番外編でもやってほのぼのとさせようかな？
ホッと一息コーヒーでもクロ君に飲ませてやりたいですね。
では、本編です。
腹に刺さった釘を抜いた。
なるほど、これは対妖怪用の道具なんだな
どうりで力が抜けてくと思ったよ。
厄介だ……
それに、これ以上の出血は危ないな
ただでさえ右目を失って大量に出血してるってのに……
「クロ、死にたくなかったら降参しなさい！！」
弾幕を放ちつつ霊夢が言った。
「死にたくないですし、降参したくもないです。オレは博麗さんの言うことをなんて聞きませんよ？」
霊夢を睨みつけて言ってやった。
すると、霊夢の弾幕はさらに激しさを増す。
それに、この人右へ右へとオレの死角に入って攻めてくる。
あざといな……
そういえば魔理沙さんは？
居ない……何処へ行ったんだろう？
おおよその予測は出来た。
たぶん、ここには居ないだろう。
きっと邪魔だから紫さん辺りがスキマに入れたんだ。
「フンッ！！」
距離を詰めて霊夢を薙ぐ
やはり結界で防がれた。
しかしながら霊夢もオレの攻撃を防ぐのには骨が折れるのだろう。
肩で息してる……
「これが最後よ……降参なさい」
キッと刺すような目つきで霊夢は言う
ゾッとした。
なんだろう？本能が降参しろと語り掛けてくるような……
嫌な感じがする。
この人、本気でオレを殺すつもりなんだ……
それでも、ここで伊織を渡してしまったら
自分の中の大切な物も無くしてしまうと思う。
それは嫌だった。
たとえ死んでもオレはあの子を守るんだ。
「どうなの？」
低い声で霊夢が言う。
ヤバい……殺される。
きっとノーと答えたら殺される。
でも、自然と身体が動いていた。
右手中指を立てて蔓延の笑みで言ってやった。
「嫌です」
フッと霊夢が消える。
あれっ？と思う間も無く。
『無想天生』
背後から声が聞こえた。
反射的に剣で薙いだ。
背後に居た霊夢を薙いだ…………筈だった。
透けた。
そんな馬鹿な……と思って再び薙いだ。
当たらなかった。
幻か！？
いや、違う気がする。
そして、フッと霊夢が再び消えた。
そして、至近距離にパッと現れる。
驚く暇さえ無かった。
神霊「夢想封印 瞬」
そう聞こえた気がする。
ドォン！！
と爆発音がした。
吹っ飛ばされて色々な所で身体を打ち付けた。
自分が生きているのかどうか分からない。
真っ暗なんだ。
目の前が……
少しして激痛が身体を走る。
体の色んな所の骨が逝ってるみたいだ。
なんだか、左目が痛い。
目が眩んでるのかな？
ずっと真っ暗なんだ。
自分が立っているのか座っているのか、はたまた寝ているのかさえ分からない。
見えない……
ヒュゥゥと風が頬を撫でる。
なるほど……両目逝ったか……
盲目になった。
なんにも見えない。
あの眩い閃光を直で見たからなのか……はたまた何かに当たって潰れたのか……
よく分からないけれど、これで殆ど勝ち目が無い。
「これで終わりよ……」
霊夢の声が聞こえた。
ちょっと声が震えていた。
なんだか、終わりにしてくれと懇願するような声だった。
ピッと喉元に何かを突き付けられていて、多分少しでも動くとまたさっきの技を使われる。
「ねぇ、博麗さん……今、オレ……どうなってます？」
「両目が……潰れてる……」
「そうですか……もうオレ、あの子の顏……見れないんだ……」
「お願い……降参して……お願いだから……」
震える声で霊夢が言った。
足にポタポタと水滴が散った。
雨でも降ってきたのかな？
なんだかフワフワしてきて……
飛んでいけそうな気分だ。
死ぬのかな？
この感覚……なんだろう？
なんだか、優しく包まれてるような……変な感覚があった。