審判の日   作:東海

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連投します。


思い出

 アナスタシアは、ゆっくりとプロデューサー(自分的には武内Pが配役)が眠っているベットの横に立った。

 

 彼が眠っているベットの周辺には、幾つかの医療機器が置かれており、其処から延びる各種コードがプロデューサーの身体中に付けられており、右腕には大小の点滴針が刺さっていた。そして彼の右目と左肘から下が何枚も重ねた包帯で保護されていた。アナスタシアは、彼が眠っているベットの横の小さな机にある花瓶の水を変えた後、備え付けの簡易椅子に座り、懐かしむ様に彼の少し伸びた髪を撫でた。

 「もう半年ですね。プロデューサー、美波も私の元気にやってますよ。それに今日は、美波に助けられました。色々と辛い事がありますがプロデューサーに助けられた事は今でも鮮明に覚えていますよ」

と懐かしむ様にアナスタシアは、昔話を始めた。

 

 半年前、ロシア連邦イルクーツク旧市街

 

 地面には無数のクレーターが形成され、目立つ建物等は廃墟になるか、完全に根元の鉄骨が剥き出しのまま一部が崩れ去った状態であり、其処には動く物が居ないゴーストタウンと化していた。其処に大小2つの人影が、廃墟と廃車と野晒しのまま放置された骸骨が無造作に置かれた大通りを歩いていた。

 

 「美波は何処まで行ったのでしょうか?」

 「分かりません。しかしヘリの離陸時間には戻らないといけないので、そろそろ戻らないといけません」

と少し焦りを見せたアナスタシアにプロデューサーは落ち着いた口調で返答しながら、周囲を警戒した。すると、彼らの前から走ってくる人影があった。

 「プロデューサー、あれを」

 「アナスタシアさんは隠れてください。私が行きます」

とプロデューサ―が両手に持っていたAK-12カスタム(高感度低倍率ドットサイト、フォアグリップ)を構え、コッキングレバーを引いて遊底をスライドさせると初弾が装填されるのを確認後、安全装置と弾数選択スライドに手を付けたままスコープを覗くと南が走ってくるのが見え、両手には幼子を抱えていた。すると美波の口から何か話しているのが確認できた。それを読唇術を使い翻訳した。

 「に・げ・て・は・や・く」

と訳すと同時に、後方から独自のエンジン音を響かせたハンターキラー エリアル HK-Aerial-S(ハンターキラー エリアルS型)(小型市街戦専用偵察攻撃機)が左右の可変式推進器を使い、美波の後方から迫り自身が下部に装備している固定式高初速12.7ミリ機関銃2基から機銃掃射体制に入ったが、幾つかの金属音がHK-Aerial-Sに響くと頭部センサ―に被弾を確認した事がHK-Aerial-SのAIが判断すると、すぐさまその脅威を排除しようと前方の女性からアサルトライフルを持ち、的確に被弾させてくる男性に照準と武装を変更した。

 「アナスタシアさんは、すぐに近くの建物に隠れてください!急いで」

 「プロデューサーは、如何しますか」

 「私が。囮になります。美波さんの保護を頼みます」

そういうと、AK-12を3点バーストしながら、遮蔽物を選びながら、駆け出した。巡航モードからホバリングモードに推進ノズルを立てたHK-Aerial-Sは武装選択を機銃から胴体内の武器庫から内蔵型対人用小型クラスターミサイルを選択し、発射した。するとミサイルは、暫く進むとカバーが外れ、その中から無数の鋼鉄製の直径10ミリ程鉄球が前方指向にさせて無数に散弾の様に炸裂した。それは音速を超える速度で射出された為、ある程度の鉄骨強度すら紙の様に貫いていた。その後素早く巡航モードに推進ノズルを戻し、標的の頭上を掠める様に飛行した。

 一方のプロデューサーは紙一重でこの攻撃を強固な遮蔽物の御蔭で何とか避けて、自身の持っているAK-12をフルバースト射撃に切り替え、HK-Aerial-Sの頭部及び可変式推進器に向けて掃射した。HK-Aerial-Sは頭部と翼部に幾つかの被弾をし、金属カバ-

の一部が破損し、落下したが、方向転換し、更に胴体内の3つの武器庫から同様のミサイルを同時展開し、さらに胴体下部の2基の機銃を発射しよう赤外線追尾装置を作動させたが、その時、斜め下から突然携行式ミサイルの攻撃を受け、HK-Aerial-Sは残っていた燃料及び武器弾薬等に引火し、爆散した。

