東方風天録   作:九郎

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長くなったなぁ……

そうそう、クロのモデルなんですけど、私は挿絵を描く画力が皆無なのでどんな奴か伝えられないんですよね。

かなり前からクロのモデルはあったんですよ、こんな主人公にしたい!!ってキャラクターがね。

クロのモデルになったキャラクターの名前は。
ファラン・デンゼル
という、私の大好きな打ち切り漫画の登場人物です。
クロの容姿は、まんまこんな感じで私は小説を書いています。
中身は全然違うんですけどね、でも、共通点としては二人とも呪いのような過去を背負ってるところですかね〜
気になった人は見るといいですよ。あるか分からないけど……


少女と波長

同刻、妖怪の山上空にて……

 

「あははは、あははは!!おっかし〜アイツなに顔真っ赤にしてんのよ〜嘘に決まっるじゃないのあはははバーカバーカバーカ……」

 

大笑いしながら飛ぶ少女が一人……

 

 

「あははは……ははは……グスッ……ヒッグ……まぁ、私の身から出た錆なんだろうけど……グスッ、辛いなぁ……」

 

何故だろうか?目頭が熱い、胸が痛い……

分からない、正直なんで私は、アイツにあんな恥ずかしい事を口走りそうになったんだろうか?

そりゃ、言って欲しくないに決まってる……私みたいな性格の悪い天狗娘に、あんなこと……

 

私が彼に笑っていて欲しいって思うのは、やっぱりおかしい事なんだろうか?

 

いや、違うな……そんなじゃない……

 

 

幸せになって欲しいと願うことってやっぱり間違ってるのかな?

 

背負い過ぎなんですよ……なんでもかんでも自分の所為にして

無茶ばっかりして……いつも何処か遠くを見てて……私の目くらいちゃんと見てくれればいいのに……

でも、本当は優しい、優し過ぎるくらいに優しい人……

 

他人に対してそんなに興味を持った事なんて無かったのに……

私はどうしてしまったのだろうか?

 

最初に会ったときは、死体を見ている気分だった…………それくらいに生気の無い顔をしていたのに……最近、私がアイツをおちょくって、アイツが怒ったり、笑ったり

色々な、表情を見せてくれるのが嬉しかった。

少しずつだけど、私に心を開いてくれてるような気がして……

すっごくすっごく嬉しかった。

 

いや、きっとこれは私の驕りだ。

私みたいな奴に、アイツは心なんて開いちゃくれない……

 

あっ、でも私がさっきアイツの背後から抱きついた時のアイツの反応は、おもしろかったなぁ……

 

どうせ

「ウザい……抱きつくな、さっさと離れろ鬱陶しい……」

みたいな事言ってくるんだろうなぁって思ってたのに。

 

 

「ヒャッ!!」

 

だって……フフフ、顔を真っ赤にして体が小刻みに震えてるんだもん……面白かったなぁ〜

 

アイツは女の子にそんな事された事無いのかな?

 

まっ、あの性格じゃ寄るものも逃げていくわね……

だから、全然耐性がない訳だ……

 

馬鹿だなぁ……本当に……

ニコニコ笑ってたら群がってくるだろうに……

 

まっ、ど〜でもいいんですけどね、ど〜〜でも!!

 

 

場面変わって竹林に佇む屋敷の中にて……

 

 

オレはボケェ〜と天井を見つめていた。

 

ガキのヒーローごっこ……か……

 

そりゃ、そうだよな……だからずっとオレは失敗してきたんだ……

 

「馬鹿だ……オレは馬鹿だ……」

 

一人で呟いた。

 

でも、それでもオレはヒーローになりたい。

いや、ヒーローという言葉で一括りにするのもおかしいんだよ……

 

そんな言葉の型にはめてはいけないんだ……

 

言葉に囚われるな……言葉にできないような……そんな存在をきっとオレは目指しているんだろう……

 

 

まっ、ガキのオレが何を言おうが、ガキの妄言だ……

クソッタレ……悔しいなぁ……

 

 

そういえば刀に貫かれた傷……完全に消えてる。

 

やっぱり妖怪の賢者だけあるな……凄いや……

 

ここはどこだろうか?

