東方風天録   作:九郎

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クロ君の能力少し出します。
これが一番大事かな、まず第一に必要なものでしょう?
これだけじゃ、だめですけど〜


ヤバいなぁ、ほんわかできないなぁ〜早くしたい。

面白くないの書いてるのは重々承知してるんですけどね〜
こういった暗い作風はウケないし〜
新しく明るいやつ書こうかな?
では、本編です。


垣間見せる片鱗と少女の決意

妖怪の山、射命丸宅にて……

 

「馬鹿だ……私は馬鹿だ……」

 

何千年も生きてきたのに……私はガキだった。

 

馬鹿だ……私は馬鹿だ……

 

誰かを好きになったことないからかな……

 

何が何だか分からないよ……

 

気持ち悪い……

 

何で私は好きでもない相手に大好きなんて軽々しく言ったんだ?

気持ち悪い…

 

馬鹿だ……

 

好きでもない相手に抱きしめられて……

気持ち悪い……気持ち悪い気持ち悪い!!!!

 

アレ?

震えが止まらない……

 

「うっ、うぇぇぇ!!」

 

少女は、ガタガタと震えながら嘔吐する。

 

ヤダ……怖い……助けて、誰か……クロ君…… クロ君!!

 

 

 

少し前、妖怪の山麓、自宅にて

 

 

危なかったな……

平静装うの本当に辛かった。

おかしくなりそうだった……

 

涙出そうだった……

苦しかった……辛かった……

 

いや、オレが望んだ形じゃないか!!

 

いいんだよこれで……

 

頭を打ち付けてる時、記憶飛んでた……

 

そんな事はどうでもいい!!

 

あ〜もぅ、全部どうでもいいや!!!

知らねぇよ!!

 

イライラする……

 

「クソッ……」

バンッと青年は、家の戸を殴った。

殴られた戸は枠から外れてバタンと倒れる。

 

少しだけ気が晴れたような気分になった。

 

アアアァァァアアアア!!!!!

 

吠えるように青年は叫ぶ。

そうでもしないと、本当に自分が壊れてしまいそうだったのだ……

 

ドカッ、バキッ……ガッシャーン!!!バタン!!

青年は、家の中にある物を破壊し始める

そんなに家具は無い、小さい小屋だから……でも青年には十分だった。

棚を引き倒し、食器を割り、ガラスを割り、戸を蹴り倒し

眼に映るもの全てをぶっ壊してやりたかった。

 

ハァハァハァ……

虚しい…… こんなことしたって……

 

手や足から血が滴っている。

拳にはガラスの破片が突き刺さっている。

 

これで良いのに……

全然納得できていない自分がいる。

 

苦しい……

 

 

 

「相当に荒れてるわね……」

スキマから紫が現れた。

 

どうでもいいや……

 

「何の用ですか?」

 

チッと舌打ちして青年は、紫を睨んだ。

その目には光が無い……いつも以上に……

 

「ん〜、クロ君虐めすぎたから……お詫びに少しだけ良いこと教えてあげるわ……」

 

 

 

 

「どうでもいい……帰って下さい……」

 

 

「まぁ、そんな邪険にしないで……」

 

 

「さっさと言って帰って下さい……」

 

 

「貴方、最近自分が自分じゃなくなってきてる感じしない?人を殺したくなったり……その事について朗報があるのだけれども……」

 

 

「ッ!!何ですか、早く教えて下さい!!……ん!?」

第六感って奴か?