 「一体誰が...」

と遮蔽物からゆっくりと周囲を見渡すと、廃墟となった建物からアナスタシアが、もしもの時の為にと担いでいた携行式対戦車ロケットランチャーRPG-7を発射し、撃破した事が判った。なぜなら、弾頭部の無い発射器から燻った煙が立ち上がり、発射時の反動の為、顔の辺りが埃か煙の為灰色に近い色になっていた。

 「助かりました。アナスタシアさん」

 「大丈夫ですか。プロデューサーさん」

とプロデューサーが周囲を警戒しながら小走りでアナスタシアに近付き感謝を述べた。しかしプロデューサーは、少しの間安堵の表情をしたが、すぐに冷静な顔立ちに戻り、アナスタシアに諭すように言った。

 「アナスタシアさん。余りあれを室内で使わないで下さい。あれの後方炎には、とても注意が必要な物なので良く後方を確認してから使って下さい」

 「すみません。プロデューサー」

 「いえ、判ってくれたなら良いです。そういえば、美波さんは大丈夫でしたか?」

 「はい、後ろの廃墟の奥に抱えていた子供と一緒に居ます」

 「そうですか。なら保護した子と一緒に速やかに帰還しましょう」

 「分かりました。では美波を呼んできますね」

といったアナスタシアは、廃墟の中に消えていった。その事を確認したプロデューサーは表情を険しくし、周囲の警戒と帰還の準備を始めた。

 

 それを2つの赤い双眸が別の廃墟の屋上から見下ろしていた。

 

 暫くして、廃墟の中からアナスタシアと新田美波に連れられて一人のまだ幼い女の子が出て来た。

 「新田さん、その子が保護した女の子ですね」

 「はい、私、アーニャちゃんより前を歩いてたら、声が聞こえたので思わず走り出してしまいまして、迷惑掛けてしまいすみません」

 「いえ、なにも謝る事は無いです。新田さんとその子が怪我が無くてなら良かったです」

 すると、保護した女の子と同じ視線を合わせる様にプロデューサーが語りかけた。

「大丈夫ですか?私は、こういう者です」

というと、懐からロシア語で書かれた名刺を取り出し、女の子に渡した。

 「プロデューサーさんですか?」

 「はい」

 「貴方のお名前教えて貰えないでしょうか?」

 「私の名前は、イーニァ・シェスチナと言います。この子は『ミーシャ』です」

と小熊もぬいぐるみを両手で差し出した。プロデューサーは少し顔を綻ばせ、

 「そうですか。よろしくお願いします。少し美波さんと話しますので、何かあったらアナスタシアさんを頼って下さい」

 「よろしくね。イーニャちゃん」

 「こんにちは、イーニャ。少しお話しませんか?」

とイーニャの手を握り、少し離れたアナスタシアを二人で確認した後、プロデューサーが

 「他の生存者は?」と聞くと美波は顔を横に振り、少し暗い顔をした。

 「駄目でした。中型トランスポートが飛び立った後でした。多分他の生存者は...」

 「そうですか。判りました。直ぐにヘリの降下ポイントに戻りましょう」

 「はい、じゃあ私アーニャちゃん呼んできますね」

 「お願いします」

と美波がアナスタシアを呼びに行くのを見送るのを確認すると、プロデューサーは、周囲を見渡し警戒した。

 3人は、保護したイーニャを守る様に両サイドに美波とアナスタシアが交互に警戒し、プロデューサーが少し後から後方を警戒し進んでいった。

 

 暫く進み、道の真ん中に人が立っていた。それに気付いた3人はイーニャを守る間隔を狭めプロデューサーがAK-12を構え前に出た。その人影の正体は、ボロ布を全身に纏ったT-600型であり、通常よりも腕部と脚部を通常より強化改造されたタイプであった。

 

 「美波さん、アナスタシアさん、私があいつを引き離しますので、すぐにイーニャさんを連れてポイントに向かって下さい」

 「「プロデューサー、でも」」

 「私は大丈夫です。行きますよ。3,2,1,GO!」

と言った瞬間、美波とアナスタシアは、イーニャを抱え走り出し、その瞬間プロデューサーは、AK-12をフルバーストでT-600型に向けて掃射した。辺りにマズルフラッシュと空薬莢が地面に落ちる金属音が木霊した。

しかし放たれた弾丸をT-600型が通常よりも一回り肥大大型化した腕部を楯代わりに防御した。そして強化改造した脚部を使い猛然とプロデューサーに向けて走り出した。プロデューサーはAK-12の30発入り弾倉が空になると,すぐさまAK-12を楯代わりにし構えた。

そして、ガチャンというAK-12がT=600型の加速された肥大大型化した左腕に内蔵された圧縮空気ボンベ内を内部で爆発させ、それを肘から噴射加速した拳に砕かれる音が響いた。

 

 

 

 

 




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