八重に連なる想い(旧:多分かんこれ) 作:キッド@水雷戦隊司令
取扱説明書はちゃんと読まないと・・・慢心、ダメ、絶対!!ですね・・・
後、13話投稿を機にちゃんとしたタイトル付けました。
今までのは適当だったんか~い!と言われそうですが、私の性格上勢いがつく前にタイトルを考えてしまうと付け終えた時点で満足してしまう可能性が高かったので・・・
はい、言い訳です。
自分の中で作品に対してしっくり来る言葉が見つからなかっただけです。
が、タイトル付きました。
なので、気合!入れて!書きます!!
拙い文章ではありますが、今後とも読んでくれる読者さんに楽しんで貰えるように頑張っていきたいと思います。
全く不甲斐無いとしか言いようが無い。
申し開きの余地が微塵も無いほどに私は焦り、動揺していた。
何故こうなった───
どこで間違えた───
また私は失うのか───
だが抱えた腕から伝わる温もりが彼女がまだ生きているという事を教えてくれる、それが今の私にとって唯一の希望であった。
「直ぐ入渠させてやるからな・・・だから、頑張ってくれ」
彼女の持つ常識を遥かに超える力は、本来持ち得ないモノで当然リスクがある筈───
そんな当たり前の事をあの時の私は完全に失念していた。
そのせいで初春は力の行使の限界に達した。
いや、恐らく限界を超えてしまったのだろう。
あの時辛そうにしていた時点で、私は止めるべきだったのだ。
いや、そもそも彼女達に迎撃などさせず、寝ている子達を全員起こしてでもあの場から引くべきだったか。
前もよく見ず、足早に入渠ドックへと急ぐ私の前に一人の人影が立った。
すぐ目の前に立たれた為、私は反射的に足を止めその姿を見───
ぱあん!!
次の瞬間私の頬に衝撃が走り、反動で身体がよろめく。
そのまま初春を落としそうになるのを無理やり足を踏ん張る事で堪える。
「っ・・・、叢雲・・・?」
私の前に立っていたのは、顔を真っ赤にした叢雲だった。
「アンタ!お初ちゃんに何したのよ!!」
言われた事で思考が現実へと急速に引き戻される。
今の初春の姿は、着衣はやや乱れ、顔色は青白く、息も荒い。
そんな状態で私に抱えられているのだから、私が何かしたと思われても仕方が無い。
だが・・・。
「叢雲、初春を一秒でも早く入居させてやりたい、手伝ってくれないか?」
「アンタ・・・っ」
一言だけそういうと、叢雲がぐっと押し黙る。
般若のような形相で私を睨むが、緊急性を理解してくれたのかくるりと振り返り早足で歩き始める。
「どういうことなのか後でちゃんと説明して貰うわよ!」
「ああ・・・、分かってる」
「龍田にドックの方の準備をして貰うわ、そのほうが早いから」
そういうとインカムに向けて龍田の名前を2、3度呼ぶ。
偶然起きていたのか、それとも雷撃の爆発音で目を覚ましたのかは知らないが、直ぐに繋がったらしく早口にまくし立てる叢雲の様子を見る限り起きていたのだろう。
「ほら、ぼさっとしてないで!急ぐんでしょ!?」
歩く早さが変わっていたわけでは無いのにこの言われよう、若干の理不尽を感じるが今はそれどころでは無い。
入渠ドックは比較的港に近い辺りにあったのが幸いして、さほど時間を掛けずにたどり着く事が出来た。
ドックの入り口には龍田が立っており、いつもと同じ顔で私を真っ直ぐに見ている。
叢雲から状態を聞いていたからだろう、慌てた素振りも無く私達を出迎えてくれた。
「すまん、龍田」
「謝るのは後で良いわ~、今は初春ちゃんの方が先だもの~」
私は頷くと、なるべく揺らさないようにそっと初春の身体を受け渡す。
入渠ドックと言っても実態は風呂の様な物なのだから流石に私が入るわけにはいかない。
「じゃあ提督は執務室に戻っててね~、叢雲ちゃんも一緒に行ってて貰えるかなぁ」
「そうね、龍田に任せるわ」
「ええ、任されたわ~」
「ほら、アンタ行くわよ!」
「あ、ああ・・・龍田、すまんが頼む・・・」
「気にしないで~、入渠時間はそんなにかからないと思うわ~」
ドックの中に入っていく龍田を見送っていると、叢雲に急かされた私は提督棟の執務室へと向かった。
執務室に入った私は、自分の椅子ではなく部屋の片隅にある応接セットのソファーへと腰をかけた。
「立ったままというのは疲れる、叢雲も座ればいい」
私の横に立ったままの叢雲に、私の向かいのソファーへ座るように促す。
「その前にお茶でも淹れてあげるわ、喉、渇いてるでしょ?」
そう言うと執務室に併設されている給湯室へと向かう。
私はその後姿を少しだけ目で追うと、背もたれに身体を預ける。
自分を見失うほどに動転したのは久しぶりの事だった。
