東方風天録   作:九郎

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更新遅いし手抜きを多くなってきたなぁ……

すいませんね、では、本編です。


遊びの終わり

「ねぇ、クロは何でそんな悲しい顔をしてるの?」

 

唐突にフランは聞いた。

 

「えっ……」

 

「気のせいかな?なんとなく、悲しい顔をしてるの」

 

「さぁ?オレにも分からん」

 

無垢な瞳に見つめられた。

だから咄嗟に目を離した。

 

オレはそんなに悲しい顔をしていたのだろうか?

 

だから、無理に笑顔を作った。

 

「嘘の笑いだよ、それ」

 

少しだけムスッとした表情でフランが言うものだから。

 

困った。

 

「さぁ、次は何して遊ぶの?」

 

話を逸らしてしまえ。

 

それが一番楽だ。

 

そう思った矢先に、ある事に気付く。

 

「どうしたのクロ?」

 

無垢な瞳をパチパチさせてフランは問うたが、気がつかなかった。

 

 

「行かなくちゃ」

 

スッと立ち上がる。

 

「嫌だ!!」

 

「えっ」

 

「もっと遊ぼう!!行っちゃ嫌だ!!」

 

グッと袖を掴んで必死にオレを留めようとするフランを見て、心が痛んだ。

 

泣いてたから。

 

「また来るよ」

 

ニコッと笑ってみせる。

 

それでもなおフランは、泣き顔を止めない。

 

「せっかく楽しかったのに!!もっと此処に居てよ!!」

 

「ごめんねフランちゃん、オレはずっと遊んでられないんだ……」

 

「なんで行っちゃうの?また私は1人で遊ばないといけないの?嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!」

 

ああ、この子は寂しいんだ。

 

ずっと1人で遊んでたからだろうか?

 

理由は分からない。

 

けれど、とても厄介な理由なのだろう。

 

心が痛むけれど、オレは無理やりフランを引き剥がして飛んだ。

 

 

そして_________

 

 

「クロ……なんで、私と遊んでくれないの?私と遊んでくれないクロなんていらない…… 壊 れ ちゃ え」

 

フランは俯いて呟き、部屋を後にした。

 

 

 

場面変わって紅魔館の広間にて

 

「あやややや、流石に逃げれそうもないですね。」

 

ボロボロになった少女は冷汗を垂らして呟いた。

 

 

「此処までよ、不法侵入者め……さっさとその写真機を渡しなさい」

 

目の前には幼子に見える吸血鬼、名をレミリアと言う。

 

「それは駄目ですね、写真機は記者の命ですから〜」

 

ヘラヘラと笑う少女を見てレミリアは舌打ちをする。

 

「だったら、貴方ごと壊してしまおうかしら?」

 

神槍「スピア・ザ•グングニル」

 

レミリアの右手に紅い槍が出現する。

 

そして、少女に狙いを定めた。

 

「クッ……」

 

咄嗟に少女は懐からカードを取り出す。

 

風符「風神少女……」

 

ドスッ!!

 

少女がスペルを宣言する前に、少女の右手のカードにナイフが当たり壁に突き刺さる。

 

「逃がさないわよ?」

 

唐突に現れた瀟洒なメイドは言った。

そして、同時にレミリアの手から紅い槍が放たれる。

 

打つ手が無い。

 

少女は青ざめる暇すら与えられなかったので、キュッと目を閉じた。

 

 

そして_________

 

 

ガシィッ!!

 

彼が来た。

 

右手で槍を受け止めて、ハァと深い溜息を吐いていたが少女は彼の真っ直ぐな瞳を見て自然と顔が綻んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 


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