ホイホイチートと完璧霊力チート様。~キセキ世代とこわい話~ 作:深緑の古龍
「火神君落ち着いてください。つまり、女性は子どもではない誰かに子守唄を歌っていたか、この世にはいない子どもに歌ってあげていただけですよ」
「よけぇこえーよ!!」
「広ちんなんでその歌しってんのー?」
「たまたま」
「あ、次俺いくぜ。前に見たの思い出した」
あー、なんだ。
この話は前に偶然見かけたやつだ。
ネットに載ってた。
青峰大輝のこわい話。
~みーつけた~
ざっ ざっ ざっ
音が聞こえる。
う、ううううう
聞こえてくる声は、恐らくあいつのもの。
どうして、どうしてこうなったんだ。
事の始まりは、数時間前に遡る。。
「山にいこう!」
そう言ったのは、亮だった。
亮は、昔から自然と女が好きなやつだった。
特に好きなのは、虫。
ばかみたいに、虫を捕りまくっているやつだった。
「あ、いーじゃん。いこいこ!私、登山してみたかったの」
俺のとなりに座っていたみかが、嬉しそうな声をあげた。
みかは、俺達の中で唯一の女子だった。
昔はよく亮達が、みかを巡って言い争っていたものだ。
だからだろうか、亮はみかにめっぽう弱い。
「だよな?!ほら、みかもいくってよ!行こうぜ、春!」
「面倒だ、却下」
そう、俺は一刀両断したんだ。
確かに、俺は拒んだ。
なのに、俺はいまこのばにいる。
一度は拒み、二人を部屋から追い返した俺だったが、その次の日朝早くに二人に叩き起こされ、無理矢理登山に連れてこられたのだ。
「あー、山はいいな。山は!どーよみか。山の空気は!」
「きもちいね~♪春くんはどう?」
「・・・気持ち悪い」
朝早くに起こされた俺は、低血圧のせいか気分が悪くて仕方なかった。
チョコをくれ。
俺がそう訴えると、みかが板チョコを半分にわり、渡してくれた。
そのチョコをちびちびとかじりながら、俺達は順調に登山を続けた。
丁度、山の中腹辺りまで上ってきたときのことだ。
「あ、あのさ~。。」
突然、みかが妙に落ち着かない様子で俺達に声をかけてきた。
「ん?どったの??」
「あ、あの。えーっと。。・・・や、やっぱなんでもない!!!」
そう言って笑うみかだったが、やはりどこか落ち着かない。
「・・・亮、ちょっと付き合え。悪いな、みか。用足してくる」
俺はそれだけ言うと、亮をひきずっていった。
トイレにいきたいのだと、すぐにわかったからな。
・・・それが、間違いだったんだ。
突如聞こえてきた、みかの甲高い悲鳴。
俺達は慌ててみかのもとへ向かった。
そこに待ち受けていたのは、歪な存在。
「みか!こっちに来い!!」
危険だ。
そう判断した俺は、すぐさまみかを自分のもとに呼び寄せた。
駆け寄ってきたみかを抱き寄せ、俺は亮とともにそれから逃げた。
辿り着いた先は、古びた山小屋。
俺達はそのなかに転がり込んだ。
比較的落ち着いていた俺は、なにも言わずにドアの鍵を閉めた。
黙り混んでいる二人に、俺は水筒に入れておいたコーヒーを入れたコップを手渡した。
「び、ビビったよな!あ、あんなのいんだな、まだ昼なのにさ!」
そう言った亮の声が、震えている。
みかに至っては、ただただ黙りこくっているだけだ。
俺はみかの頭をそっと撫でた。
「もう大丈夫だ。俺も、亮もいる。・・・悪かった、一人にして。もう、大丈夫だからな。。」
そう言い聞かせると、みかは俺に抱きついてきた。
「うわぁぁん!こわかったよぉ・・・!!」
女性が使うシャンプーの、独特な甘い香りが鼻をくすぐる。
くらり、と軽く理性が揺らいだ。
が、今はそんな状況ではない。
そう思い直し、俺はいまだ泣きついているみかの頭を撫で続けた。
その時、何かの影が、窓の外を横切った。
やつが、来た。
「亮、みかを頼む」
俺は亮にみかをたくし、鍵を開けて外に出た。
一応、鍵は閉めておけ。危なくなったら、鍵を開けるようにいうから、その時はすぐに開けてくれよな。
そう言い残して。
・・・・どうして。
「か、ぐら・・・?」
目の前にいるのは、変わり果てた友人。
そいつは、さっかみかを襲おうとしていた奴で。
俺の、俺達の友人だったやつだった。
そいつの名は、神楽。
俺の大親友で、みかのことを亮と取り合っていたやつでもあった。
何年も前に行方不明になっていた。
どうして、ここに。。。
俺は、完全に正気を失っていた。
ドンドンッ
「開けろ!開けてくれ!!」
ドアを叩く。
鍵の開く気配はない。
「おい、亮、みか!開けろ!早く開けてくれ、頼む!」
ドンドンッドンドンッ
開かない。
どうして?開けてくれ、頼むよ。なあ、なあ!
「開けてくれ、頼む。頼むよ。。
開けてくれ、あけろあけろあけろあけろあけろあけろあけろあけろつかまるいやだあけろあけろあけてくれあけろあけろあああああいやだくるなあけろあけろあけろあけろしにたくないたすけてたすけてたすけてなんであけてくれないんだあけろよあけろあけろあけろあけろあけろあけろあけろあけろ」
ドンドンドンドンドンドンッッ
開かない開かない開かない。
裏切りやがったな、あいつら!
その時、視界のはしにみかの姿が写った。
みかは、窓からなにかを訴えている。
ドアの方を指差している。
なんだ?何が言いたいんだ。
「あけろよあけろ。あけろあけろあけろあけろあけろあけろあけろあけろなんでおかしいだろあけろよあけろしにたくないたすけてたすけてたす「春くん!!!」!!」
バン!という音とともに、ドアが開く。
「春!」
亮が俺の腕を掴み、中に引っ張り込んでくれた。
「あ、あ。あああっ」
恐怖でうまく話せない俺の背中を、亮がさすってくれた。
「春、俺の声聞こえるな?ゆっくり深呼吸しろ。いいか?ゆっくりだかんな」
言われるがまま、深呼吸をする。
だんだん落ち着きを取り戻してきた俺に、みかは言った。
「よかった、春くんが元に戻ってくれて。。鍵開いてるのに入ってこないから、心配したんだよ?」
どうやら、もともと鍵は開いていたらしい。
俺が勝手に勘違いして、狂っただけだったんだ。
しばらくして、嫌な気配が消えた。
もう、いなくなったのだろうか?
・・・・二人には、神楽のことを言わないでおこう。
運のいいことに、二人はやつの正体が神楽だということを知らない。
黙っていよう。知らない方が、幸せなこともある。
そんなことを考えながら、俺は二人と小屋の外に出ようとした。
さっさと山を降りよう。
誰からともなくそう言い、俺達はこの山から逃げようとした。
小屋から一歩、外に踏み出したその時。
後ろの方から、すぐ耳元で声が聞こえた。
『みーつけた・・・・』
俺達が今までこもっていた小屋の中から、神楽の声は聞こえてきたのだ・・・・
長い!
そして、誰だよ春くん?!
黒バスと関係ない方出てきましたね。。
あ、この話は僕が作ったものです。