東方漫遊記   作:MCS

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※基本的には週一で投稿しようと思いますが、事情により投稿が遅れることが多くなるかもしれません


2-2話 花畑にて

「なんだぁ!?てめぇは!?」

俺の目の前のチンピラ三人が揃えてよく世紀末の雑魚か言うようなセリフを口にする

 

「いや、邪魔だから邪魔って言っただけだが?」

そう、コイツらは物凄く邪魔なのだ

「デケェからって調子こくなよ、このクソガキ!」

 

ああ喧しい、俺は目の前に広がる景色を楽しんでいたいんだ

「何無視してんだオイ!」

 

俺はなるべくコイツらを無いものとして考えていたかったが

どうも自己主張が激しい

「はぁ...」

「てめぇなぁ......!」

 

チンピラAはどうやら俺の溜め息が気に入らなかったらしい

ワナワナと肩を震わせている

 

「オイ!コイツやっちまおうぜ!」

「そうだ!ボコボコしちまおう!」

続いてチンピラB、Cと喚き始める。

何でコイツらは頭に来てるんだ?

俺は正しいことを言っている筈だ。

 

「...いいかお前ら、俺はお前らと喧嘩する気なんざ毛頭ない、俺はな、この景色を楽しんでいたいんだ、この一面に広がる向日葵をな。」

 

俺があの空間から脱出...というか叩き出されて見たのがこの目の前に広がる一面の向日葵畑だった

俺は感動した、生まれてこの方こんな素晴らしい花畑を見たことが無かったからだ

 

だが俺が感動しているところにコイツらはやって来た。この向日葵畑に似つかわしくない斧を持ってだ

 

せっかくの向日葵畑の景観を損ねるようなことをしていただきたく無かったので邪魔と一言申したのだ、だから喧嘩なんかしたくはないが...

 

「知らねぇよ!てめぇは俺たちにナメた口叩いたんだ、土下座して詫びても許さねぇからな!」

 

相手はやる気まんまんか、仕方ない...

(やるしかないか...)

そう思い、俺は構えをとった

(......?)

 

まさに喧嘩が始まろうかという所で何か違和感を感じた、この場には俺、チンピラA、B、Cの四人しかいない筈だ

だが誰かに見られている、監視されている、その様な感覚が拭えない

 

「おい、お前らの他に仲間は?」

「あぁ?いねぇけど、三人なら倒せるってかぁ?」

チンピラの的外れな推理をスルーしつつ、俺はもう一度辺りを見回した

 

やはり人影は見えない

(俺の気のせいなのか?)

そう思い、ふと近くにあった向日葵に目を移した

 

(......ん?)

さっきまで燦々と輝く太陽に顔を向けていた向日葵がこっちを向いていた。

(んん...?)

ますます怪訝に思い、その隣の向日葵、そしてまた隣の向日葵と見ていくが、そのすべてが俺たちのほうを向いていた。

(おいおいおい......)

奥の方に目をやってもこちらを向いている向日葵ばかりだ。

 

「おいチンピラ共。」

「だぁれがチンピラだオラァ!!」

「右見てみ。」

「右だと?何があんだ...よ...」

 

どうやら馬鹿でも気づけるぐらいには異常な事態らしい。そしてチンピラ共は口々に何かに怯えるように言った。

 

「おい、これって......」

「もしかして向日葵を売ろうとしてるのバレてるんじゃ...」

「や、やべぇ...おいお前らずらかるぞ!」

へへーっと安っぽい返事をしてチンピラ共は逃げようとしたが、チンピラCがピタリと足を止めてしまった。

 

「あ、あれ......」

ガタガタと震えながら指を指す先には一人の女性がこちらに歩を進めていた。

 

「また来てたの?貴方達しつこいわねぇ...」

その女性はウンザリといった感じだ

確かにこんな奴等に付きまとわれてたらウンザリもするわ

面白いくらいに馬鹿だからな

 

「う、うるせぇ!こうなりゃヤケだ!てめぇらやっちまうぞ!!」

俺には何がヤケなのかはいまいち分からんが、コイツらがいくら束になろうが勝てないのは分かる

雰囲気からして雑魚だし...

