下手くそだからなぁ……
取り敢えず頑張るか……
では、本編です。
うーん、ダメだ……
みんな人殺したりしそうにない人間に見える。
困った……どうしよう
「あっ、いた!!」
あの子を頼れば情報収集なんてすぐ出来るだろうな……
ちゃんと謝って綺羅みたいに素直に……ちゃんと、本当の気持ちを……
ダメだ!!!
オレじゃダメなんだ……オレなんかじゃ……
不幸にしたくない……
「よくも無視してくれたな!!どこまでもふざけた奴だ!!」
オレなんかと関わっちゃいけないんだ、オレは1人で果てるべきだ。
1人で消え去るように……
覚悟ならない事もない。
だから、オレの事なんて一切気にせずに忘れ去られるような存在になりたい。
「謝れ!!手をついて謝れ!!散々人を馬鹿にして……大っ嫌いだ!!」
クソ……胸が苦しい。
切ないという感情なのだろうか?
本当は大声あげて自分の本当の気持ちを言ってしまいたい。
それが君に届いたらなぁと思ってる。
伝えたいと願ってる。
「ん?……お〜い」
でも、ダメなんだ……オレは幸せになっちゃいけない。
苦しい……苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい!!!!!!!!
いっその事こんな感情さえも手放して、本当のバケモノになってしまえば……幾分か楽になれるかな?
「もしも〜し!!」
本当はオレは……
「くぅぅぅ……お前だけは〜!!!!無視するなぁ!!」
バチィ!!!
と大きな音を立て、竹刀で頭を殴られた。
「痛っってぇぇええ!!!!」
振り向くと妖夢ちゃんが顔を真っ赤にしている。
何?なんでそんなに怒ってるの?
は?オレ、なんか悪い事した?
意味分かんね、は? は?はぁ?
「さっきから、ずっと話し掛けてるのに……ず〜っと無視して!!人を馬鹿にするのも大概にしろ!!」
「え?話しかけてたの?ごめん、ちっちゃくて気付かなかった……あっ…………」
「………………」
ピク……ピクと青筋立てて妖夢ちゃんは、こっちを見ている。
「ごめ……」
バチィ!!バキィ!!ボコッ!!ドカッ、ビシッ!!
延々と妖夢の持っている竹刀の音と拳で殴る音がこだました。
「いや、マジすいませんした妖夢さん……いや、ホントすいません」
ボコボコにされた青年は、涙目で妖夢を見た。
「この馬鹿たれ!!バッテン前髪!!ボケナス!!」
まだ妖夢ちゃ……さんは、怒っている。
そっ、そんなに怒るなよ〜
「ね?ね?お菓子やるから許して!!ね?ね?ね?」
青年は、焦りながら妖夢の顔色を伺いながら言う。
「いるかそんなもの!!」
プイッと妖夢は、そっぽを向くがその先に青年は、回り込んでポケットの中の物を取り出し渡そうとする。
「ねっ、ね?これやるから機嫌なおして!!」
「は?何これ?」
「ん?これ、ダンゴムシ〜さっき拾った〜テヘッ」
バキィ!!
問答無用の妖夢の鉄拳を受けて青年は、吹っ飛んだ。
「ふざけるなぁ!!!」
「じょっ、冗談だよ〜」
しょうもないイタズラがバレて照れるように青年は、頭を掻いた。
ボコボコにされて、涙目である。
「ちょっと来い!!人を舐め腐った性根を叩き直してやる!!」
グッと妖夢は、青年の耳を掴んで引き摺った。
「痛い痛い!!もげるもげる!!悪かったってマジで!!ごめん、ごめんなさい、すいませんでした〜、何処へ連れてく気だよ!?」
「道場!!私と剣道の試合をするんだ!!」
「嫌だ!!オレ、剣道クソ弱いもん、絶対にボコボコにされるって!!」
「嘘をつけ!!私の剣を見切ってただろ!?謙遜するのは良いことだけど、少しは誇らしげにしてくれないと私が悔しい!!」
そうして青年は、道場へ連れて行かれたのだった。
…………1時間後。
面あり!!
