ホイホイチートと完璧霊力チート様。~キセキ世代とこわい話~ 作:深緑の古龍
「ほんとそうですよね、玖烏君」
「次は誰だい?」
「俺がいくのだよ」
「真ちゃんがんばwwwwwwwwwwwwwww」
じゃあ、今度は俺が話すのだよ。
これは、俺が実際に体験したものだ。
緑間真太郎のこわい話。
~とおりゃんせ~
お前達、とおりゃんせという童謡はしっているな?
・・・ああ、それなのだよ。
どうしたのだよ、広前。どうしたのだよ?
もういい。それ以上歌わなくてもいいのだよ。
なぜそんなにテンションが上がっているのだよ、落ち着け。
よし、では話すのだよ。
これは今からちょうど二年前、俺が小学六年生のときに体験した出来事なのだよ。
このときの俺は、まだ幽霊というものにあったこともなければ、信じてすらいなかったのだよ。
まあ、身の程知らずだったのだろうな。
あんなことに、首を突っ込まなければよかったのだよ。。
その頃、学校ではある噂が広がっていてな。
その噂に関係があったのが、とおりゃんせだったのだよ。
・・・広前。広前、いつまで歌ってるのだよ?
もういい、静かに聞いておいてくれ。
話がそれたな、戻すのだよ。
そうだ。お前達、とおりゃんせは本当は怖い歌だということはしっているか?
ああ、広前のいう通りなのだよ。
とおりゃんせは、もともと口へらしのために七歳になった子どもを、山に連れていって殺してしまうという話から生まれたのだそうだ。
行きはよいよい帰りはこわいは、行きは捨てにいっているだけ。だからよいよいというのだよ。
逆に帰りは後ろを振り向くと、殺した子どもの霊が憑いてきてしまう。
だから、帰りは怖い。ということになるらしい。
まあ、この話をした理由なのだが、俺が聞いた噂話に類似する部分があってな。
噂話は五つあってな。
①"それ"は決まって夕方に現れる。
②"それ"が現れるのは、とおりゃんせを歌っているときだけである。
③捕まると、逃げられない。
④逃げる方法はただひとつ。振り返らずに進むこと。
⑤この噂があるのは、俺達の学校だけ。
とまあ、こんな感じだ。
何が起こるのかはわからなかったが、襲われた子どもが多くてな。
そのなかで、何人か死んでしまったらしい。
普通ならば、ここで怖がって試そうなどとは思わないだろう。死人も出ているしな。
でも、俺はつい出来心で試してしまったんだ。
ちょうど、五時ぐらいだった。
俺は学校の裏庭でとおりゃんせを歌ったのだよ。
歌が終わってすぐ、"それ"は現れた。
・・・む、姿か?俺にもわからないのだよ。
少なくとも、俺が見たのは形などなかったからな。
黒いもやのようなものだった。
子ども心にさすがに不味いと思った。
奴は、俺を殺す気だったはずだ。
俺は必死に走って校門に向かった。
"それ"は後ろから追いかけてきていた。と思う。
噂では、校門さえ出れば逃げられるとのことだったからな。
あれほど全力疾走したことはなかったな。
俺はなんとか、捕まらずに校門を抜けることができた。
それと同時に、"それ"の気配も消えてな。
ああ、これでもう大丈夫だ。もう終わったんだ。
そう思った。
それでも、さすがにずっと学校の前にいるのはきが引けてな、俺は家に帰ったのだよ。
・・・ちょうど、玄関に着いたときだ。
ドアを開ければ、もう何も怖くない。
そう思った俺は、ふと思い立って後ろを振り返った。
噂では、校門さえ出ればあとは関係がないということになっていたからな。
ところでお前達。
この話をする前に、とおりゃんせを知っているかという質問をしたのを覚えているか?
そうか。なら、その歌詞を思い出してほしいのだよ。
・・・そう。
行きはよいよい 帰りは
こわい
緑間のこわい話はこれでおしまいです。
あんまり怖くないですね、やっぱり。