 

「いっいやだ!もうぶっ飛ばされんのは御免だぁ!」

「そうだ!お前が絶対成功するからって言うから手伝ってたんだ!これでもう三度目じゃねぇか!」

おお?なんだ仲間割れか?これは好都合だ、勝手に自爆してくれ

 

「馬鹿!三度目の正直ってやつだよ!」

二度あることは三度あるって諺知ってんのかこいつは

 

「......もういいかしら?」

またもやウンザリした様子で口をひらく女性、こう何度も茶番劇を見せられるとな

「しかも一人増員までして...」

あ?これって俺のことチンピラDとして見てんのか?

「おい、ちょっと待ってくれ俺は...」

冗談じゃない、コイツらと一緒にされちゃ...

「細かいことは意識が戻った後にね?」

 

そう言われるや否や俺の意識は日傘から放たれた極光に飲み込まれてしまった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

「んー......」

いっつも私の花を狙ってくる輩に見慣れないのがいるなぁとは思ったけど......

よく見てみると服装とかもここら辺の住人とは違うし...、何よりデカイ、2mくらいあるんじゃないの?筋肉も凄いし

もしかして外来人だった?それとも人間似の妖怪?

「......ちょっとやり過ぎだったかしら?」

ま、まぁ花に手を出すのならたとえ外来人でも下級妖怪でも容赦はしないからね、これで覚えてもらえれば......

 

「......え?この人は悪くない?」

花達が言うにはこの外来人らしき人間はこの三人組を止めようとしていたらしい

「...仕方ないわね......」

さすがにこのまま放置は可哀想だしね、私の家で介抱してあげるか......

 

「うぅ......」

「あら、まだ意識が......」

私のマスタースパークをモロにくらって意識のある人間なんてそうそういないんだけどやっぱり妖怪?

「貴方起きれる?」

傘でぺしぺし

「くっ...、痛ってぇな...」

あ、起きた、随分とタフね

 

「ごめんね、とばっちりくらわせちゃって」

私が声をかけると人間(仮)は憎々しくこちらを向いてきた、仕方ないでしょ、こっちだってイラついてたんだもの

 

「あの妙な光はあんたが出したのか!」

「ええそうよ?貴方も奴等の仲間かと思っちゃったのよ」

はぁ、と人間(仮)は溜め息を吐いた

何よその態度、結果として奴等から助けたんだからいいじゃない

 

「もう少し確認をしてからやってくれ...」

「だからカッとなっちゃったのよ」

「だとしても.........!!」

何か文句を言おうとしたみたいだけど何故か口が止まった

そして何故か顔が真っ赤だ

「お、おい...」

「?...何よ、どうかしたの?」

「そ、その...」

「...一体何なのよ?」

ウジウジ女々しいわね、その体は飾りなのかしら

「パン、パン......」

パン?パンが食べたいのかしら、図々しいのね

「その...パンツが......」

あー、うつ伏せに倒れているところにスカートでかがみこんで話していたからねぇ

「...あちゃあ」

ま、ラッキースケベとして受け取っておいて......って!?

 

「あちゃあじゃ......な...い...」

消え入りそうな声で遺言染みた言葉を残すと、バタッと再び倒れた、鼻血をドクドクと垂れ流しながら

 

「............」

返す言葉も無い、まさか女の下着を見るだけで鼻血流しながら倒れるなんて...女耐性低すぎませんか?

この人間(仮)には弾幕とかよりコッチの方が効くのかも知れない

 

「また面倒くさい奴が幻想郷に出てきたものね...」

けど風見幽香、巨漢を従える!なんていいかもしれないわね

 

「...何てね...」

我ながらアホみたいな考えね、大人しく介抱してあげてとっととお帰り願おうかしらね

あ、でも肥料の買い出しとかは行かせようっと

 




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