東方風天録   作:九郎

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色々と考えるので更新遅くなってます。

あと、3〜4話かなぁ……

また、クロに地獄見せたいなぁ〜なんてね。

では、本編です。


繋いだ手を……

深夜にて、宴会が終わり霊夢さんや魔理沙は、寝転がって寝ている。

 

取り敢えず片付けは、しておいてあげた。

 

 

ほんのお礼のつもりだ。

 

楽しかったから……

 

 

さて、帰るか……

 

青年は、縁側から靴を履いて外へ出ようとした。

 

そこへ少女が青年の背中を叩く。

 

「深夜に出歩くなんて、妖怪に食って下さいって言ってるようなもんじゃないですか!!」

 

バケモンかよこの女……あんだけ飲んで顔色一つ変えてねぇ……

 

「やっぱり帰るのは無理かなぁ?」

 

大酒飲みの少女に驚愕しつつ青年は、困り顔をした。

 

 

「まっ……その為に私が来たんですけどね……」

 

フッと少女は笑う。

なるほど、この子は飲む量を計算して飲んでた訳か……

潰れないように……なおかつ、周りに合わせて、それでいて冷静に思考できるように……

 

オレの為か?

 

ばぁか……気ィ使うなよ。

 

「気ィ使わなくても良いのに……」

 

 

「別に使ってないですよ……だだ、私は……」

 

少女は、その先の言葉を紡ぎだす事が出来なかった。

青年に面と向かってその先を言うのはやはり恥ずかしいのだ。

 

 

「何だよ?」

 

ふふっと笑って青年は、少女を見たものだから、少女は焦った。

 

「別に何でもないですよ!!さっ、帰りますよ!!」

 

 

「おっ、おう……」

 

 

そんなこんなでオレは、こいつと夜道を歩いている。

 

ばかだなお前……飛んだらすぐにでも帰れるのに……

 

なんでオレと一緒に歩く事を選んだのさ?

 

変なの……

 

いや、オレとしては嬉しいんどけどさ?

 

妖怪に襲われてもなんとかなりそうだし……

 

 

「ねぇ、クロくん……もう、死んじゃっても良いやって思ってないですよね?」

 

唐突に少女は、青年に問うた。

 

青年は、笑って答える。

 

 

「どうなんだろうな……」

 

 

遠い目をして青年は答えた。

 

「クロ君の周りにはクロ君を大切に思う人が沢山いるんですよ?」

 

 

「うん、分かってる……オレが死んだら、みんな悲しむって事がよく分かったよ……霖之助なんて顔をぐしゃぐしゃにして泣くだろうな……」

 

 

 

「………………」

 

しばらく少女は、俯いて黙り込んだ。

 

 

青年は、少女に対してどうかしたのかな?と疑問を持ったがさほど意に介さずそのまま歩き続けた。

 

 

「泣くかもしれない……」

静かに、そして小声で少女は、口を開いた。

 

 

「ん?」

 

 

「泣くかもしれません……私……」

 

 

「はぁ?泣くなよ、笑ってなって、オレ一人死んだところお前の長い時間の中のほんの一部なんだぜ?さっさと忘れりゃ良いんだよ。」

 

青年は、困った顔をしたが、それをすぐに笑顔に変えて言った。

 

 

「…………それでもです」

 

少女は、俯いて言った。

少し顔が赤くなっているのが分かった。

 

オレだって胸の辺りがドキドキとしている。

 

嫌だなぁ、この感覚……

 

 

「………………」

 

その後、お互いに無言のまま永遠亭のある竹林の中に入った。

 

普通は迷うそうだ。

でも、オレは永遠亭へ続く道程を八意さんから教えて貰っているので迷うことはなかった。

 

「暗いからさ……足元、気ぃつけろよ……」

沈黙を守っていた。

青年が口を開く。

 

 

「ハイ……」

静かに少女も返事をする。

 

しかし、その直後に少女は躓いた。

 

「キャッ!!」

 

 

「おっと……」

 

ガシッと青年は、体制を崩した少女の手を掴んで引き寄せる。

 

「ばぁか、そんな高い下駄なんか履いてるから転けんだよ……」

 

 

 

「てっ、天狗の正装なんだから仕方ないでしょう……いや、でも、ありがとうございます……」

 

 

「ん〜、気をつけろよ」

 

フッと笑って青年は、少女の手を離そうとした、しかし、少女はその手をギュッと握りしめた。

 

 

「永遠亭に着くまで……こうしてて貰って良いですか?」

 

俯いて少女は言った。

 

 

「…………別に良いけど……」

 

青年は、内心焦って答えた。

 

心臓がバクバクしている。

 

ふぅ〜っと青年は、息を吐いて誰にも聞こえないように呟いた。

 

「離したくない……」

 

 

この子の手を離したくない……

 

オレの魂ごと……離してしまう気がするから……

 

 


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