感想ありがとうございます。
やる気が湧きました。
では、本編です。
「じゃ、もう帰るわ疲れたしな」
気怠るそうに青年は、レミリアに言った。
「約束よ、私の妹のこと……」
レミリアはそう答えた。
レミリアの返答を聞いて青年は数秒遠い目をして動きを止める。
「ねぇ、なんでそんなに妹の事を気に掛けるの?」
青年は首を傾げる。
「決まってるじゃない?家族だもの」
レミリアは即答する。
青年は、ハッとした。
自分の質問が愚問だと気付いたからだ。
チッと舌打ちして煙草を吸う。
イライラしたのだ。
バカな質問をした自分自身に。
「文、取材終了でいいよね?」
青年は、少女に目をやる。
少女は、不機嫌そうに青年を睨んで無言で頷いた。
青年は、何が少女の機嫌を損ねたのだろう?
と疑問を浮かべつつ館の出口へと足を運んだ。
するとその時……
「みぃつけた」
歪んだ笑みを浮かべた館の主の妹が高速で飛んできた。
「なるほどね、ブン屋のお姉ちゃんのところに行ってたんだ……」
暗い目をしてフランは、青年を見る。
「悪かったね、この子を助けるのがオレの仕事なんだ」
申し訳無さそうに青年は、フランに微笑みかけた。
青年のフランへの返答を聞いて少女は、無意識に不機嫌そうな顔が綻んでいた。
「邪魔だなぁ……」
歪んだ顔でフランは少女の顔を睨む。
「へ?」
少女は、キョトンとしてフランを見た。
そして、殺気のこもったフランの表情を見てゾッとする。
不味いかも知れない……
表現しようのない不安と恐怖に少女は包まれる。
自分も幻想郷の中では実力者の内に入る。
それなのに何故……
少女は、冷や汗を垂らしながら思考を巡らせるが答えは出なかった。
「ブン屋のお姉ちゃんが居たからクロは私と遊んでくれなかったんだ……邪魔だな……壊れちゃえばいいのに」
チッとフランは舌打ちして少女に向かって弾幕を張る。
「クッ……」
少女は、フランの異様な雰囲気に圧倒されつつ持ち前の速さで弾幕を避けていった。
いつものように弾幕を避ける。
それは長年少女がしてきた事だ。
だから、何という事はなかった。
弾幕を避けていく中で少女はいつも通りの安心感さえ覚えていた。
しかし、次の瞬間
少女の束の間安心は終焉を迎える。
色とりどりの美しい光弾の中、フランは気付かれないように少女の背後に回り込み、紅い剣を振りかぶる。
フランの殺気にゾッとして少女は振り返る。
そして、紅い剣が自身を斬るその瞬間に、感じていた不安と恐怖の理由が分かった。
これは、弾幕ごっこじゃない……
殺し合いだったんだ。
キィンと青年がフランの紅い剣を受け止める。
「フランちゃん、止めてよ……」
キッと青年は、フランを見つめる。
「煩いなぁ、クロは黙っててよ……」
フランは、鍔迫り合いの至近距離から青年の顔面に手をかざし、光弾を連射する。
ズダダダダと大きな音と煙が辺りを包む。
「グアッ!!」
青年は、それをまともにくらい吹っ飛ばされて壁に激突した。
「クロ君!!」
少女は、青年の名を叫ぶが返答は無い。
「やっぱり、斬るよりかこうやって壊した方が早いよね?アハハ!!」
フランは、笑いながら少女に手をかざす。
そして……
「キュッとしてドカーン!!アハハ、やっぱり簡単だ。」
大きな爆発音が辺りに響き、少しの間辺りを静寂が包む込んだ。