 

診療所?

 

 

「あっ、気がついたんですね!!師匠〜!!さっき運ばれてきた人、目が覚めましたよ〜!!」

 

大きな声で師匠という人を呼ぶこの女の子は、何者だ?

 

何故にうさ耳?

 

コスプレか?恥ずかしくないのか?

恥ずかしくないのだからやってんだよな……

 

「えっと、クロさんでしたっけ?スキマ妖怪に連れられて来た時はビックリしましたよ!!いきなりスキマ妖怪が現れて貴方を投げてよこすんですよ?それで、貴方の名前だけ私達に教えたらすぐに帰っちゃうんですもん凄く困りましたよ〜」

 

あの野郎……

いや、ここまで連れて来てくれたことには感謝すべきか……

 

 

「あっ、私、鈴仙・優曇華院・イナバって言いますよろしくお願いしますね」

ニコッと鈴仙さんは微笑んだ。

 

長い名前だなぁ……

すぐに忘れそう……それに、この娘の赤い目……あまり見ていたくない……

 

 

「ねぇ、クロさん……貴方の波長……すっごく優しい感じがします……なんだか、優しく包まれているような……」

 

 

「波長?何のこと?」

 

 

「いえ、なんでもないんですよ……」

 

 

「あら、回復するのが早いのね、いらっしゃい永遠亭へ」

 

ドアから銀色の髪の女が入ってきた。

医者っぽい服装……ではないな……

 

何故に白衣を着ずにツートンカラーの服装なんだ?

 

よく分からんぞ……

てか、医者っぽい服装って何を言ってるんだオレは……医者に服装の定義など無い……医者はみんな白衣を着ているなんて固定概念は棄てるべきだろう。

 

 

「貴方は?」

 

 

「私は、八意 永琳よ、さっと貴方を診たけど他に外傷は無いみたいね………心以外は……死人みたいな目をしてるわよ貴方……」

 

 

「ゲッ……」

思わず声が出てしまった。

 

顔を見ただけでそこまでズバッと言う医者なんて見たことねぇわ……

いや、この人の洞察力が凄いんだ……

 

 

「今日は遅いからここに泊まっていきなさい、いや、此処に住んでも良いのよ? 少し貴方に興味が湧いたから……」

 

 

「流石に住むのは不味いですよ、まぁ、お言葉に甘えて今日は泊まらせて頂きますけど……」

 

 

「別にいいですよ?クロさん良い人だし……姫様も喜びそうです」

鈴仙さんがニッコリ笑って言った。

波長とやらでオレを良い人と判断したのか?

 

 

「まぁ、相当に神経磨り減らしたみたいだから今は寝てなさい……さっ、鈴仙……行くわよ……」

 

「あっ、ハイ!!」

 

 

そう言って鈴仙さんと八意さんは部屋から出て行った。

 

うん、相当疲れたな……だりぃ、寝よう

 

その頃、部屋から出た鈴仙と永琳は青年に聴こえないように話していた。

「どんな神経してるのよ……あれだけ拷問紛いのことされた直後なのに……平然としてるわ……」

 

 

 

「そうですね、波長にも特に変わったところはなくって、とても静か

で心地よくって……温かい……」

 

「ふぅん……興味が湧くわね……彼が一体何なのか、少し観察してみたいわ」

 

 

「師匠……実験動物を見るような目で彼を見ないで欲しいです……あんな、波長の人間……初めて見ました……」

 

 

「ふふふっ、どうしたの?大丈夫よ、安心しなさい彼をそんな目で見てないわ……」

 

永琳は鈴仙に微笑むが、鈴仙は、遠い目をしていて何も気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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