東方風天録   作:九郎

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こんな罵り合いしてみたいなぁとおもいます。


更新遅くてすいませんね

では、本編です。


祭りの前

「殺されなくて良かったですね」

少女が口を開いた。

 

「あのジジイやっぱ只者じゃないな……」

 

 

 

「アホ!!無二斎様に対してなんて口の利き方ですか!?あの方は風天衆総隊長ですよ!?」

 

 

「風天……衆……、特殊部隊の……」

 

 

「そうですよ、我が組織の切り札のトップなんです!!本来、貴方みたいな下郎なんか一生口も利けないような偉い方なんですよ!?」

 

 

「へぇ〜」

他人事のように聞いている青年を見て少女は、ムッとしたが

ニヤッと笑って言った。

 

 

「まぁ、私も天狗組織の中では結構偉い立場なんですよねぇ〜本来ならクロ君とも関わる事なんてないんですよ〜どーだ、えっへん」

 

胸を張る少女を見て青年は苦笑いした。

 

 

「オレみたいな下郎と関わってたら損するだけなのに……馬鹿じゃないのお前?」

 

 

「損とか、得とか、そんな事関係ないです!!私は……その、貴方と……」

 

少し顔を赤らめて少女は、目を泳がせる。

 

青年は、少女の顔を見る事なく続けた。

 

 

「オレと関わったらみんな不幸になる……だから、あまり関わって欲しくないのがオレの本音なんだよ……」

 

青年は、俯いて言った。

 

 

不幸にしたくないんだ。

オレは天狗組織の恥晒しだ、下郎なのだ。

 

君とオレとじゃやっぱり釣り合わない……

 

だからこれ以上オレに……

 

「別になっちゃっても良いかな〜?クロ君となら、不幸に……」

ニコッと少女 は青年に微笑んだ。

 

 

「ダメだよ!!」

ギョッとして、青年は少女を見た。

 

反則だろお前……

ヤバい、心臓がはち切れそうなくらいドキドキしてる。

 

 

「あははは!!クロ君顔真っ赤ですね〜」

 

無邪気に笑う少女の顔を見て。

 

オレはこの子が本当に愛おしく思えた。

 

だから、だからこそオレはこの子と一緒に居てはいけない。

 

でも、一緒に居たいと願ってしまっている。

 

オレは幸せになってはいけない……

 

いつか神様に罰を当てられそうだ。

 

それほどの、罪を背負ってる男なんだよオレは……

 

青年は、大きく天を仰いだのだった。

 

 

翌日

 

里の人達が慌ただしく動いていた。

 

霊夢さんに聞くとお祭りの準備をしているとか。

 

 

お祭り……かぁ、子どもの頃以来行ってないな

 

行ったって何が楽しいのかさっぱり分からない……

 

いや、でも、浴衣の女の子とか見るのは好きだったな〜

 

綺麗だったから……

 

「お〜いバッテン前髪、ゲロ男〜」

ププッと笑って妖夢が青年を追いかけてきた。

 

「…………」

 

青年は苦笑いした。

宴会での醜態をこの子に見られたくなかったなぁ。

 

 

「ププッ、男の癖に情けないなぁ〜ええ?あんな少量の酒でヘロヘロになってゲロ吐いてくたばっちゃってさぁ?」

 

 

「…………」

 

 

「おや〜お得意の無視かなぁ?私は何度でも言い続けるぞ〜ゲロ男〜ヘタレ〜ゲロまみれのバッテン前髪〜やーい、やーい」

ニヤニヤ笑って妖夢は、青年の周りをクルクルと回っている。

 

 

ウッッッゼェェェ!!!

 

クソウザいぞこのチビ!!

 

 

「うるっさいなぁ!!このチビ!!チビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビチビ!!」

 

 

「あははははは、積年の恨み今日こそ晴らしてやるぞ!!いつも私を馬鹿にしやがって〜」

 

 

「やかましいぞチビ!!」

 

 

「黙れゲロ男!!」

 

 

「チービチービチービチービチービ!!!」

 

 

「ゲロ男ゲロ男ゲロ男ゲロ男ゲロ男ゲロ男!!」

 

 

ずっとこのしょうもない罵り合いが続いた。

 

 

「チビしか言えないのかこの馬鹿バッテン前髪!!」

顔を真っ赤にして妖夢は、青年に言った。

 

「あ?もっと罵って欲しいか?じゃあ選ばせてやるよ、まな板と絶壁……どっちか選べ」

 

ヘッと青年妖夢を見た。

 

すると妖夢は、真っ赤にした顔をもっと真っ赤にして怒る。

 

 

「むっ、胸の事を言うなよ〜!!!気にしてるんだぞ!!この変態!!スケベ野郎!!」

 

必死に妖夢は青年に抗議するが、青年は知らんぷりして口笛を吹いてさらに妖夢を煽った。

 

「ぴーぴーうるさいぞ、ミニマムまな板女〜」

 

ヘラヘラ青年は笑って青年は、まだ妖夢を煽る。

 

 

「うわぁ〜クロのアホ〜バカタレ〜クソバッテン前髪〜」

妖夢は、半泣きになって走り去っていった。

 

 

「正義は勝つのだ!!」

 

逃げて行く妖夢の背を見て青年は、笑う。

 

ちょっと……おふざけが過ぎたかな?

 

 


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