審判してる男が言った。
10試合目である。
「はっ!?弱っ……弱過ぎ……手を抜いているのか?」
「だから、苦手なんだってば……」
ボロクソに負けた青年は、面を外して言った。
全敗である。
「足運びもダメ、竹刀の振り方もダメ、私の剣にちゃんと反応して逃げるのは良いけど逃げ続けて途中でバテて捕まる、悔しくなったのか知らないけど攻めても隙が大き過ぎてすぐ返される、大体、全然打ってこない!!アレもダメコレもダメ!!」
延々とダメな所を聴かされた……
「ううっ、だってさぁ〜面も小手も突きも痛いじゃん?それに、竹刀が真剣みたいに感じてしまって……斬りたくないってゆうか……足運びも振り方も……なんか、決まったことしないとダメらしいし……」
「そんなもんじゃないだろ!?あっ、でもあの時も1度たりともお前から攻めてもこなかったな……偉そうな事言っておいてその程度?なんか信じられない……」
「うっ、うっさい!!苦手って言ったら苦手なんだよ……」
「弱過ぎるぞ、負け犬バッテン髮め……これに懲りたら私を馬鹿にするのはやめるんだな!!」
「くっそ〜覚えてろ〜」
「はっはっはっは〜正義は勝つ!!や〜い負け犬〜バッテン前髪〜バーカバーカ!!」
くそぅ……くやし〜
チョンチョンと肩を叩かれた。
振り向くと面を被った奴が木刀を渡してきた。
「やろっ?試合……君の好きなように、自由に振りたいんでしょ?」
聴き覚えのある声だ……
誰だろ?
竹刀を置いて木刀を受け取った。
取り敢えず礼をして、蹲踞する。
剣道の礼式に乗っ取ってやってみたつもりだ。
「やっぱり面越しで君の顔をみていたくないな……直に君の表情をみたい……もっともっと……」
バッとソイツは、面を外して置いた。
「あっ、綺羅……」
「やぁ、また会ったね……やろうよ、面なんて必要ないや……まぁ、ハンデってところかな……」
ハンデ?
少しイラっとした。
木刀だぜ?あぶねぇぞ……撲殺されるかも知れないのに……
「おいおい、綺羅、危ないよ!!」
「こっちのが楽しいもん……それに、君はこういった試合の方が好きそうだし……」
ニコッと綺羅は微笑んだ。
キャーと黄色い声援がどっかで聞こえた気がした。
「…………だったらオレも要らねぇわ」
青年も面を外して投げ捨てた。
「こら〜!!防具を大切にしろぉ!!」
なんだか妖夢ちゃんが怒ってるけど知らん……
負けまくったから悔しい。
いや、違うな……コケにされてる気がした。
ナメるなと言いたかった。
でも、囚われるな……我執の念に……
ただ、オレはコイツと遊びをするだけだ……
アレ?なんか……ゾクゾクしてきた。
気分が……高揚してきた……なんでだろ?
「んじゃ、始めるよ〜」
スッと綺羅は中段に木刀を構えた。
綺麗な構えだった、正に基本に忠実というか……お手本みたいな感じだった。
「来い!!」
対する青年は、構えと言えるのかも曖昧なダラッとした格好で、片手で木刀を持ち、肩をポンポンと叩いた。
「面!!!」
一瞬である……
額が割れて血が顔を伝う
「グッ……」
殺されたな……
見えてたさ……見えてたよ!!
でも、体が追いつかなかった。
「へぇ、痛い時はこんな顔をするんだね、クロ君って……」
綺羅は、ニッコリ微笑んでいる。
クソ……天才め……
この上なく綺麗な剣を振るう……
剣道のお手本みたいだ。
しかも恐ろしく速い……
妖夢ちゃんの剣よりかはゆっくり見えるのに……的確に入れてきやがる。
どう避ければ良いか分からなかった……
「…………」
青年は、無言で木刀を横一文字に振るう
それを綺羅は、難なく受け止め次の一撃を喰らわそうと直ぐさま、青年の小手を打つ、しかし、青年もそれを木刀で受け止めて、綺羅の胴を狙って打つしかし、綺羅は……
バシィ!!ゴンッ!!ガッ……
激しい打ち合いが続く……