ホラッ、ガンダムとかのピキーンってやつがした。

 

 

「八雲さん、その話……後にして貰っていいですか?オレ、行かなきゃ…… 」

 

 

 

「フフッ、そうね、それで良いのよ……そろそろ頃合いかと思ってたから……行きなさい……」

 

 

「ハイッ!!」

 

 

フッと青年は、消えた。

 

 

「流石ね、素晴らしいわ!!貴方の神経伝達速度なんてどうでもいいの……これこそが彼の金の卵たらしめるもの……あんなこといいな……できたらいいな〜ができる子だものね貴方は………自ら来たる也……『自来也』とでも名付けましょうか……彼の能力のから出せるこの技を……これなら貴方は、私の切り札になる、ごめんなさい……私は貴方を過小評価してたわ、貴方の能力……大雑把で曖昧だけど、必要な物を全て積み込んでるものね……」

 

ニッコリと紫は笑う

彼女のその時の彼女の笑みは、いつもの不気味な笑みではなかった。

 

「大丈夫よ……貴方は大切な人を傷付けたりしない……変じる前の副作用みたいな物よ……貴方はそれを越えられる、抑えきれなくなるでしょうね……でも、大丈夫……進化の過程とは皆、醜いものなのよ?」

 

 

射命丸の自宅にて……

「助けて……クロ君……」

少女はガタガタと震えて泣いていた。

 

 

「なぁにやってんだよお前……」

 

 

「えっ!?クロ君……なんで……」

 

 

「知らん、呼ばれた気がして気付いたらここに来てた……なんで泣いてんのさ……彼氏の綺羅と喧嘩でもしたか?」

 

 

「…………そうです、別に大したことじゃないんですけど……」

 

嘘をついた。

アイツが私の彼氏?

冗談じゃない!!思い出しただけでも吐き気がする……

 

でも、私みたいな自分勝手な女……クロ君を不幸にする……

 

クロ君……私を見限って下さい、見捨てて下さい!!

 

私は貴方に相応しくない……

 

私は、最低な女です……邪な気持ちでクロ君を見ていた。

 

私なんて放っておいて下さい……

 

 

ギュッと青年は、少女を抱きしめた。

 

「ヒャッ!!」

少女は、驚いて顔を真っ赤にする。

 

「何でだろ……なんかこうしたかった……こうしなきゃいけない気がしたんだ、変だなぁ、こんな事しちゃいけないって分かってるのにな……」

 

 

ガタガタと震えていた少女の震えが止まった。

 

その代わり、ドキドキと心臓が脈打つのが分かるほどに少女の胸は高鳴っていた。

 

「ごめんなさいクロ君……もう少しだけ、こうしていて下さい……」

 

 

「ごめん文……もう少しだけこうさせて欲しい……」

 

ダメだな……オレは、幸せになってしまう……

いけないのに……

早く離れろよ……手を離せ!!

 

ゆうこと聞けよオレの体……

ダメだ……苦しくなくなった、満たされてく……

もう虚しくない……

 

ダメなのになぁ。

 

「クロ君……ごめんなさい……」

 

 

「なにが?」

 

 

「色々です……謝る事が多過ぎて……」

 

 

「そんなに多くないけど?寧ろ、オレが礼を言う事が多過ぎるな……ありがとうね……本当にありがとう。」

 

 

「優しいですね、クロ君は……私、最低なのに……」

 

どれくらい経ったろうか……ずっとオレはこの子を抱きしめたていた。

 

オイオイ、安心したのか寝てやがるぞ……

 

スウスゥと寝息を立てて、幸せそうな顔してる……

 

取り敢えず寝室まで運んどくか

 

青年は、少女を布団に寝かせ立ち去ろうとする。

 

「大好きです……」

 

後ろから声を掛けられた。

 

きっと寝言だろう。

なんだ、寝言で言うほど好きなんじゃん綺羅の事……さっきまでガタガタ震えてた癖に、何があったか知らないけど女の子ってよく分からないな〜

 

青年は、少女に背を向けフッと笑って去って行った。

 

ちょっと吹っ切れたかな……

お幸せにな……文……

 

 

「聴こえてなかったか……そんなこと思う資格ないけれど、やっぱりクロ君は幸せになって欲しいです、どんなになってしまっても、私はクロ君の味方ですよ……霖之助さん以上に……私は貴方の力になりたいです、覚悟なら、できました……もう私はガキじゃない……ガキにはならない!!」

 

何かを決意したような表情て少女は青年の背を見ていた。

少女は、ガキをやめることにしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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