東方風天録   作:九郎

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まだ、リハビリみたいなもんですね、ご容赦をば……

私の未熟さ故に内容を曲解される事がありますが、そうならない様に気を付けて行こうと思う次第であります。

では、本編です。


途方に暮れて

少しだけ目眩がする。

 

眼に映る景色が綺麗な筈なのに、それなのに今日はやけにボンヤリ灰色掛かって見えた。

 

今日は哨戒の仕事は無い。

 

だってオレ干されてるから。

 

里の人間を襲って、そして幻想郷の賢者や博麗の巫女にも危害を加えた。

 

殺されなかったのが不思議だった。

 

オレが濡れ衣着せられてた事、そして、紫さんや博れ……霊夢さん達が自分の立場や使命を守る為に仕方なく闘った事を山の天狗達は知っているようだった。

 

流石は情報通の妖怪だ……

 

いや、もしかしたら文が動いていてくれてたのかもな……

 

 

見えない所でオレは守られてたんだ。

 

オレは……誰一人として守れなかったのにな……

 

 

まぁ、中にはオレの処分に納得いかない奴らもいるわけで

たまに襲いかかってくるけれど……

 

正直言って大した事ない。

 

軽く戯れる気持ちで相手してやると逃げて行く。

 

オレが強くなったのか……あいつらが弱いのか……

 

きっと後者だろう。

 

本気で山の天狗達が俺のことを殺しに掛かったらもっと組織的に殺すだろうし、上の位の強い人達は目先の情報に踊らされたりなんかしないと思うし。

 

あれから、霊夢さんや魔理沙さん……妖夢とも口を利いてない。

 

会うわけには行かないから。

 

里にも行くことができなくなった。

 

だから遠目で空から伊織を眺めてるだけ……

 

あいつ、たまに外へ出てきて空を見上げるんだ……

とても幸せそうに。

 

オレが空にいることに気づいているのか、それともオレの幻影を追っているのか……

 

どっちかな?

 

まぁ、目も耳も聞こえなくなったおかげで伊織も酷い扱いはされなくなっているみたいだ。

 

伊織の親達も、少しは人間の情ってものがあったらしい。

 

この状況を良かったと喜ぶべきなんだと思う。

 

それなのにオレは伊織を見るたびに悲しくなる。

本当に君はそれが幸せなのかと問いたくなる。

 

答えなんて返ってこないのに……

 

伊織を守る為に、今まで仲良くしてた人達との関わりをぶった斬って

結局のところなにも残らなくて……

 

失ってしかなくて……

 

ハハッと自嘲気味に空を見上げると上空に黒い翼が見えた。

 

咄嗟に走って逃げた。

あの娘だと思ったから

会いたくないし……というか会えないし。

 

タタタッと軽快なリズムを刻んで地面を蹴って前へ進む。

 

妖怪の山の木々の隙間を縫うように進む。

 

モヤモヤする。

色んなことを考え過ぎて頭がパンクしそうだ。

 

ムカついたから目の前に生えていた木を思い切り蹴った。

 

すると木はバキッと音を立ててへし折れる。

 

全然気が晴れなかった。

 

寧ろ、バカなことした自分に腹が立って余計にイライラする。

 

そうやってオレは途方に暮れた。

 

 

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