???side
僕は転生者だ。
・・・一応言っておくけど、中二病とかじゃないよ。信じてもらえないかもしれないけど・・・・・・。
あの日、僕は真っ白な世界で神様と出会い、この世界に転生させてもらうことになった。どうやら生前の僕の境遇を気の毒に思っていたようで、転生の手続きの最中にも何度か涙ぐんでいた。
自分が病弱な体質だということは理解していたし、なるべく無理をしないように気を付けているつもりだった。だから自分が死んだということを神様に伝えられた時は、頭の中が真っ白になった。何の前触れもなく急に脳の血管が切れて、両親に何も伝えることができないまま死ぬなんて余りにも理不尽すぎる。いやー、どんなにつらい治療にも涙を見せずにがんばってきた僕だったけど、あの時ばかりは流石に号泣したね。ちなみに神様も横で泣いていた。
だけど、いつまでも泣いているわけにはいかない。僕はこれからの世界を前の世界より幸せに生きていく事を神様に誓った。そして神様に特典として「人間離れした回復力」と「未来予知」の能力を貰った。「未来予知」は神様がサービスとして受け取ってほしい、と言ってきたのでありがたく受け取った。その後、僕は神様に改めてお礼を言い、この世界に転生したわけだ。あれからすでに17年の月日が経過している。
「さーて、今日はもう帰ろっかな」
三十分ほどゲーセンで時間をつぶしていた僕はそうつぶやき、様々なBGMが鳴り響くゲーセンを後にした。こんな何気ない日常も、入院ばかりしていた前の僕には手に入れることのできなかったことだ。今は自分を転生させてくれたことにとても感謝している。
「あれ・・・・・・?」
しばらく歩いていると、周りの異変に気付いた。周囲に人が全くいないんだ。朝早くとか夜遅くの時間帯ならまだ理解できる。だけど今は午後の4時半だ。いくら何でも町の人が誰もいなくなるとは考えにくい。
「いったい何が・・・・・・?まるで周りの人が一人残らずいなくなってしまったみたいだ・・・」
少し考えてみたが、僕はすぐに考えることを放棄した。こういう訳の分からないことはそこらの学者さんたちが頭を悩ませるべき代物だ。僕には関係ない。・・・はあっ、何が起きているのか知らないけど、僕みたいな一般人を巻き込まないでほしいね。
「いやいやー、お兄さんみたいな転生者がただの一般人な訳ないでしょー(笑)」
「ッ!?」
誰もいなかったはずの町に知らない人の声が響く。僕が驚いて振り向くと、一本の街灯の上に小学生ぐらいの男の子が立っていた。・・・それよりこの子、僕の事を転生者だと知っている・・・!?
「き、君は一体・・・・・?」
「おおっ!そういえば自己紹介がまだだったね!」
ぴょーんっと男の子は街灯から飛び降りると満面の笑みでこう言った。
「これからお兄さんをブッコロス神田新です、どうぞよろしく!!」
新side
「こ、殺す・・・・・・?何を言って・・・・・・?」
うわー、見るからに動揺してやがるな。まあそれもそうか。いつまでも続くと信じていた平和な日常が一瞬で崩れ去ったんだから。崩したの俺だけど・・・。まずは俺が本気だってことをアピールするか・・・。
「―――
俺がそうつぶやいた瞬間、両手に二振りの短剣が握られる。
干将、そして莫耶。ランクCの夫婦剣だ。
「なっ・・・!?」
ようやく事態の深刻さに気付いたか。だがもう遅い。
俺はすでに双剣を相手に向かって振りかぶっていた。あいつはなすすべもなく、真っ赤に染まった自分の内臓を地面にぶちまけるだろう。
(せっかく楽しみにしていたのに、これでは瞬殺してしまうな・・・)
俺はそんな事を考えていたが、
ガギンッッ!!!
不意にその思考が停止した。
明らかに人体を切断した音ではない。俺が辺りを見渡すと、さっきの少年が近くの路地裏に逃げ込むのが見えた。どうやら「未来予知」を使ってかわしたようだ。
「なーるほど。あれが未来予知かー、厄介だなー」
俺はそう結論付け呟き、路地裏へと足を進める。まるで獲物を徐々に追い詰めていく、狼のように。
狭い路地裏に、少年の声が響く。
「な、何なんだよ君は!なんでいきなり斬りかかってくるんだ!?」
「うるさいなー、理由なんてこの際どうだっていいでしょ?お兄さんにできる事は逃げることだけなんだからー」
あれから数分が経過した。少年がまたくだらない事を聞いてきたので、さっきと同じセリフを言い放つ。・・・そんなことよりもうすぐ結界を抜けちまうな・・・。楽しい鬼ごっこだったが、それもそろそろ終わらせないとな。
「
俺がそう呟いた瞬間、
二振りの剣は今度こそ少年の体を貫いた
「ご、ぼっっっっ!?」
少年が血の塊を吐き出し、そのまま地面に倒れる。どくどくと、彼の体から血液が流れだしていくのが分かる。最後の力を振り絞ったのか、彼はうつぶせの態勢のまま俺を見上げてきた。
その目が困惑の色を映している。なぜあれだけあった距離を一瞬で縮めることができたのか、心底疑問のようだ。だがしかし、その疑問が解決される日は来ないだろう。まさか時間を加速させて、間合いをゼロ距離まで縮めたなんて思わないだろうしな。
「おにーさーん?死にそうな顔してるけど、その程度じゃ死なないでしょ?なんせお兄さんの回復力は化け物レベルなんだからー」
「な、んでそんな事・・・・・・」
その問いには答えずに、俺はゆっくりと拳を構える。そしてこう言った。
「さあ、仕上げの時間だよ♪」
ドガバキグシャメキべゴバキゴスグシャドガバギメギョボカバギャ!!
肉をすり潰す音と骨の破壊音が、しばらくの間路地裏に響き渡った。
こんにちは、月海豚です。
戦闘シーンを書くつもりがなぜかこうなってしまいました。まさかここまで書くのが難しい事だったなんて・・・。正直舐めていました、本当にスミマセンm(__)m
あと自分で書いたとはいえ、主人公が怖すぎる・・・。なんかもう、ただの悪役になっちゃってますね・・・。もしかしたら、タイトルを変更するかもしれません。
ちなみに今回殺された少年、まだ出番があるそうですよ?