あえて書かないってのは言い訳でしか無いですしね
物を書くのは難しい!!
では、本編です。
帰り道にて……
永遠亭のみんなにお礼を言った。
みんな無理するなと言って少し叱られた。
何故昂ぶるんだろ?
「どうしてしまったんだオレは…… 」
考え込む青年の前にスキマが現れる。
「闘争本能というやつね……」
不敵な笑みを浮かべ、紫は青年を見た。
「闘争本能?そんなもんオレには無いと思ってましたけど?」
「変わりつつある過程の話を前にしたでしょう?これも副作用みたいなものなの、あなたの想い人も言っていたんじゃない?戦闘に特化してるって……」
「いったいオレはどうなってしまうんでしょうかね……漠然とした不安で一杯ですよ、本当に……」
「貴方は鳥……牙を持つ鳥なの、そして貴方の想い人は、牙を持たない方……」
「アンタ、いっつも訳のわからない事を言いますよね?面倒くさいなぁ……」
少しイラっときた、八雲さんはいつもオレに答えを言わない
甘えんなって事だろうか?
オレはアンタの事、あんまり好きじゃないよ?
「貴方の反応が面白くって、ふふっ、大丈夫よ……心配無いわ、そうそう!!貴方の能力の一つなんだけど……多用は厳禁よ?元々少ない妖力がスッカラカンじゃない?いつか本当に死ぬわよ?」
ニコッと笑って紫はスキマに消えた。
「ちぇっ、なんなんだよあの人……死んで欲しい癖に……」
青年は舌打ちして歩き出す。
スキマの中で紫は不気味に笑っていた。
「貴方は牙を持つから鴉……あの子は烏……うふふ、お似合いじゃない……」
里の近くの街道にて……
「身体がダルい……」
「あっ、元気だったか?バッテン前髪!!」
妖夢は、青年を見つけるとタタッと駆け寄ってきた。
牙を持つ鳥?
何の事だよ?鳥は好きだけれども……
「私と勝負しろ!!」
バケモノになっていってるな……もう人間に戻れない……
そう、そうだオレは人殺しだった。
だから人間じゃ駄目なんだよね?
そう、そうさ……
「おい、聞いているのか!?」
じゃあ、オレは一体何なんだ?
何のために生きて行けば良いんだ?
人間じゃない癖に人間の為に尽くすの?
人間じゃない癖に……
「ううう〜!!!無視するなぁ!!!!」
バコォ!!
と妖夢は青年の頭を鞘に入った白楼剣でぶっ叩いた。
「痛ッッッてぇぇええええ!!!」
先程叩かれた場所と同じところを叩かれたので、青年は頭を抱えて悶絶する。
「こんのバカたれ!!いつもいつも私をからかって!!無視されるのは辛いんだぞ!!」
「あっ、ごめん……考え事してて……」
「おっ、ワザとじゃないの?」
目を丸くして妖夢は痛そうに頭を抑える青年を見た。
なんだか、調子狂うなぁ……
と妖夢は思ったが、いつもの仕返しができたのでさほど気にしなかった。
「チビだから聞こえなかったのかも……」
「うるさ〜い!!チビって言うなぁ!!」
「ごめんごめんって……で?何か用なの?」
何処か悲しそうに青年は微笑むので妖夢は、怪訝な顔をして青年を見る。
しかしながら、妖夢は目的を果たすために強い目で青年を睨んだ。
「今日は、お前を斬るんだ!!いつもバカにされてるからな……」
「…………オレが人を殺したから?」
「えっ!?」
「オレがバケモノだから?」
悲しそうに青年は微笑んで続ける。
「なっ、何を言って……」
「そんなにオレの事殺したいの?」
「いや……それは……」
「嫌われてたんだなぁ〜オレって……悪かったよ」
悲しそうに青年は、妖夢を見つめて言った。
人付き合いは苦手なんだ、オレは楽しかったんだけどな……
「違う!!!」
大きな声を妖夢が出したので青年は、ビクッとする。
「うおっ!?」
「ずっと思ってたけどお前、悩み過ぎなんだよ!!そんな物私が白楼剣でぶった斬ってやる!!お前は、いつもの様にヘラヘラ笑ってれば良いんだ!!さっさとその大剣を抜け!!この前の決着をつけるんだ!!」
暫くキョトンとして青年は、妖夢をみていた。
「ふっ、ふふふ、あははは、アハハハハ!!!」
青年は、何を思ったか笑い出した。
それを見て妖夢は、顔を真っ赤にした。
本音を言ったけれど、物凄く恥ずかしいぞ!!
クッソ〜もうやだ!!コイツ斬る!!ぶった斬ってやる!!
恥ずかしい逃れにチャキッと妖夢は白楼剣を青年に向ける
恥ずかしいぞ!!足をバタバタさせて地面を転がり回ってやりたい!!
そんな気分だった。
すると青年は、にっこりと微笑んで妖夢にデコピンをする。
「痛っ!!なにを……」
「また今度な……」
そう言って青年は、ヒラヒラと手を振って去って行く
前よりも明るい表情になったので妖夢は、内心安心してしまった。
「まっ、待て!!逃げるのか卑怯者!!」
「うん、逃げるよ、斬られてしまったら……妖夢ちゃんの目標達成しちゃうじゃないか……そんなの面白くない、オレはもっと妖夢ちゃんをからかいたいのだ〜アハハハハ」
「なっ、なんて奴だ!!この卑怯者〜!!アホバッテン前髪〜!!」
妖夢は暫く悔しそうに逃げて行く青年の背を見ていた
すると青年がクルッと振り返ってこちらを見たのでどうしたのだろうと思った。
「妖夢ちゃ〜ん!!!ありがと〜う!!!!」
青年は叫んで再び逃げていった。
「ばか……」
クスッと妖夢は笑ってその場を立ち去ったのだった。