東方風天録   作:九郎

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まだ、探してる段階ですね。

伏線貼りまくるの楽しいなぁ、サブタイやら、前書きにも訳の分からん事書いてるもんな
全部回収するつもりだけど……

露骨な貼り方したくないけど、いや、露骨なのかな?
小説に興味持って欲しいって再三いってますけど、とっつきにくいなぁって思ってる人は戯曲なんてどうです?
魔弾の射手良いですよ〜最近は、チェーホフが好きですね
二章は、チェーホフの「かもめ」っぽくしたいけど、どうなるかなぁ
では本編です。


トモダチできた。

で……ここが綺羅って奴の家か……

 

「ごめん下さ〜い!!」

 

ドンドンと青年は、戸を叩くが何一つとして返事がない……

 

居留守してるのか?それとも……中で……

 

「ごめん下さ〜い!!綺羅さ〜ん!!居たら返事して〜」

返事一つ帰ってこない……

まさか……な……首吊ってないよな?

嫌な記憶が呼び覚まされた。

 

面倒くせぇ……

ドカァ!!!

と大きな音を立て、青年は戸を蹴破って入って行く。

 

「綺羅さ〜……」

 

 

スッと首筋に銀色を突きつけられた。

 

ヤバい……気づかなかった……全くの不意だ……

 

「へぇ……ちゃんと心得てるんだ……士道を……首から入ってたら、斬り落としてやったのに……足から入ったね。」

 

戸の陰から白髪の青年が現れる。

 

おお、イケメンというやつだ……女みたいな顔してるな

中性的な顔立ちという奴だ。

 

「良かった……生きてて……」

青年は、首筋に刃を突きつけられている事を忘れて安堵した。

 

良かった……良かった!!

 

 

「あっ………………」

綺羅は、じいっと青年の顔を見つめる……いや、見とれるといった方が適切だろうか?

 

 

「なに?オレの顔に何か付いてるの?」

 

 

 

「いや、別に何でもないよ!!」

 

「戸……壊したから直しとくな、あと、勝手に押し入ってごめん、死んでるんじゃないかと思って心配だったんだ……」

 

 

 

「死なないよ……まだね、色々見ていたいから……」

 

 

「あのさ、お前ならハッキリ言った方が良いと思うけど……」

 

 

「死んだんだろ?僕の好きだった人……」

能面のように無表情な顔で綺羅は青年に言った。

 

 

ああ、そりゃそんな顔になるよな……

辛いんだろうな……好きな人が死ぬのって……

すっごくすっごく辛いんだろうな……

 

さしずめ、又八さんが先にこの人に言ったんだろう……

あの人から言われた方が信じられるし……

 

「良いよ……僕は過去には囚われない……今を生きる人間だからね」

 

 

 

「あっさり、してんな……薄情者め……好きだったの?本当にその子のこと?アンタ顔が良いからまだ、他に女でもいるんだろう?」

 

少しイラついた。

なんでだろ?泣くくらいすれば良いのに……

あっさりし過ぎだよ……いや、泣く事さえできないんだろうな。

そこはオレと同じ……でも、

オレとお前は、対極なんだ……

お前はちゃんと前を向いて生きようとしてるから……

 

…………悔しいな。

 

 

「寄ってはくるけれど……あの子ほど色んな表情は見せてくれなさそうだし……興味ないね……、でも、君に興味が湧いた……だって、君……僕と同じ目をしてるもの……死人みたいな目だ……悲しい目をしてるね……バッテン前髪君……」

 

バッテン前髪言うなよ……

久しぶりだわ、前髪の事触れられたの。

 

「一緒にすんな……」

チッと青年は舌打ちしたが、まんざらでもなさそうな表情を見せる。

 

なんかすっごく恥ずかしい……

こんなストレートに自分の気持ち話す奴初めてだ。

 

 

「ごっ、ごめん……でもさ?僕は今寂しいんだ、とってもね、そろそろ人間の相手がしたい……色んな顔を見たい……もっと……」

 

