かなり変えてますけど……
前々から気付いてる人も居るみたいですけどね。
知ってる人が居たら感想下さい!!
原作の漫画の台詞は確か……
『500ゼウスでどうだい?』
だったかな?
「この馬鹿がぁ!!!」
ある夕方、またあの男が幼子を怒鳴っていた。
おかしいな?
昼のうちにあの子の仕事は終わらせてあげたのに
首を傾げて物陰から様子を伺ってみる事にした。
すると、破けた米俵の前でシクシクと泣いているあの子の姿が見えた。
「何をやったかしらねぇがあんな短時間で米俵を移動させる事が出来たんなら、量を倍にしたって構わないよなぁ!?なのに、何時までモタついてやがる!!」
幼子の表情は虚ろだった。
相当に疲弊しているのだろう。
ちゃんとご飯は食わせて貰っているのだろうか?
こんな事続けさせたら、いつかこの子は死んでしまう。
それは……嫌だった……
「ボサッとしてんじゃねぇよ!!」
男は幼子に向かって酒瓶を投げつける。
「ううう……」
幼子は、声さえ上げることができずにコテンと倒れこんでしまった。
「オイ!!サボってんじゃねぇ!!」
「やめて下さい!!このままじゃこの子は死んでしまいます!!」
思わず男の前に大の字になって幼子を守った。
馬鹿だ……関係無いのに、オレは何してんだ!!
「なんだテメェは?人様の躾にゴチャゴチャ口出してんじゃねぇよ!!」
全くもってその通りだ。
オレが口を出して良い事じゃあない。
「見てられないんです……」
目を伏せながら呟いた。
「だったら、知らん顔してここから消えろ!!」
男は怒鳴る。
けれど、消える気などさらさらなかった。
それよりも、自分の刃圏に首を差し出して怒っている男がとても滑稽に見えた。
殺ろうと思えば殺れるな……
あの子……攫っちゃおうかな?
と馬鹿な事を考えた。
でも、ここは里の中だ。
里では妖怪は人間を襲ってはならない……
「お断りします、貴方達がこの子をちゃんと家族として扱うまで、オレはここを動きません!!貴方達がこの子を愛してあげるまで……オレは殺されたってここを動かない!!!!」
自分の秘めていた思いは言葉となって……
オレは大声で叫んでいた。
こんなに大声を出す自分に驚いた。
なんでだろ?
もう訳が分からない……
けれど……オレは衝撃的な言葉を聞く。
「 い く ら で 買 う よ ?」
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香霖堂にて……
ダンッ!!
勢いよくドアをあけた。
「クッ、クロ!?どうしたんだいそんなに急いで!!」
ドアを開ける音に驚いて霖之助は、飛び上がった。
「これさ?全部金に換えたい……安くたって構わない」
キッと霖之助を見た。
「えっ、はぁ!?なっなんで!?」
霖之助は、戸惑っていた。
「頼むよ、霖之助……友達……だろ?」
「クロ……君、泣いてるの?」
一体何があったのか霖之助は問いただしたかったのだが、それが叶わなかった。
今までに見た事のない青年の表情に戸惑っていたからだ。
この上なく怒り
この上なく悲しそうな……
そんな顔だった。