ソードアートオンライン 刀使いの少年   作:リスボーン

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ここまで来てあれなんですが、主人公の容姿書くの忘れてたんでここに書きます。


髪型は黒い短髪。身長167cm。顔は中の中というほど普通の顔。

こんな初歩的なこと忘れててすんません。



デスゲームの初日 前編

 

 第1層フロア・ホルンカの村

 

 

 

「これと、これを頼む」

 

「毎度有り」

 

 

 NPCに買ったアイテム分の金貨《コル》を渡し、店を出た俺は、村の奥の方へと足を進める。

 

 俺は今、《始まりの町》から北西に行った方角に位置する《ホルンカ》と言う村に来ていた。

 

 俺が数時間前にいた《始まりの町》より規模は小さいが、ここには必要最低限の設備が整えられており、周囲の森にもそれほど強いモンスターは出ないので、狩りの拠点にするには十分な場所だ。

 

 おまけに俺が来た時には他のプレイヤーは見当たらなかったので、PK《プレイヤー・キル》をくらう心配もない。

 

 ……いや、PKは考え過ぎか。

 

 デスゲームと化した《SAO》では、流石に誰もPKはやらないはずだ。

 

 なぜならそれは、現実のプレイヤー自身を殺すのと同じことなのだから。

 

 

「っと、ここだな」

 

 

 一件の民家の前で足を止め、扉を開けて中に入る。

 

 

「こんばんは、旅の剣士さん。お疲れでしょう、食事を差し上げたいけれど、今は何もないの。出せるのは、一杯のお水くらいのもの」

 

 

 意味がないと知りながら、俺はひと呼吸し、しっかりとした発音で答える。

 

 

「それでお願いします」

 

 

 NPCは、俺の目の前のテーブルに水の入ったコップを置き、少し微笑んだ表情で火のかけてある鍋の元に行く。

 

 俺は立ったまま水の入ったコップを手に取り、水を一気に飲んだ。

 

 それから数秒待っていると、奥の部屋から子供の咳き込む声が聞こえてきた。

 

 その声を聞くと先ほど俺に水をくれたNPCは大きく、肩を落とす。

 

 それからさらに数十秒後、NPCの頭上に金色のクエスチョンマークが点滅した。

 

 クエスト発生の証だ。

 

 俺はもう一度息を吸い込み、NPCに向かって声を発する。

 

 

「何かお困りで?」

 

 

 

 _____娘が重病にかかってしまい、それを治すには《リトルペネント》からごく稀にドロップされる胚

 

 珠が必要で、それを取ってきてくれたら先祖から伝わる長剣を差し上げます。

 

 

 以上が俺がたった今受けた《森の秘薬》クエの内容である。

 

 報酬はクエの内容どうり、長剣_____《アニールブレイド》という武器だ。

 

 この武器は《片手用直剣》に分類されるため、《片手用曲刀》を扱う俺には入手しても宝の持ち腐れなのだが、使い道は他にもある。

 

 《アニールブレイド》序盤で手に入る《片手用直剣》系の中で一番レア度が高く、性能も第3層まで使えるほどだ。

 

 それ故に売却価格も高く、結構な金になる。

 

 今回この村に来たのもそれが理由で、ここで十分な資金とレベルを上げて体制を立てるために来たわけだ。

 

 それにもしかしたらあいつもここに来るかもしれないからな。

 

 脳裏にキザったらしい顔で、黒い前髪が垂れ下がった少年のアバターが浮かぶ。

 

 βテスター時代に初めて友達《ライバル》になったプレイヤーの……

 

 

「俺は先に行ってるぜ、キリト」

 

 

 ボソリとつぶやき、俺は森の方へと走っていった。

 

 

 

 

________

 

 

 

 βテスター時代に発見した《リトルペネント》が大量に湧出《POP》する場所にたどり着いた俺は、早速ソロの必須スキルの一つである《索敵》をセットした。

 

 このスキルの効果は反応距離を増加させ、視認ができなくても敵の位置が分かるという優れものだ。

 

 試しにあたりを見回すと、小さくカラー・カーソルが出現した。

 

 カーソルの色は少し濃い目の赤。

 

 赤色はモンスターを示しており、強さは色の濃さで大体わかるようになっている。

 

 普通の赤色が同等の強さを表しており、濃ければ濃いほど俺よりも強く、薄ければ薄いほど俺より弱いといった感じである。

 

