でも、描写が、難しい!!
誰かバトルでオススメの作品しりませんか?できたら教えて欲しいです。
では、本編です。
「いるんでしょう?出てきて下さいよ〜」
青年は大声で先ほど感じた気配の主に言う。
すると、ザバァと池の中から大きなカエルが姿を現した。
キッとこちらを睨んでいる。
まだ、殺気にも似た怒りを感じる。
そりゃ当たり前だな……なんの罪もないカエル達に氷塊の無差別爆撃、そりゃ怒るわな 。
「すいませんでした、オレの友達が貴方達にあんな事……アイツに代わってオレが謝ります、どうか勘弁してやってくださいよ……よく言っとくんで、あの子も幼いんです……そこまで善悪の区別ができてないんですよ……」
深々と青年は大きなカエルに向かって頭を下げた。
その瞬間、バチィと横から鞭の様なもので叩かれ吹っ飛ばされる。
「グァッ!!」
バシィと近くの木に青年は叩きつけられる。
舌を、伸ばしたのか……
こりゃ、相当怒ってるな……
鞭打って相当痛いんだな。
「すいませんでした!!!」
再び青年は頭を下げる。
そして再び吹っ飛ばされる。
痛いな……なんでこんな気色悪いカエルに頭下げないといけないんだ?
たかが子どものイタズラ程度で……
しかも、凍らされたカエル達は死んではいなかった。
それなのになぜオレは頭を下げているんだろう?
頑張れば……殺れるかなぁ?
このカエル……
黒い感情が青年の中で渦巻いていた。
が……それと裏腹に青年のとった行動は意外なものだった。
「本当にすいませんでした!!どうか勘弁してやってくださいお願いいします!!」
青年は地面に頭を擦り付けながら許しを請うた。
土下座である。
初めて土下座と言うものをした。
悔しい……プライドなんて捨てたと思ってたけど、まだ残ってたんだな。
なんだか大切な物をかなぐり捨てたような気分になった。
とても惨めな気分だ。
「ゲェコ……」
静かに大ガエルは鳴いて池の中に戻っていった。
許してくれたのだろうか?
幻聴だろうか? シャッター音が聞こえた気がしたけど……
翌日の朝……
再び青年はグッスリと眠っている。
「こんのバカクロ〜!!!起きろ!!」
青年は、少女の怒鳴り声で叩き起こされる。
クソッタレが……何なんだよ!!
まだ6時くらいだぜ?
眠い眠い眠い眠い眠い!!!!!
あ〜イライラするぅ!!
「さっさと起きろバカクロ!!」
ベシィと新聞でぶっ叩かれた。
何なんだよ……なんで怒ってんの?
「何?」
不機嫌そうに青年は少女を見た。
「貴方は一応この天狗組織の一員として扱われてるんですよ!?それに見合った行動をしてくれないと困ります!!貴方、昨日池の妖怪蛙に土下座してたでしょう?なんてことしてくれたんですか?あんな下等妖怪に組織の一員が土下座なんてしたら私達の天狗組織がナメられるんですよ!!もう、凄い騒ぎになってます」
鬼気迫る勢いで少女は言った。
叩かれた新聞を読んで見ると
『地に堕ちた天狗の沽券』
と大きなタイトルで、オレが土下座してる写真がトップを飾っていた。
「あれまぁ、あの時のシャッター音はこれかぁ……わーい有名人になれるね!!」
青年は呑気に笑ったがその顔を少女は新聞でバシィと思い切りぶっ叩たいた。
「阿呆!!私達天狗はみんなプライド高いんですよ!?今の貴方は私達天狗の面汚しとして扱われてる……それがどういう意味か分かってるんですか?」
「あ〜なるほど……大体理解できよ、こりゃマズイわ……」
青年は苦笑いした。
「なんで土下座なんてしたんですか!?」
「いや、襲われて……命乞いしたのさ……大体、人間がこの妖怪の山で生きてけるわけないでしょ?それを無理矢理天狗組織の一員として扱うってそれおかしくない?迷惑だ……」
とっさに思い付いた嘘を青年は、真剣な顔で言った。
命乞いするようや情けない男に思われるのは少し嫌だったけれど……
この際仕方ないな。
「まぁ、確かにそうですよね、貴方人間ですもんね〜そりゃ命乞いしたって何の不思議もない……」
嘘吐き……
貴方がそんな事するもんか!!
