東方風天録   作:九郎

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訳の分からない話で申し訳ないです。
てか、正直、アドバイス又は、コメントの一つでも頂ければ至上の喜びでございます。
まぁ、お目汚しの拙い文章なのですが……


親孝行したいときにはもう遅いんだよ

腹が減った……

金ならあるから取り敢えず飯でも食いに行くかな。

 

喰わずにこのまま衰弱死も悪かないけれど……

 

本が読みたい

オレは本が好きだ、出来ることなら全てのページを食べて自らの血肉にしてしまいたい。

どうしようもなく、好きだ。

何処かに売っているだろうか?

 

まぁ、何はともあれ喰わんと始まらんな

 

妖怪の山を降りたオレは走った

身体が羽のように軽い

どこまでも走って行けそうだ。

 

人里に着くのにそんなに時間は掛からなかった。

やっぱり、天狗の里より賑やかだな……

オレは適当に食事のできそうな店を見つけて入った。

 

 

「いらっしゃい!!ご注文は?」

元気の良さそうなオバさんがオレに問う。

フフッ、ダサい髪型……

大阪にいそうなクルクルパーマだ。

 

「食えれば何でもいいですよ、適当に出して下さいな」

ニコッと笑って答えた。

愛想笑いは得意だ。

 

「ん、分かったよ!!ちょっと待ってな!!」

ニカッとオバさんがオバさんが笑うものだから

こっちも自然に偽りのない笑顔を浮かべた。

 

羨ましいな……オレも貴方のように屈託の無い笑みを浮かべたいものです……

 

程なくして食事が出てきた。

川魚を焼いた物と汁物と白米

質素だねぇ…… 悪くないな……

さっさと食っちまおう

 

「なぁなぁ聞いてくれよ〜」

気付かないうちに隣に座っていた酔っ払いに声を掛けられた

オレより少し歳上のお兄さんだ。

 

 

ウザい……

絡むな酔っ払い……

 

露骨に嫌そうな顔をしてやったのに全くもって効果なしだ

まぁ、あの女よかマシか……

 

「ウチのかぁちゃんがよ〜アンタいい歳なんだから嫁さん貰って家庭築けって五月蝿いんだわ、もう鬱陶しいのなんのって……」

 

あんたも十二分に鬱陶しいぜ……

 

「本当にどうにかならねぇかなぁ〜そりゃオレだって嫁さん貰いたいけどよ〜あんなにしつこく言わなくても良いじゃんよ〜?」

 

 

「………………」

 

 

 

「なぁ、あんた聞いてんのか?」

露骨に嫌そうな態度を取っている事に気が付いたのか少し不機嫌そうにお兄さんは言った。

「アンタが、死にかけの身体だったとする。 そんなアンタに一目惚れした女がいた。 その女は、アンタの世話と言う世話を、自分の事を後回しにしてするんだ。食事も、トイレも、何もかもな、アンタから何の見返りが無くても、来る日も来る日もずっと…… その甲斐あって、アンタは20年くらいで回復するんだ。 そしたら、その女は、アンタにもっと若くて美しい女を連れて来て、『幸せになれ』といってアンタから離れる。 こんな女……どう思うよ?」

 

「そっ、そんな良い女いるわけねぇだろうが!!」

 

「いるさ、アンタのかぁちゃんだよ……オレの言いたいこと……もう分かるだろう? 」

 

これは、オレが教会の神父さんに言われた言葉だ親は大事だと思い知らされた言葉だ……

もう……会えないだろうけど……

 

お兄さんは、ハッという顔をした。

赤かった顔がサッと青くなってゆく

 

「分かった……分かったよ……こんなとこで酒飲んでる場合じゃねぇなぁ……オレのできる親孝行、やってみるよ、ありがとうな……」

 

 

「いいえ、まぁ頑張って下さいな……オレの分まで……」

 

お兄さんは立ち上がり勘定を済ませて帰っていった。

 

他人の受け売りで、偉そうなこと言うもんじゃあないな……

 

ああ滑稽だ滑稽だ

 

さて、帰るか。

 

勘定を済ませようとオバさんを呼んだが、さっきのお兄さんが払ってくれたと言う。

フフフ、ご馳走さん

 

自然と笑みがこぼれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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