まだ、早い気がするんだよなぁ……
あっ、評価してくれた人ありがとうございます!!
めっちゃやる気でました。
今回の話はエグいけど……まぁ、もっとエグい話になっちゃうかも知れませんよ〜だってそういった章ですから。
では、本編です。
…………つまんね。
あれから数日経ったけどなんだか、何事にもやる気が起きない
いつも通り生活して、たまに霖之助のところに行って話すくらいかな
虚しいなぁ……天気もどんより曇っている。
青年は、里へ続く道を歩いていた。
「ん?」
変な匂いがした。
懐かしい匂いだ……
でも、反吐の出るような嫌な匂いがした。
死の匂いだ……
その匂いのする方へ向かった。
すると今度は、ブゥーン、ブゥーンと羽音が聞こえた。
「ウッ……」
女の子がそこにいた。
いや、女の子だったものである。
白い蛆虫がワラワラと蠢いている、蛹もそこらじゅうに落ちていた。
妖怪に喰われたのだろうか?ところどころ喰われた跡がある。
でも……なんか変だ。
推定年齢10〜16歳辺りか……
今の季節、ハエの蛹の個数と、死体の腐敗具合、それから蛆虫の成長具合……うーん、三代目くらいかなぁ、あと、傷……それから判断して死亡推定時刻と、扱われた凶器を考えていた。
もはや、ここまでくると職業病である。
ビュウと風が吹いた。
あっ、あの子が……
違った…… なんで一瞬凄く嬉しかったんだろう?
いや、理由は、分かってる……分かってるさ……
「あの〜クロ君、あからさまにそんな顔されたら傷付くんだけど……」
ムスッとした顔ではたては、青年を見た。
「お久しぶりです、姫海棠さん……」
「はたてでいいわよ……なんか、暫く見ないうちに……アンタ、大人びたね……いい男になったかな?」
「……褒めてもなにも出ませんよ?それに、今この状況でよくそんな話できますね……」
「あっ、変な匂いすると思ったら人間の死体があったのか……」
特に驚く事なく、はたては死体を見つめた。
まぁ、彼女達にとっては死体を見るなんて日常茶飯事なのだろう
「クロ君、なんでそんなの見てるの?」
訝しそうに、はたては青年をみつめた。
「変なんですよ……」
「ん?何処が変なのよ……クロ君、此処に来てそんなに長くないから驚いてるんだろうけど、こんなの日常茶飯事よ?」
「そうなんでしょうね………でも、この人……服を着てない、それに、衣服がそこら辺に転がってないですもん……あと、顔面に皮下出血……首筋にもあります……それに、これが致命傷なんでしょうね、大きな刃物で切られた跡がある……死因は、大量出血による失血死かな?」
真剣な顔で青年は、はたてを見た。
「すっごい!!クロ君探偵みたい……これは事件ね!!新聞のネタゲットだわ!!」
嬉しそうにはたては死体を撮影するものだから
青年は、チッと舌打ちをした。
「呑気なもんですね……人が死んだのに……いや、貴方達には分かりゃしねぇか……これ以上この子を辱めることしないでください。」
「うっ……ごめん……」
「いえ、気持ちは分かります。真実を伝えることが貴方達ブン屋の仕事でしょう?でも、これを記事にはしないでほしいな……」
「えっ、なんで?」
「衣服が無いところで察して下さいよ……この死体……精液の匂いがする……もう分かるでしょう?これ以上言いたくない……」
「うっ!!」
青年の発言で、はたては全てを理解した。
「この人……オレに色々教えてくれましたよ?抵抗した跡があったり……殴られたりした跡もある……イカれた野郎に殺されたんだろうなぁ……」
青年は、遠い目をして呟いた。
青年の中に……ドス黒い何かが渦巻いていた。
「誰かが……殺したってこと?」
「ハイ、それも相当イカれたやつですね……明らかに殺意が見られるし、皮下出血の数も異常だ……」
「酷い……一体誰が……妖怪?」
「いいえ……違うと思います、こんなに嬲って殺すなんて、人間の仕業でしょうね……ハハハ……嫌だなぁ。」
「あんたは動揺しないのね……」
あまりにも冷静な青年の表情を見て、はたては眉を潜めた。
「動揺?してますとも……大いにオレは動揺してますよ?でも、それ以上に……怒ッテイルンデス……」
ニッコリと笑う青年を見て、はたてはゾッと背筋が凍るような感覚を覚えた。
「へっ、へぇ〜あっ……私……用事思い出したから……帰るね!!」
(ヤバい……今のクロ君……なんかヤバいよ!!この前会った時とは、雰囲気が少し違う……)
逃げるようにはたては、飛んで行った。
とりあえず……里に行こうか……
何か分かるかも知れないし……
許せないなぁ……許せんなぁ……
かわいそうだなぁ……
誰が殺ったんだ?
何処のどいつだ?
まぁ、そんな事はいいや……
ちょっとだけ……泣きたいな……
あの子に……会いたい……
いや、甘えるな……女々しいぞ!!
でも、あの子がこんな目に遭うのは……絶対に嫌だ!!
もう二度と……あんな思いしたくない。
犯人を見つけ出さなきゃ
上手に斬ったなぁ……傷を見ただけで相当な使い手かも知れないと思った。
見つけてどうする?
どうしよう?
だって、この世界にはそいつをブチ込むブタ箱なんてねぇし……
そいつを裁く所だってない……
無秩序だよ。
罪を償わせるんだ……一生ね
一生背負って生きていけばいい……ちゃんしかるべき罰を受けて
ちゃんと自分の犯した罪を理解して、真っ当に生きればいいんだ!!
きっと分かると思う。
オレだって背負ってるんだ……
だからきっと……
青年は、優しかった……優し過ぎた。
そして純粋だった……誰よりも純粋な心を持っていた。
そして、これが、そんな心と体が壊れてゆく……
惨劇の幕開けである。