もっと色々書いておくべきか、今回描写に困ってやっつけ仕事みたいになってしまいました。
申し訳ありません。
一つ言いたいのは、身近にクロ君みたいな奴がいたら、たぶん半殺しにしてるなぁと思います。色々舐め腐ってるし、甘ったれですからね。
では、本編です。
「どう?刀で貫かれる感覚は?貴方はよく覚えていた方がいいわ……」
唐突に現れた女は青年に言った。
「貴方が……オレを終わらせてくれるんですね……悪くない……」
口から血を垂らしながら青年は笑う。
「終わらせる?冗談でしょう?殺すつもりなら思い切りぶった斬ってるわよ、貴方を殺すのなんて赤子の手を捻るよりも簡単だもの……ほんの挨拶代わりよ……」
「オレ、なんか悪いことしました?初めて会った時からアンタ……殺気が抑えられてなかったじゃないですか……八雲さん……」
「死にたい死にたいって言うからその願い、叶えてあげようと思って……でも、まだ早いわ、もっと堕ちて、地べたに這いながら生きてる貴方を眺めていたいもの……もっと苦しみなさい……もっともっと……フフフッ」
グシュッ、グジュッと音を立てて紫は、青年の傷口を抉る。
「ギャァァァア!!」
獣のような叫び声を上げる青年それを冷淡に見つめる紫
「人間ってね……そんな簡単に死なないのよ?少しは後悔したかしら?死にたいって言ってたこと……」
「………………」
「あら?意識の境界を操ったから、気絶なんてさせないわよ?」
再び紫は、青年の傷口を抉る。
「ア"ア"ア"ア"ァァァ!!」
「どう?死なないでしょう?貫いたとこだって、急所は外したわ……ただ、一番痛い所を狙ったけれど……」
氷のような眼差しで紫は、青年を見つめ、青年は痛みのあまり何も考える事ができなかった。
「クロ君……貴方はまだ生きるの、重い重い真っ黒な過去を引っさげて、恥を引き摺って潰れそうになりながらずっとね……死んでしまっても良いなんて思いながら自分が傷つくなんて……側からみたら立派に見えるでしょうね……でも、貴方はそうやって逃げようとしてる……誰かの為に死ぬという大義名分を掲げて逃げてるのよ、正義の味方?笑わせるわ……貴方はただの腰抜けよ……何を甘ったれたことを抜かしてるの?」
「うっせえ、クソババァ…………」
キッと、青年は紫を睨んだ、それを見て紫は再び傷口を抉る。
「グギギ……ギャァァァア!!!」
「良い目になってきた割には耳障りな声上げるわね……死ねないわよ〜こんな痛いのに……普通ならショック死よ?」
紫は、ニィィっと不気味な笑みを青年に見せる。
出血多量で死なせないためか、青年の傷口からは出血が止まっていた。
「ううう……ぐっ」
「あまり図に乗るなよ小僧が……自分の命を賭して人を守る?自分の命すら守れない男が?自分の命を賭して人を救う?自分さえも救えない男が?自分の命を賭して人を助ける?自分を助けることすらできない男が?所詮、ガキの妄言ね……軽いのよ……貴方の言葉……そういった言葉は、本気で誰かを愛した人間の言う台詞よ……そういう人間はね、愛した人の為なら命だって惜しくないの……誰も愛したことのない貴方にはそんな資格ないわ……そう、貴方のやってる事は、ガキのヒーローごっこ……さそがかし楽しったでしょうね?血だらけになって人を守ろうとする自分に酔っていれて……」
「黙れ……」
「お前が黙れクソ餓鬼……」
「…………」
「哀れね……手を差し伸べてくれる人を拒絶して、ただ一人トラウマに怯えて……本当は臆病者……」
スッと紫は、青年に近づき耳元で囁いた。
「精神的に向上心の無い者は馬鹿だ……貴方は大馬鹿者ね」
「黙れ!!」
「わめくな……」
紫は再び傷口を抉りだした、しかし青年は貫かれた刃をガシッと掴み血走った目で紫を睨む。
「自分よりも大事な人達がいたから、オレは頑張れたんだ!!たとえヒーローごっこだとしても……それでも、それでもオレは!!」
フッと青年の意識が途切れた。
「戯言ね聞きたくない……貴方に正義の味方は似合わないわ、だって弱いもの……特別な能力だってない、出来た人間のように見せかけて、本当の貴方の中身はスッカラカン……もっともっと絶望して、壊れてしまってこのまま堕ちていきなさい、そしてこっち側になるのよ……」
再び紫は、不気味な笑みを浮かべて青年を担いでスキマの中に消えていった。
「運が良いわ……心臓をひと突きするつもりだったのに……いや、無意識に避けた?まぁ、そうこなくちゃ黒子は務まらないわ……私は貴方を全否定したけど、好感は持ってるのよ?荒療治だったけど、これからどうなるかしらね……」