暫く書いてなかったから、設定とか話の流れとか下手したらミスってそうで怖いですね、もしそうならば申し訳ないです。
では、ごゆっくり。
「まだ、アレは帰ってこないのか!!」
男が屋敷にて怒気を交えて言った。
「まぁ、落ち着きなって父さん博麗の巫女がきっと連れて帰ってくれるさ、それに、あの天狗が退治されれば、わざわざアレを弄らなくても良いわけだし」
不敵な笑みを浮かべる男の息子は、右手のメスを月明かりに照らして眺めていた。
「お前の計画に支障はないんだな?」
横目で男は息子を見る、すると息子はニヤリと笑った。
「大丈夫さ、外の世界から流れてきたコレを使ってアレに仕込んでデカい花火をあげるだけだもの、あとは、天狗から欲しい物を頂けば良い、それに、今の博麗の巫女が無能じゃなけりゃ、それもやらなくて欲しい物は手に入るし、死ぬまで扱き使える奉公人も手に入る」
「人里の人間、それも子どもが拐われたとなっては博麗の巫女は動かざるを得ないそれが、真偽が不確かなものだとしても、危険な妖怪を退治し、異変を解決する事が博麗の存在理由なのだから……まったく、よく考えたものだよ……」
男は、クククと笑った。
服、そして屋敷を、見る限り彼は金持ちだ。
最近思わぬ収入もあった。
でも、彼等は足りなかった。
もっと欲しかったしもっと別のものだって欲しかった。
たくさん欲しかった。
ただただ欲しかった。
そして……
「伊織、掴まれ」
ニコッと青年は伊織に微笑みかける
伊織は、青年を心配そうに見て、その言葉に従った。
伊織は青年が心配だった。
服はボロボロだし、左手が痛そうだ。
それに、扇子と日傘の人が自分をどこかえ連れて行きたいらしい
クロはそれから自分を守ってくれているようだ。
伊織は、子どもながらに申し訳ないと思っていた。
そして、青年は伊織を連れて飛んだ。
暫く経って
「待ちなさいよ」
後ろから声を掛けられる。
「文……」
青年は、溜息を吐く
「伊織を連れて逃げるなら私も行きますよ」
「文には関係ない……」
帰ってくる言葉を分かった上で青年は言った。
巻き込みたくないと思っていたのに、やはり巻き込んでしまった。
最低だ……オレは……
青年は、遠い目をして再び溜息を吐く
「巻き込んでくれて良いんです……私だってこの子の母親ですから……だから……」
少女は、青年の思っている事を分かった上で言った。
私たちは家族だ、偽物だとしても……
それに、こんな大変なことになって、それを貴方は背負いこもうとしてる……
潰れちゃう……そんなことさせたらクロは潰れちゃう。
少女は、キッと青年を見つめていた。
「もう前みたいにさ?ウザい……とか、邪魔だ……とか言わない、オレは文を信じてるよ、ありがとう……」
青年はおもむろに口を開く
「じゃ、じゃあ良いんですね!!逃げる事なら任せて下さい!!私はこの世界で一番速いんです一緒に逃げま……」
少女が言葉を言い切る前に、青年は再び口を開いた。
「前にさ?文、オレに凄く意地悪な質問したよね?」
「えっ、なんでしたっけ?」
少女は、キョトンとして答える。
「オレにとって文は何なのかって質問……これがおれの答え」
ドッ!!
「ウッ!!」
青年を一瞬で少女の背後に回り、後頭部を手刀にて一撃……
少女は、気絶してそのまま落ちて行く。
「大切な人……この世界で一番、だから、退治されるのはオレ1人で良い、文と伊織、どっちも天秤になんて掛けられない……だから、オレは両方守りたいんだ……許して欲しい」
う〜!!う〜!!
と伊織は、青年に抗議するも青年は、何かを諦め
そして何かを決心したような表情で、少女を木の木陰に寝かせ再び飛んだ。
青年は、なんにも要らなかった。
お金も地位も名声も
ただ、伊織と文が居てくれれば何も要らなかった。