父と養父
ーーーオギャア、オギャアーーー
その赤子は、血にまみれた男の手に抱かれ、泣いていた。
「ナルト、ゴメンね。僕はなんてひどい父親だろうね」
男はそう呟き、赤子の頬を撫でる。大きな手の温もりに安心してか、赤子はすやすやと寝息をたて始めた。
「…」
男はその姿を愛おしそうに見つめる。そして、
「九尾」
背後のそれに声をかける。
『若僧が、そのような赤子に妾を封印できるとでも思うておるのか』
山のような巨体、九本の巨大な尾。大きすぎる満月を背景にしたその姿は、畏怖を通り越し、神々しさまで感じる。
「…クシナと僕は、この子に生きてもらいたいと願っている」
『?』
脈絡のない唐突な話に、九尾は怪訝そうにまゆを潜める。
「でも、この子の親でもある僕は、里を守る火影でもある。僕は里のためにこの子を使うんだ」
『…』
「僕じゃあこの子を守ることはできない。だから、九尾。」
僕はね、
「君にナルトを守ってほしいんだ」
『…妾は復讐のためだけにこの里を襲ったのだぞ?そのような輩に自らの子を預けるというのか』
「戦ってみてわかった。君は、仲間思いの優しい人だよ…元々、里を襲ったのも、木の葉の人たちが君の眷族を襲ったのが原因だからね」
許してもらおうなんて思ってない。里を憎んでくれたっていい。けど、どうか…ナルトにだけは、味方でいてやってくれないか?
―――長い時間、沈黙がその場を流れた。
沈黙を破ったのは深い、深い九尾のため息だった。
『…あいわかった。そなたの頼み、聞き入れよう。』
「ありがとう」
男―火影と言うらしい―は、ほっと表情を緩めた。
「これで僕も、安心して逝けるよ」
――ドサッ――
『!?』
火影は、膝を崩しながら地に伏せた。
「僕の生命を使って、君をナルトに封印するよ」
『まて若僧、そなたの名を聞かせろ』
封印が成される直前に、火影の唇が微かに動いた。
―――僕の名は波風ミナト…ナルトを…頼みます――――
辺りが、目も眩むような白い光に包まれる。やがて、その光が消えると、九尾の巨体も、火影、波風ミナトの姿も消えていた。そこに残るは、臍に封印式を浮かせたナルトが残るばかりであった。
――――――昔、妖狐ありけり。
その妖狐、木の葉の里を襲いけり。
人々恐れに逃げ惑い、助けを求めん。
さる一人の男、里のために生命をかけ、これを封印せしめる。
名をば、四代目火影と申す―――――
この話には続きがある。誰も知らない、物語の続きが…
四代目火影、妖狐と契約を交わし、己の子に妖狐を封印したり。
その子の名をば、ナルトと申す―――――
一話終了です。駄文で申し訳ありません…これからも、ゆっくりと更新していきたいと思います!よろしくお願いします!