そして、クロスの許可も頂いた。
やる気出ますねぇホントにどうやって書いてみようか、失礼の無いように頑張らなくちゃですね!!
では、本編です。
ギュッと抱きしめられ、青年は少女の温もりを感じた。
温かい……
このまま、時間が止まってしまえば良いのに……
青年は思った。
しかし……幸せな時間は、長く続かない……
ドッ!!と音を立て、何かが竜巻の中に入ってきた。
「霊夢さん……」
「これだけの事をしておいて、ハイお終い、お疲れ様でしたって訳にはいかないのは……アンタだって分かるわよね?」
霊夢は、冷たい眼差しを青年に向けた。
「そうですね、オレは沢山の人を傷つけたし、この世界をぶっ壊してやろうとしました。そして、そんな存在を退治するのが務めだって言うんでしょ?霊夢さん、貴方のやってる事は正しいと思います。大局的な平和を求めて、その過程での少なからずの犠牲は仕方がない……そういう考えで貴方は貴方の務めを果たしてる……それで、その犠牲がオレと伊織って訳だ……」
ヘヘッと自嘲気味に青年は、笑った。
血を失い過ぎて、目もまともに見えない。
痛みも感じなくなってきてる。
てか、なーんで死なねえんだろ……オレ……流石に死ぬだろ普通……ぶった切られて、でっかい爆発に巻き込まれて、胸も貫かれて……その他諸々……大剣の力に助けられてたけど、もうそれも無くなった。
それとも、他に理由があるのだろうか?
自身の状況に、青年は溜息を吐きそうになった。
しかし、側に大切な人が居る。
この人を泣かせたくないなぁ……
青年は、そう思った。
「そうね……何故なら私は幻想郷の巫女だから。理由はそれで十分でしょう?」
「クロ!!逃げましょう!!私が思い切り飛べば……」
少女は、青年の腕を引っ張りながら言った。
しかし、青年は何かを諦めたような顔で首を横に振る。
まるで観念したかのように。
「いいや……オレはここで退治されるべきだ……じゃないと、霊夢さんの存在意義も薄れてしまう。そうなると、妖怪が増長して里の人達に危害を加えかねないし、逆もまた然り……」
「知らないわよ!!そんなの知った事じゃない!!!この世界を守るために博麗の巫女が貴方に刃を向けるなら……私も!!」
少女は、懐の団扇を手に取り構えた。
霊夢は、それを見て冷たい表情のままお祓い棒を構える。
「やめて下さい」
キッと青年は、霊夢を睨んだ。
しかし、冷たい表情は一切揺るがなかった。
冷たい目だなぁ……
まるで、ロボットみたいだ。
兵隊ロボットが敵を排除しようとしてる。
でも、徹しきれてない……オレだって人の事言えないけど……
でも、気に入らないな……
霊夢を見て、青年は思った。
「文、手出ししないで……文には傷ついて欲しくない……本当さぁ、ワガママだよな?やっと分かったよ……オレが文には傷ついて欲しくないって思ってる以上に、文もオレに傷ついて欲しくなかったんだ……他人の気持ちなんて考えてなかった……ごめんね、オレって……ホント馬鹿だ……
オレもさ?文を泣かせたくないから……死なずに帰ってくるよ、約束する……助手の仕事だって真面目にやる、あっ、そうだ!!最近、ご飯とか作って貰ってばっかだったからさ?オレ作るよ!!約束するから……」
困ったような顔をしたのち、 ニッと青年は、笑って少女の掴んだ手を振り解き飛んで行った。
霊夢も青年を追って飛ぶ。
「ッ!?」
例え世界が終わってもこの手を離さない。
そう思ったのに……まるで風のようにすり抜けた。
なんで……?
少女の疑問は解消される事はなかった。
そして……ポツンと少女は、その場に取り残された。
少し経ってシュウ〜と風船が萎むように、青年の作った大きな竜巻が消えていった。
そして、何処か遠くでドーンとかバーンとかクロと博麗の巫女の戦う音が聞こえる。
「クロ……貴方初めて生きようとしてくれましたね……死なないって約束してくれた……だから、信用ならないですけど信じてあげます。まぁ、帰って来たら来たで一発殴らないとですけど……文句は言わせませんよ?私の気持ち知ってて貴方は飛んでったんですから……一生恨まれるような事してるんですよ?分かってます?」
遠い目をして、少女は音のする方角に向かって
バカ……
と一言呟いた。