色々と考えたい時があるので、更新遅れる時があります。
ご了承下さいませ。
読んで頂いてるのにすいませんね
色んな人が感覚くれて私も嬉しい限りですよ!!!
では、本編です。
その後……
「あらあら、久しぶりですね、総隊長殿」
スキマ妖怪と老人が話していた。
「よう、クソババァ元気かよ?」
ニッと意地悪な顔して老人は紫を見た。
すると、紫はムッとした顔をして言う。
「貴方の方がよっぽど老けてますわよ?」
「ハッ、ただ老けてるだけさ……『あの時』からオレの中の時間は止まったんだ……」
「…………」
遠い目をして紫は老人を見た。
「あの小僧がワシの後釜か?」
「そうですわ……なのに、0点なんて酷いんじゃありません?」
扇子で口元を隠して紫は言った。
口元を隠すのは彼女の癖らしい、理由としては表情が読まれないからなのだろうか?
「孵化する前の卵に点なぞやれるか……それに、0点じゃあ無い……零じゃ……」
「あっ、なるほど……それが貴方なりの評価なのね……あっ、あと、あの子の傷は3日じゃ癒えないわよ、だって、黒狼と闘う前に能力使って元々少ない妖力がスッカラカンですもの」
「妖力が無くてアレか……ハッ、面白い奴だな」
「そう、貴方と同じ世界を感じられる者……貴方同じ目を持つ……いや、神経と言った方が正しいわね……」
「フッ、アイツ……化けるかもな」
ニヤ〜と老人は不敵な笑みを見せる。
それを見て紫は少しだけ口角を吊り上げた。
「どうなるかは私にも分かりませんわ……初代黒子、そして風天衆総隊長……無二斎《むにさい》殿……」
…………場面変わって永遠亭にて
「アレから毎日来てますね……」
「そりゃ、心配ですから……」
ふぁ〜と一つ欠伸をして少女は鈴仙を見た。
少しだけ目元にクマができている。
青年が心配で夜もあまり寝れていないようだ。
「私も彼が運び込まれた時は真っ青になりましたよ……よくもまぁ、生きてたもんだ、少し遅れてたら死んでましたし、それに、一週間経つ今でも眠ったままですもん……まるで眠り姫みたいですね。」
困り顔で鈴仙は、眠った青年を見た。
「妖力……空っぽになってるんですよ、何があったんだろう?こんなズタボロになったって、妖怪なら微弱に残ってる筈なのに……それすらも無い……それに、クロ君ならこれ位の傷、直ぐに治ると思ってたのに……相手が強過ぎたんですね……」
「誰にやられたのか分かってるの?」
「ハイ、まぁ、彼も半ば同僚の白狼天狗から、クロ君に一方的に喧嘩売られてボコボコにされたと聞いて仕返ししに来たんですよ……久しぶりにキレそうになったなぁ……元気だと良いですけど……その白狼天狗さん……」
ニコッと笑う少女を見て、鈴仙はゾッとした。
本当に怒ってるんだなぁ……怖い怖い……
「お邪魔虫は消えますね……恋する天狗さん……」
ニヤ〜と笑って鈴仙は立ち去る。
ほんのちょっぴり残念そうな顔をしていた。
「う〜ん、あの子には敵いそうにないな……きっと大好きなんですね 」
1人で鈴仙はポツリと呟き、そして歩き出した。
「別に邪魔じゃないのに……クロ君め、本当に無茶ばっかりして、重い物ばっかり背負っちゃって……そんなだから負けるんですよバカクロ!!自分は、幸せになってはいけない?そんな呪いなんて私が解いてやりますよ!!あっ、そういえば御伽噺でカエルになった王子様をお姫様がキスして戻すって話しあったな………お?これはチャンスなのかな?既成事実を作ってしまえばあとは……」
ニヤァと少女は笑う
しかし、その笑みはすぐに消えた。
「解けないさ……」
ボーッとした顔で青年は言った。
「あやややや!!起きたんですね!!」
聞かれてたかなぁ……なんか、ボケッとしてるから大丈夫だよね?
すぐに忘れちゃうでしょう、てか、忘れろ!!
内心少し焦っている少女であった。
「うん、やられちゃったよ……まぁ、オレがわるいんだけどさ……クッソ悔しいんだわ……今、お説教しないで欲しい、オレが阿保なのは身に染みて分かってるから」
「…………生きてくれてただけで良いですよ」
クスッと少女は青年に微笑みかける。
それを見て青年は困り顔になった。
「やめろってそんな顔すんなよ……本当お前さぁ?オレの悩みの種にばっかりなるよな……」
「何の悩みです?」
「……たとえばさ、自分の本当に大切な人が……その人を確実に不幸にする男と付き合ってたらどうするよ?」
「そんな事心配するなんて余計なお世話です!!私は自分の意思でクロくんに……なんでもないです……」
?綺羅のことを言ったつもりだけど……やっぱ好きなのかな?
まぁ、オレが本当にこの子の事を思うなら……奪ってでもこの子を幸せにするってのが正解だと思うけど、それが出来ないと思ってたからなぁ……
「この話は良いや……一週間も寝てたんだって?ハッ、やっぱアイツは強い……風天衆……特殊部隊か……」
「なんでクロくん、そんなに目を輝かせてるの?風天衆ってアレでしょう?全8隊の特殊部隊のことですよね?クロ君は弱いから無理ですって入りたいなんて思ってないですよね?」
は?1〜7だから全7隊だろうが何言ってんだよこいつ、まぁ、特殊部隊だからあんまり表に出ないのかな?
「べっ……別に興味ないね、特殊部隊になんて……SATみたいな奴だろ?興味ないね……」
「………………」
嘘つき……
と少女は心の中で呟いた。
「なんだか身体がだるいなぁ、とりあえず帰るかな〜傷も跡は残ってるみたいだけど、直ぐに消えるだろうね」
青年は、ベッドからぴょんと飛び出して側に立て替えてある大剣を背中に背負った。
やっぱり重いな、重い、重いよ……
だからこそ背負うんだオレは……
「ったく……そんな重い物なんて背負わなけりゃ、いいんだ!!なんでもかんでも背負い込んで……」
ムスッとして少女は青年を見つめている。
再び青年は困り顔をして答えた。
「こうしていたいんだよ……」
それだけ言って青年は去ろうとする。
「あっ、クロ君待って!!」
「ん?」
呼び止められた青年は、振り向いて少女の方を見た。
その瞬間
バコォ!!!
大きな音を立てて青年は、少女の下駄で叩かれる。
「痛ってぇ〜!!なにすんだよこの暴力女!!!」
青年は抗議するが、少女の怒った顔を見て少し焦っていた。
「心配したんですよ!!!バカクロ!!…………ハイッ、言いたい事はこれだけです」
ニコッと少女は青年に微笑むものだから、青年は先ほど以上に困り顔をした。
悪かったさ……悪かったよ。
でもね、また闘りたいって思っちゃってるんだよね〜
キチガイだなオレは……
あの時の、オレの突撃……桜花……
あいつには届かなかったなぁ
いや、届いてはいたんだけど、そう、当たってはいたけれど、運が悪かったよ
待ってろよ、次は……命 に 届 く
グッと青年は拳を握りしめた。
青年にとって初めての感覚だった。
これほどまでに、負けて悔しいと思ったことはない。
それに、心底また闘いたいと思っている自分がバカだと思う。
嫌悪感さえ感じている、それなのに……
どうしてここまで昂ぶってしまうのだろうか?
変だなぁと青年は、心の中で呟いた。