そして、今頃になって痛み出した左頬に触れながら改めて思う。
やはり彼女達艦娘は、決して駒のように扱うべきではない。
駒があんなに怒るだろうか。
感情的になって平手打ち何かするだろうか。
自分の答えは決まっている。
この痛みは、私の軽率さと不甲斐無さへの罰だとして受け入れないとな。
「はい、どうぞ」
お茶を入れてくれた叢雲が私の前にコトリと湯飲みを置き、自分はマグカップを両手で抱えると私の横に腰を下ろした。
「何で床に座る?」
「そうしたい気分だから、悪い?」
「いや、叢雲がそれでいいならいいんだけど」
「なら、それでいいじゃない・・・」
それっきり会話が途切れてしまった。
何ともいえない雰囲気を持った静寂が部屋を支配する。
何と言って話を切り出していいものか思案し、口を開き何か言おうとするけれど、言葉にはならず再び閉じる。
それは1時間程度経った時だったかそれとも5分も経って無かったのか・・・時間の経過も分からないまま何度目かの口を開きかけた時に、不意に叢雲がこっちを向いた。
「ごめんなさい、あの時は私、頭に血が上ってたわ」
不意に発せられた謝罪の言葉に、私は思わずぽかんとする。
「その、私が叩いた頬、痛むんじゃないの?」
ああ、なるほど、その事を謝っていたのか。
理由がわかって納得した私はそれに応える。
「まぁ痛むのは痛むけど、叢雲を責めるつもりはないよ」
私の言葉に叢雲が目を丸くする。
「なんでよ!?提督を張り飛ばすなんて、普通なら解体処分ものよ!?」
「だけど、叢雲はあの状況を見て私が初春に何かしたと思ったんだろう?」
「ええ、そうよ、あの時はそうとしか見えなかったわ」
「だったら、誤解させた私が悪い、だから私が叩かれてもそれは当然の事だよ」
今度は渋面を作る叢雲、その口から出てくる言葉は半ば諦めに近い。
「はぁ・・・そういえばアンタはそういう人だったわね・・・」
「ようやく分かってきたかい?」
「わかりたくなんか無かったわよ」
はあ、とため息を付くと手に持ったマグカップから一口含んで飲み込む。
それを見た私も、入れてくれたお茶をすする。
叢雲が淹れてくれたお茶はややぬるめで今の私にはちょうど良かった。
「それで、いったい何があったの?」
「敵が・・・おったんじゃ・・・」
ドアの方から全く予想してなかった声が返ってくるのを聞いて、叢雲と私は同時に顔を向けた。
「お初ちゃん!?」
「初春!?」
「何じゃおぬし達・・・幽霊でも見たような顔をするでない・・・」
そこには龍田に支えられるようにして立っている初春の姿があった。
「ちょっと、まだ休んでなさいよ!?」
反射的に立ち上がる叢雲を見て私は内心苦笑した。
あんな勢いで立ち上がった割りにいつの間にかテーブルにマグカップを置いている。
いつの間に置いたんだろうな。
「初春、無理せず休んでてくれ」
そう言うと初春は首を横に振る。
「わらわ達も一緒におったのじゃ・・・同席させてくれぬか?」
「達?」
初春の言葉に首をかしげる叢雲。
「そうだよ」
「私達もいたっぽい」
そういいながら時雨と夕立が部屋に入って来る。
「初春さんはちょっと頑張りすぎただけっぽい?」
夕立がそう言いながら小首をかしげると、初春が微笑とも苦笑とも取れない笑みを浮かべて小さく頷く。
「全くもって夕立の言う通り・・・じゃな・・・」
「初春ちゃん~、まだ辛いんでしょ?座らせてもらいましょう」
「すまんの、龍田」
そう言うと初春は龍田に促されるがままにソファーにもたれかかる様に腰を下ろした。
「ほら~、貴女もそんなところに立ってないで入ってくればいいのに~」
ドアの方に声をかける龍田に、全員が顔を向ける。
「は、はい、お邪魔します・・・」
そう言いながら恐る恐るといった感じで五月雨が入ってくる。
「みんな揃ったし~、提督~」
「ああ、それじゃ今から話す」
「どこから話したものかな・・・」
そう切り出した私は、初春を港で見かけた所から話し始めた。
作者「話の展開がだんだん遅くなってる気がしてますが、こんなもんで大丈夫ですかね?」
叢雲「単にアンタが下手なだけじゃない?」
作者「いや、それはそうなのかもしれませんけどね・・・」
時雨「君には失望したよ」
夕立「私はもっと出番が欲しいっぽい~」
五月雨「わ、私ももっと出たいです」
初春「わらわは、タグ詐欺を何とかした方が良いと思うぞ?」
???「そうです!私の出番はいつ来るんですか!?」
作者「うぐっ・・・善処します・・・」
龍田「役に立たない作者は落としますよ~」
作者「ひ、ヒエ~!?」
比叡「酷い!私の台詞取らないでぇ~」