謝ってたんでしょう?チルノさんのやった事を……
ったく……貴方はどうしてそんなにも自分を大切にしないかなぁ……
この人、最初からこうする気だったんだ……クロ君、甘ちゃんなんて言ってごめん……
とりあえず、私の新聞にクロ君の言ってた事を書いてばら撒けば……なんとかなるだろう……大天狗様も分かってるみたいだし……
ただ、信じない奴らはどうするか……
「ごめん……これからはちゃんと考えて行動します……」
ショボンとして青年は申し訳なさそうに少女の顔色を伺っている。
それを見て少女は、クスッと笑いペシッと新聞で青年の頭を叩く
「まぁ、誰かの為に頭を下げれるのは凄い事かなぁと思いますよ……すいませんね早朝に叩き起こしちゃって……お詫びに添い寝でもしてあげましょうか?」
「やっやかましい!!さっさと帰れよ!!」
青年は顔を赤くして少女を追い払った。
ちぇっ、バレてたか……
「あははは!!冗談ですよ顔赤くしちゃってなに考えてるのかなぁ?フフフッ、クロ君のエッチ〜」
ヘラヘラ笑って少女は去っていった。
あ〜もぉ、なっ何が添い寝だよ!!
信じらんねぇ!! 男と女が!?
アイツ頭をおかしいんじゃねぇの
くそっ起きたばっかりで表情を隠せなかった……
だぁ〜!!
くそっ寝よう寝よう!!
知らない!!
青年は再び眠りについたのだった。
妖怪の山中腹
哨戒天狗達の仕事場にて……
哨戒天狗達が新聞を見つめて話をしていた。
「見ろよコイツ……なんでこんな事できるかねぇ、情けない……」
「天狗の面汚しめ!!」
「大体、なんであんな人間モドキをウチの組織にいれるかねぇ?大天狗様は気でもおかしくなったのか?」
「まっ、いいじゃないか?だってコイツ縦社会のこの天狗組織の1番底辺なんだぜ?今までオレたち白狼天狗は下級の種族で鬱憤溜まってたけどさ……こいつのおかげで少し晴れたよ、自分よりももっともっと下がいるって考えたらさ……」
「それもそうだな……」
「こんど、コイツで鬱憤晴らさね?なぁに大丈夫さ……コイツは天狗の面汚し……たとえ死んだって誰も困りゃしないさ……」
一人の白狼天狗が言った。
ニヤニヤと黒い笑みを浮かべている。
「あ〜そりゃマズイかもしれないぜ〜だってコイツには文様が付いてるから……」
「あ〜あのクソ新聞の?」
黒い笑みを浮かべいた白狼天狗が言った。
それを聞いて他の天狗達は戦慄する。
「やっ、やめとけよ!!誰かに聞かれて文様の耳に入ったらお前殺されるぞ!!」
「ハッ、つまらない物をハッキリと言ってやって何が悪いのさ?文様?知らないねぇ……あの人がアイツを庇ったらしいじゃないか、何かしたら私が処分するってさぁ?だったら、オレが代わりにやってやるよ、わざわざあの高貴なお方(笑)の手を汚す事もないだろう?」
「やっ、やめとけよ……オレ達下級なんだから上の天狗の逆鱗に触れたらどうなるか……」
「クソムカつくよね……その上の天狗の方々が、あんな面汚しのカスを優遇してんだからさぁ?オレは目障りなんだよ……オレ達は上にはいけない、上の方々に媚びへつらうことしかできない!!文様はあの面汚しの事気に入ってんだよ……だからさぁ、アイツ消したらどうなるかなぁ、見ものだねぇ〜へへへへ……」
「オイ!!なに仕事サボってやがんださっさと持ち場につけよ!!」
ニヤニヤ笑う性根の腐った白狼天狗を、黒い天狗が怒鳴り付けた。
白狼天狗は逃げるように持ち場に着く。
「クソッ……イライラする、どうやったってオレは下級なんだ!!出世なんてできゃしない……クソが……」
白狼天狗は道に落ちていた石ころを思い切り蹴飛ばした。
「まぁ、オレのストレス解消に役立ってくれよ……底辺野郎……」
ククククク、と白狼天狗は笑う。