東方風天録   作:九郎

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てか、URが10000いってましたね

お気に入りも70超えたし。

感想も70超えたし!!

いやはや、ありがとうございます!!!

こんなの読んで下さって、至極光栄でごさいます。

嬉しいなぁ!!

では、本編です。


儚い人間

まただ……また、白い天井を見上げていた。

 

どーせ、永遠亭だろう……

 

無茶するなって言われたばかりなのに……

 

八雲さんにまた怒られるな……

 

「気がついた?」

 

八意さんがオレの顔を覗き込んでいる。

 

 

「どういう状態なんですか?」

 

無茶をし過ぎたのは分かってる。

 

やり過ぎた、でも、まだ生きている

だから、良かった。

 

 

「とても、簡単に言うと貴方の力に身体がついていけて無いの、筋肉、内臓、全てがもう限界なのよ、無茶し過ぎたの……」

 

永琳は、悲しそうな表情で青年を見た。

 

この人の表情から大体自分がヤバい状態なのが良く分かった。

 

 

へぇ……そうかい。

 

「まだ生きていられますか?」

 

困り顔で青年は永琳に問うた。

 

 

「大丈夫よ、激しい運動とか何をしたのか分からないけれど、無茶をしなければ、貴方はまだ生きてられるわ……」

 

永琳も困り顔で答えた。

 

まだ……という言葉に少し引っかかった。

 

なので、青年はフッと微笑んで言う。

 

 

「やっぱし、もう長く無いって事ですか?」

 

 

 

「大丈夫よ、貴方の頑張り次第では人並みの天寿を全うする事はできるわ……でも、これ以上無理すると……分かるわね?」

 

厳しい顔で永琳は、青年を見つめた。

 

 

 

さほど驚かなかった。

 

 

だって、生きてる方がおかしいのだから。

 

 

何度も死にかけたのに……

 

何故神様はオレを生かすのだろう?

 

 

オレは……なんの為に生きているのだろうか?

 

 

分かってる、こんなに悩んだって不毛な事くらい、分かってるさ……

 

 

「クロくん!!!」

 

ガチャッとドアを開けて少女が飛び込んできた。

 

 

「な〜に、焦ってんだよ……もしかして心配してくれてんの?お前が?あははは、いよいよオレもお終いだな……」

 

 

 

 

「してますよ!!!心配して悪いですか?何時だってしてますよ!!このバカクロ!!!」

 

 

「…………しなくていいのに」

目を合わせずに青年は答える。

 

この子が心配してくれているのは分かってる。

分かってるけど、心配してほしくないんだ。

 

負担になりたくないから……

 

 

 

「うっさい!!心配な物は心配なんです!!」

 

 

「何で?」

 

 

 

「だって私は……私は……」

 

 

「言わなくていいさ……さて、寝たらかなり体調良くなったし帰るかな〜」

 

 

青年はベッドから飛び降りて帰り仕度を始めた。

 

 

「ちょっ、クロくん!!安静にしてないと……」

 

 

 

「その子の言う通りよ、貴方死にたいの?」

 

 

 

「一人になりたかったんですけどね……分かりましたよ、でも、外出は認めて下さい、身体動かさないとオレは暇でおかしくなってしまいますので……」

 

 

 

 

「……勝手になさい」

永琳は、半ば呆れ返った表情で青年を見て。

 

そして、おおき大きく溜息を吐いた。

 

 

スキマの中にて……

 

 

バキイッと紫は、扇子を折っていた。

 

 

「あの馬鹿……」

 

 

怒るのも無理はない、アレだけ忠告したにも関わらず彼は3度目を使ったのだから

 

もう、彼は黒子になんてなれないのだ。

 

 

「私の計画が台無しね……まぁ、台無しって訳でもないのだけれど、良いわ、良いわよ……普通の男の子として生きなさいな……貴方は人間よ……散々言ったけど、まだ人間なの……幸せになったって良いの、背負った過去も全部下ろして、何者にも縛られずに……自由に生きなさい……短いだろうけど、残りの人生、しっかりと生きればいいわ」

 

 

大きな溜息をして紫は呟いた。

 

 

場面戻って永遠亭へ……

 

あれからオレの入院生活が始まった。

 

あの子は毎日来てくれる。

 

ウザいなぁ……

 

 

たまに、てゐさんに悪戯されるけど別にそこまで困っていない。

 

大体どこから来るか分かるから、対策は講じる事ができる。

 

 

永琳さんも、姫さんも鈴仙さんも優しい。

 

永遠亭のみんなを見ていると、こう言うのが家族というものなんだと思った。

 

 

ちょっぴり寂しいな……

 

最近は、窓の外を見てみると影に小さい子が隠れてこっちを見ているんじゃないかと思うことがある。

 

 

誰だろうか?

 

 

どうでもいいけれど……

 

 

体調は、良くなった。

 

もう、血は吐かない。

 

 

前みたいに身体が羽根のように軽くない。

 

人だった時と同じだ。

 

 

 

 

やっと……普通の男の子になれた。

 

 

そう思った。

 

 

 

でも、やっぱしオレはそんなに長く無いんだなって思う事がある。

 

 

 

 

なんとなく、なんとなくだけれども……

 

きっと杞憂さ……

 

いや、そりゃ、あと数ヶ月の命って言われたらオレだって焦るぜ?

 

 

でも、たとえ、数年しか生きられないとしても

数年で、十分だよ……

もともと死んでも良いやと思ってたんだもの

 

それが今はどうだ……生きたいと思っているよ。

 

 

君のお陰だよ、文……

 

 

ありがとう……

 

大丈夫、死ぬまで死なないから、一生生きるからさ!!

 

無茶な事はもうしないよ?

 

大丈夫、約束するから……

 

 

文……オレが生きているのは、君にとってはほんの一瞬の期間かもしれないね

 

いいんだよ、それで……

 

ワガママを言わせてもらうと、オレのことを忘れないでください……

 

 

 

でも、オレの希望としては、オレの事なんて忘れて下さい……

 

他に良い男見つけてそいつと幸せになって下さい。

 

 

な〜に考えてんだか……ハハッ、言われなくてもそうしますよ〜って言われそうだな。

 

 

複雑な気持ちだな……

人間の一生は、70年くらいかな?

 

短いね……

 

もっと一緒に居たいよ。

 

一緒に居て、喧嘩したり、笑ったり、怒ったり、怒られたり……

 

何気無い生活がしたい。

 

きっとそれが幸せという奴だ。

 

この思いはあの子にはヒミツだぜ?

 

まぁ。生きるさ……永琳さんは天寿を全うできるって言ってたもんね!!

 

大丈夫、生きていられるさ!!

 

 

 

でも、もしもの事を考えるとやっぱし怖い。

 

 

だから、もう少し……素直にならなきゃね……

 

 

 

 

後悔しないように……

 

 

はぁ……これができたら苦労しねぇっての……

 

 

 

青年は苦笑いしてベッドから飛び降りて、永遠亭の外を散歩し始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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