目の前に3〜6巻があり、とても辛いです。
1巻以降の話がわからないので、色々矛盾しているかもしれません。矛盾していたらすみません。
個人的にフレミーが好きなので、この短編ではフレミーをヒロインにしたいと思います。
魔神を封印し、平和な世界が戻った。
いつの日か、再び魔神は永い眠りから目を覚まし、この世界に恐怖をもたらす事になるだろう。
でもそれはまだ先の話。
今はこれからの新しい人生を歩める事の幸せを噛みしめよう。
凶魔や仲間に殺されかけ、裏切られ、それでも勝ち取ったこの幸せを。
「帰ろう、フレミー」
地上最強の男、アドレット・マイアは不敵に笑う。
「アドレット…」
フレミーはパチパチと弾ける炎を眺めながら俺の肩に寄りかかる。
「どうしたフレミー?」
「本当に信じていいんだよね…」
小さくて、ほんの少し震えた声。
「地上最強の俺を信じろ。これからはふたりで静かに暮らそう。新しく家族を増やそう。犬を飼うんだ」
「うん」
フレミーの、白く細い手を握る。
「俺はキノコ取りも上手いんだ。一緒にシチューを作って食べよう。今は地べただけど、ふかふかのベッドで一緒に眠ろう。…フレミーがおはようのキスとかしてくれると嬉しいんだけどな」
「…恥ずかしいこと言わないで」
照れ隠しで笑ってみせる。
月明かりと炎に照らされているフレミーの顔は、頬を赤らめているように見えた。
「アドレット、あなたのこと、アドって、呼んでいい?」
俺を見つめてそう聞いてくるフレミー。
いつもの冷たい目とは違う、暖かくて優しい目をしていた。
「ああ」
白く細いフレミーの手は優しく俺の手を握り返した。
「ありがとう、アド」
「起きなさいアド。起きなければ、また撃つわよ」
またあの時の夢を見ていた。
もうちょっと見ていたかったのに。
いくら地上最強でも夢はコントロールできない。
「フレミーも一緒に眠ろう。まだ時間あるだろ…」
「なにを言っているのアド?あなたはこれから仕事をするの」
あの時のフレミーは優しくて可愛いとさえ思ったのに、今は怖い。
それでもたまに照れる時がある。
それがまた可愛い。
地上最強の俺もフレミーには敵わない。
「火薬の聖者を舐めているようね…」
フレミーは左手で爆弾を作り出した。
まずい!またアレをやる気だ!
「わかったよフレミー。その代わり一つ条件がある」
「なに?」
爆弾を作る手を一旦止めた。
良かった。またアレをやられたらたまったもんじゃない。
「おはようのキスをしてくれ」
「…」
さっきまでの無表情がみるみるうちに頬が赤くなる。
俺はフレミーを見つめ笑う。
俺のいるベッドに座り、少しもじもじしている。
フレミーは俺の肩に手を置き、優しくくちづけをしてくれた。
唇を離し、フレミーと見つめ合う。
「…これで、いい?」
地上最強の男、アドレット・マイアは史上最高に幸せである。
俺とフレミーは魔神との戦いを終えて、北の小さな村で新しい生活を始めた。
犬を飼い、羊を飼ってまたあのときのように暮らしていてる。
フレミーは家事が出来て、料理が上手い。
特にシチューが美味しくて、シェトラの作ったシチューと味がどこか似ている。
銃を持つフレミーもなかなかだが、おたまを持って味見しているフレミーもいい。
「フレミー、今日はシチューか?」
フレミーの作るシチューならどこにいてもすぐにわかる。
「アド、仕事は終わったの?」
「今は休憩中」
「地上最強の男には休憩はいらないわ」
ちょっとフレミーは怒っているような気がする。
おはようのキスがそんなに恥ずかしかったのだろうか。
「アド、味見してくれる?」
「ああ」
フレミーは小皿を取り出し、作ったシチューを少しだけ入れる。
まだ熱々なのか、フレミーがシチューを冷まそうとふうふうと息を吹きかける。
その姿はどこかあどけなくて、子どもみたいだと思った。
「アド」
フレミーから小皿を受け取り味見する。
いつもと変わらない、優しい味がする。
「美味しいよフレミー」
「…ありがとう、アド」
フレミーは恥ずかしそうに笑った。
もしもアドレットとフレミーが一緒に暮らしたらどうなるのかなぁと想像して書いて見ました。
原作を全部読んだら、連載もしてみようかとは思っています。
駄文にお付き合い頂きありがとうございます。
でわでわ。