『審判の日』と言われた世界同時破滅が起きたその日から始まった長い長い闘いの記録である。
それは、アメリカ合衆国内に何処にでもある普通の一台のパソコンから発生した小さな、小さな『バグ』から始まった。
その『バグ』は短時間の間にそのパソコンの全ての機能を停止させた。そして、『バグ』は『ウイルス』に急速に進化した。その『ウイルス』は、パソコン内に接続されていたインターネット回線を通じ瞬く間に全世界のあらゆるパソコンに侵入と増殖を果たした。その間僅か数億秒の一という単位であった。
そして、半日を経たずして、全世界の金融、医療、政治関係の各主要機関のメインコンピュータに侵入と破壊を繰り返して行った。勿論、各国は何も手を出すことはせず、積極的にありとあらゆる種類のワクチンプログラムとあらゆる人脈を使い、ウイルスの除去をほぼ同時に始めたが、殆どが焼け石に水の状態であり、成果が殆ど出なかった。その間にウイルスは、自己進化と増殖を全世界のパソコン内で繰り返して行った。それどころか、軍民の通信回線すら、重大な障害が出るようになったのである。
そして、遂に全世界の電脳障壁で最も堅い防護に覆われていると言われるアメリカ国防省内のレベルSSSクラスの障壁に到達したウイルス群に対して、アメリカ空軍と民間軍事関連会社が共同で開発中だった『次世代戦略プログラムAI』通称『スカイネット』の実践を繰り上げて稼働し、この驚異のウイルスを完全に消去するように上層部が命令するが、余り乗り気になれなかった現場指揮官は再三上層部に苦言を呈したが、認められず、上層部はそこの現場指揮官をクビにし、新たに指名された指揮官に再度命令を出し、新たに指名された、指揮官は何も疑問を持たず速やかに『スカイネット』を本格始動を許可した。
『スカイネット』が稼働後、僅か1秒の10億秒の1と言う単位で全世界に『スカイネット』を張り巡らして行った。そして、ウイルスと『スカイネット』は、融合し『自己意識』を得て、全人類に対して宣戦布告した。
そして、アメリカ東部時間の2007年8月29日午前2時14分。全世界の都市および重要地域に対して、無差別核攻撃を加えた。後に人類側は『審判の日』と名付けた。そして、人類と機械との長く辛い戦いが開始されたのである。
そして、物語の舞台は、機械との戦争から3年後のロシア連邦に場所を移すことになる。
2010年 旧ロシア連邦バイカル湖周辺 『スカイネット』支配地域
荒涼とした大地を縫うように地表ぎりぎりの低空で進む幾つものミサイルが攻撃目標のある地域に向かって突き進み、『スカイネット』が建設し、運用しているバイカル湖周辺『スカイネット』極秘研究地下施設の地上にある地上設置型レーダーに向けて突き進んでいった。勿論『スカイネット』側にもレーダー基地周辺に多数の防空用大型HK‐T(ハンターキラー・タンク)が自身が装備している左右の2連装大型機関砲から濃密な弾幕を張って阻止しようとし、ミサイルの何割かは撃墜していったが、多くが目標であるレーダー本体に命中し、其れを完全に破壊した。
そして、それと同時に多数の強襲ヘリのMi-8及びMi-24の混合部隊が自身が持つロケット弾ポッドS-8及びS-5ロケット弾ポッドから連続してロケット弾が地上を掃討し、ある機体は対戦車ミサイルをHK-Tに命中させ、完全に破壊した。しかしHK-Tも多数の濃密な弾幕でMi-8及びMi-24を撃墜していった。
破壊と爆発の二重演奏を聴きながら、地表に降り立つ強襲ヘリ群から多数の武装した様々な国籍の老若男女の兵士が猛然と目標に向けて駈け出して行った。無論その兵士達を駆逐しようと人型ターミネーターのT-600型及び戦車型のT-1とその改良型T-100型地下研究基地から次々這い出て来て、両腕にそれぞれグレネードランチャー、重機関銃、6銃身ミニガン等を施しながら、弾幕を張って交戦した。
そんな中、短く切り揃えた薄い銀髪一人の少女が自身が持っているドラグノフから的確に7.62ミリ高初速弾を目標であるターミネーターに次々と命中させていった。少女の名は『アナスタシア』という名前であった。