 

 

「だったら外に出ろよ……」

 

 

「そうするつもりだよ……君が来てくれたからまだ、寂しくない……僕は君の側で君の色んな表情を見ていたいな……」

 

 

 

「おいおい、そういう事は女に言えよ……お前ならイチコロだ」

 

 

 

「思ってる事……正直に口にしたまでだよ?」

 

 

「素直だな……」

あ〜ヤダヤダ、こういったヤツがモテるんだぜ〜

歯の浮くような台詞を男のオレに言うなよな〜

 

まぁ、こういったヤツは嫌いじゃない……

 

 

「よく言われる……」

 

 

「まぁ、元気が出たみたいで良かった寂しいならオレが会いにきてやるよ……それでお前が満足ならさ……トモダチって奴だな」

 

自分の言った事で赤面するとは思わなかった。

恥ずかしい……

めっちゃ恥ずかしい……いいなぁ、オレもこんな風に素直になったら

 

何か変わっただろうか?

 

 

「名前……教えてよ」

 

 

「クロ……」

 

 

 

「そっか、クロ君っていうんだね……僕は瑠璃葦 綺羅《るりあし きら》

っていうんだ、よろしくね、フフッ、君に会えて良かったよ……一人じゃつまらなくってさ……退屈だもの……君と居たら退屈しなさそうだ……」

 

 

「だったら良かったよ、でも残念ながらオレは行くよ……用事があるからさ……外に出てたらまた出くわすかもな……じゃっ」

 

フッと青年は、笑って去っていった。

 

オレとは正反対の人間だなぁ

羨ましい……イケメンだし……

過去に囚われない……か……

 

よく出来るな……そんな事……

 

羨ましいな……

 

 

 

綺羅の家から出てから、完全に手掛かりが無くなって

困り果てた。クソ……一体誰が……

 

 

「またあったな!!」

 

聞き込みすっかなぁ……地道に捜査しなきゃだめだよな……

 

 

「前はよくもバカにしてくれたな!!まぁ、アンタと闘って気付けなかった事に気付けたけどさ……別に感謝なんかしてないぞ!!」

 

 

指紋とか取れたらなぁ……機材が無いし……DNA判定とかもできたら速攻で犯人を割り出せるのに……

 

「今から、人里の道場に行くんだ!!私、子ども達相手に剣道を教えてるんだよ、あっ、そうだ!!私と試合しろ!!前の借りを返してやる!!」

 

 

指紋の機材は、自分で作るか?いや、凶器が見つかってないしする意味が無いな……

それに、これ以上、あの子の死体を弄りたくない……

それは、死者への礼を欠いている。

 

 

「なんで無表情なんだ?はは〜ん、怖いんだろ?そりゃそうだよね、アンタ私に、一撃も入れられなかったもんね〜デコピンされたけど……クッソ〜腹が立ってきたぞ!!」

 

他に良い方法は無いのか?早く見つけないと犠牲者が増えるかも知れない……

いや、冷静になれ……熱くなったら大切な物を見落とす。

 

よく言われた事じゃないか……

 

 

「背が小さいの気にしてるんだぞ!!それに、妖夢ちゃんって呼び方もやめろ!!私は、お前よりも歳上なんだ!!バカにするな!!」

 

 

冷静に冷静に…………もう一度現場に行くか?

いや、もう少し情報を集めなくちゃ……怪しい奴が出てくるかも

 

 

「おい!!何とか言ったらどうだ?ん?申し訳なくて声も出ないか?絶対に許さないからな!!お前は、私が斬れなかった物だ……いつか絶対に斬ってやる!!ふふふ……怖い?クール気取ってるけど内心アンタ、ビビってんでしょ?」

 

 

とりあえず人通りの多い所に移動だな……

 

タッと青年は、走り出した。

 

 

「あっ、おい待て……」

ヒュ〜と風が吹く。

一人寂しく妖夢がたたずむ

 

「私……無視されてた?」

 

ガン無視である。

 

 

 

 

 

 

 


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