない一人の男の人生が終わる。

とてもとても虚しい人生だった。

でも、オレは色んな人に愛されてたと思うよ?

みんな……ありがとう……大好きだよ……でもね、オレは誰も愛せない男なんだよ

ん〜……やっぱりオレはクソだな……

愛ってなにさ? 大好きってなにさ?

 

本当にお前は、誰かを好きになったか?誰かを本気で愛したか?

 

そんな事も全く分からない癖に愛だの何だのほざいてんじゃねぇよ 滑稽極まりないよ

 

今、ここでオレが言うべき辞世の句は、ごめんなさい……

 

いや、違うな大きな声で叫ぶべきだ

 

 

ありがとう

 

ってな……

 

なんでこんなことも分からなくなったかなぁ……

 

 

あ〜消えて無くなってしまいたい、虚しい……虚しいよ……

 

最期は……笑って逝こう……

 

そんな事を考えている時だ、ビュウッと強い風が吹いた。

 

「死ぬわよ?」

 

「うん、死ぬね」

 

背後から声がしたので即答した。

 

振り向いて見るとそこには六角烏帽子を被った少女が立っている。

 

「死にたいの?」

少女は、青年に問う

 

「どうだろうね?ただ、ここで終わってしまっても悪くないなって思ってるよ」

 

名も知らない不思議な格好をした少女にオレはとてもいい加減な返答をした。

 

「馬鹿じゃないの?大体、そいつ相手じゃ貴方、簡単に死ねないですよ?」

 

何を言ってるんだこの女……人間一人殺すには十分な牙を持っているじゃないか、きっと毒だってある、直ぐにあの世行きさ……

 

 

「いいの?君、逃げなくて?君も死んじゃうんじゃないかな?それに、馬鹿じゃないの?オレなんて放っておけば良いのに……君まで危険に晒されるじゃないか?」

 

溜息をついて青年は少女を見た。

少女は、蔑んだような目で青年を見ている。

 

「あやや、馬鹿に馬鹿と言われてしまいました、私の事はお構いなく、私は、まだまだずぅっと生きていくつもりですのでね、それに、私はこんなのに殺されたりしませんから〜」

 

少女は、ヘラヘラと笑って青年を見る。

 

ムカつくなぁ……

でも、きっと君はオレより立派だよ

生きようとする意思がある、オレみたいに無気力にダラダラ生きてなんていないんだろう?

きっと目標がある、夢がある、希望がある

そうだろう?

 

生きようとする人間は

 

 

 

美しい

 

 

「そっかそっか、君は、生きたいんだね……」

少女に聞こえないような小声で青年は呟いた

 

 

 


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