東方風天録   作:九郎

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やっぱり戦闘描写に近い物は難しい

第三者視点で書いた方がまだ楽ですね。

最近更新できてなかったので更新です。
あんまり自信のない話ですが、どうぞ楽しんでって下さいませ。

では、本編です。


弾幕ごっこ

「うろ!!うろ!!」

 

クイクイと伊織が袖を引っ張る。

今日も平穏、恐ろしいまでに平穏だった。

 

「大丈夫なんだろうか?」

 

ふと弱音を吐きそうになる。

 

けれど、この子の前で弱気になってられない。

頑張らなくちゃ……

 

「クロ……」

 

空からチルノが降りてきた。

 

あいつ……山の警備を掻い潜って来たのか?

ハッ、ザルじゃねぇか……

 

今日の当番は……アホのトージか。

 

ラッキーだったな。

 

「どした?」

フッと笑ってチルノを見た。

 

チルノは、申し訳なさそうに頭を下げた。

 

「ごめんなさい……あたいのせいでクロが里の人達に……」

 

「いや、関係ないから」

ヒラヒラと手を振って否定してやった。

 

アレはただのきっかけに過ぎないからだ。

 

「いや、でも!!」

 

「うっさい、もう謝んな、別に怒ってないから、オレもチルノと遊んでやれなかったのは悪かったって思ってるんだ。」

 

「あははは〜」

伊織は、チルノの顔を見るなり笑い出す。

きっと伊織の中ではチルノは、面白い事をする変なやつといった印象なのだろう。

 

「いや、あたいは……その……」

 

モジモジとしながらチルノは、こちらを見る

 

クスッと笑ってしまった。

 

「遊ぼうか?」

 

「えっ、でも……」

 

「良いよ、今は暇なんだ、遊んでやる、ずっと前さ?弾幕ごっこやろうって言われて……オレ、断ったよね?今なら、きっとできるから。」

 

 

「えっ、その……いいの?やった事ないんでしょ?」

チルノは戸惑いながら答えた。

 

「来いよ、存分に楽しんでくれ」

 

フッと笑って答えると、チルノはパアッと明るくなって

 

懐から札を取り出して言う

 

「氷符 アイシクルフォール」

 

するとチルノから大量の氷柱と光弾が放たれた。

 

「伊織、下がって見ててくれ」

サッと伊織に筆談し、そして、翼を広げて宙に舞う

 

ヒラリヒラリと弾を避け、伊織に当たる恐れのある者は全て叩き落とした。

 

「このっ、このっこの!!」

チルノはムキになって光弾を飛ばす。

 

「よっと」

一気に間合いを詰めてチルノの正面に現れる

 

「うわっ!!」

突然現れたオレに驚いたのかチルノは咄嗟に黄色い光弾を放った。

 

「おっと危ない……」

自分に当たるギリギリのところで光弾を剣で弾いてついでに写真を撮影

チルノは焦りつつも氷塊と氷柱、そして光弾を放ち続けた。

 

ふと思った。

 

やっぱ、弾幕って綺麗だな……

 

文は、いつもこんな世界を飛び回ってるのか……

 

ちょっぴり羨ましい。

 

「スキあり!!喰らえ、氷符 ソードフリーザー」

 

ボーッと考えているとチルノが手に氷の剣のような物を持って突っ込んで来た。

 

スキありって声を出したら奇襲にならないんだけどなぁ……

 

と思いつつ、少し、反撃しようかと思った。

 

妖怪になった時、オレは弾幕を張れるようにはなっていた。

 

だから、チルノと遊ぶ用にスペルカードと言うものを作っておいたのだ。

 

ただ、新聞紙を札様に切っただけなのだが……

 

懐から札を取り出す。

そして、スペル宣言

 

「翔符 五条大橋」

 

なんの事はない、ただ空中を前後左右上下に移動しつつ弾幕を張るだけだ。

 

「わわわっ!!」

 

縦横無尽に移動する相手にチルノは目が追い付いていない様子だった。

 

しかしながら、キチンと弾幕を避けていく

 

手を抜きすぎたかなぁ?

回避不能な弾幕はいけないらしいし……

加減が分からない。

 

「へへーん、クロの弾幕大した事ないね〜」

ニヤッとチルノは笑って挑発してきた。

 

なるほど、手を抜き過ぎたようだ。

 

じゃあ二枚目

「奇襲 鵯越逆落とし」

 

フッとチルノの視界から消えた。

 

「あれ、どこいった!?」

 

キョロキョロとチルノはこちらを探している。

 

「ここだよ〜」

 

チルノの背後、そしてそれより20メートルほど高い位置から一気にチルノ目掛けて猛スピードで突っ込む

 

ただの突撃技である。

 

「わぁ〜来るな〜」

チルノは驚いて大量の光弾をこちらに放つ

それをオレは全て剣で弾いてやった。

 

「ヒイッ、危ない!!」

ぶつかるギリギリの所でチルノは身を捩って避ける

 

「ん〜残念、も少し遊ぶか?」

 

 

そうして、チルノとの弾幕ごっこは、続いた。


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