 今回の場合は少し薄い赤なので、俺より少しだけ強いといった感じだろう。

 

 このモンスターの名前は《リトルペネント》レベル3。

 

 リトルとつくくせに、身の丈が1メートルもあるうつぼ型のきもい捕食植物だ。

 

 俺は他のモンスターが居ないことを確認し、《リトルペネント》の方へと走っていった。

 

 ようやく視認できるところまで来ると剣を鞘から抜き、さらに距離を詰める。

 

 

「(花なし。ハズレだな)」

 

 

 よく確認をし、さらに走るスピードを上げる。

 

 そして切りつけられる距離までに達した瞬間《リトルペネント》に先制の一撃を喰らわす。

 

 俺の斬撃を受けたネペントは、悲鳴のような声を上げて俺の方を向いたが、もう遅い。

 

 横薙に相手を切る片手用曲刀基本スキルの一つである《スラッシュ》の発動準備は出来ていた。

 

 剣先が薄い赤で満たされると同時に、こちらを向いたネペントの弱点部分である茎の接合部分に容赦なく叩き込む。

 

 これで終わりだ_____と、思ったがギリギリのところでネペントのHPが残り、ツタにより攻撃を仕掛けてきた。

 

 しかし一瞬早く気づいた俺は、そこから飛び退いて間一髪かわす。

 

 

「あぶねぇな……」

 

 

 一瞬の油断が、身を滅ぼす。

 

 そのことを立った今体感した俺は、この世界で二度と油断しないことを心の中で誓い、ネペントに止めを刺す。

 

 ホット、ため息を漏らしたあとに出現した加算表示にに目を向ける。

 

 戦闘時間は50秒。

 

 油断したのが主な原因だが、それを差し引いてもこのタイムは流石に遅い。

 

 次はせめて30秒ぐらいまでには縮めなければ。

 

 再び周りを見回して、次の獲物を探し出すと、そこに向かって歩いていく。

 

 

_________

 

 

 あれから一時間近く経ったが、未だに花つきは現れない。

 

 倒した数も恐らく100以上は行っているはずだ。

 

 レベルもいつの間にか5になっている。

 

 だが、出ない。

 

 確か花付きの出現%は1にも満たないとどこかで聞いたが、普通のネペントでも倒し続ければ出現率が上がる。

 

 故にそろそろ出てもおかしくないんだが……

 

 

「(そろそろ武器の耐久率もポーション残量もやばいし、もったいないが一度帰るか)」

 

 

 剣を鞘に収めようとした時だった。

 

 視界にアイコンがうつり、俺の後ろの割と近くに反応が出ていた。

 

 振り向くとそこには______

 

 待ちわびていた花つきのペネントが出現していた。

 

 俺は思わず息を飲んだ。

 

 間違いではないのかと、目を凝らしてよく見た。

 

 だが見間違えなどではない。

 

 確かに目の前にいるのは花つきだ。

 

 俺は嬉しさのあまり震えるている手を静止させ、花つきのペネントに剣を構える。

 

 それに気づいた花つきペネントは、「シャァァァァァ」と雄叫びを上げ、こちらに向かっていく。

 

 だが、俺はそんなのお構いなしにモーションを起こす。

 

 刃がオレンジ色に輝き、それと同時に左足で地面を蹴る。

 

 オレンジ色に輝く刃は、真っ直ぐに花つきネペントに向かい、命中した。

 

 《スラッシュ》と同じ片手用曲刀基本スキル《リーバー》だ。

 

 花つきネペントは《リーバー》を喰らうと、HPバーが0となって光の欠片になり、そして消えた。

 

 そして俺の足元に拳大の胚珠が転がってきた。

 

 俺はそれを拾い、メニューを開きアイテム欄に格納した。

 

 目標達成だ。

 

 嬉しさを噛み締めながら、剣を鞘に収め、村に戻ろうと再び後ろを向いた時______

 

 

「……おいおい、冗談だろ?」

 

 

 先ほどと同じように手が震える。

 

 だが、先ほどとは震えていた理由が違う。

 

 なぜなら今度の震えは喜びではなく、恐怖なのだから。

 

 俺の目の前に大量に出現しているモンスタ-を表すアイコン。

 

 そしてほのかに臭うこの匂いは……

 

 いや、今は考えてる場合じゃない。

 

 剣を再び鞘からだし、戦闘態勢をとる。

 

 

「かかってこい!!」

 

 

 そう叫びながら、俺はモンスターの群れに走っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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