ホイホイチートと完璧霊力チート様。~キセキ世代とこわい話~ 作:深緑の古龍
「・・・あー、ここ。的な……」
旅館に辿り着いた俺は、ついそう愚痴をこぼしてしまった。
正直に言うと、俺は今いるこの村が大嫌いだ。
この村・・・贄代村(にえしろ)は、嫌な思いでしかない。
まあ、だからと言って何かするというわけでもないんだけどな。
嫌いとはいえ、好きな人もこの村にいるっちゃいるし。
なにか起こるわけでもないし、ばれることもない。
ま、適当に楽しむか。
折角の旅行(もとい合宿)だ、しょうもない過去の残留に囚われて楽しめずに終わるなんて、馬鹿馬鹿しい。
折角の人生、楽しんだもん勝ちってもんだ。
さて、んじゃテツヤ達に声でもかけっかな。
「おいテ・・・」
「仁江白(にえしろ)村、ですか。不思議な名前ですよね」
「そうだね。僕も、なんだか気になるところがあって、ここにしたんだ。・・・玖烏?どうしたんだい」
テツヤと話し合っていた魔王が、俺の方を見る。
・・・
「・・・いや、特に何も?強いていうなら、湖あるよな、ここ。と思ったぐれーだわ」
誤魔化すように、笑う。
きっとばれはしないだろう。
ああ、そうか。結局、こうなるのか。。
「どったの?くーちゃん。なんか、気になることでもあんの?」
俺を心配したのか、和成が声をかけてくる。
和成の声に反応した他の奴等の視線が、俺に向かってくる。
視線が物語っている。
大丈夫か。具合が悪いのか。心配事でもあるのか。
心配されるのは、なれてない。
あーもう、めんどくせえ。
「なんもねーよ、気にすんな。イグナイトの新必殺技考えてただけだっての」
・・・別に、嘘はついてない。頭の端っこの方で、少しは考えてたし。
俺の言葉に納得したのかしなかったのか、和成はそれ以上なにも言わなかった。
他のやつらも、すでに話題が練習を終えてから何をするかに変わっている。
そのことにほっとしつつ、俺は一人これからのことを考えた。。
旅館に入り、部屋へと向かう。
女将が俺を見て、変な顔をしていた気がするが、恐らく気のせいだろう。
もしばれていたとしたら、女将ハイスペック過ぎる。
そんなことを考えていると、いつの間にか部屋についていた。
「おー、結構きれいだな」
「そうですね、火神君」
「黒子っち~!俺とおんなじ部屋になろ!」
「あ?何いってんだ、黄瀬。テツと合い室は俺だろ!」
「えー?なら俺もテっちゃんとがいい~!」
「なぜお前が加わってくるのだよ?広前、来るか」
「お前らなかいいのな。よし、テツヤ俺んとこ来いよ」
「黒ちん、一緒にお菓子食べよー」
「何でそうなんだよ!?相棒である俺だろ!」
「て、テツ君!わ、私もおんなじ部屋がいい、な!?」
「どうでもいいから、とっとと部屋割りしてくれよ。。俺もう眠気がやばすぎて死にそうなんだが・・・」
部屋にはいった俺達の反応は、上の通りだった。
因みに、上から火神・テツヤ・ポチ・アホ峰・和成・なのだよ・灰崎・妖精・またもや火神・さつき・俺の順だ。
魔王が入ってこない理由は、部屋割りを考えているからのようだ。
・・・寝てていいのか?俺は。
壁に体重を預け、俺はそのまま寝ようとする。
いわゆる、立ち寝というものだ。
それを実行しようとしたその時、魔王の部屋割りが終わった。