『偽者はお前だにゃぁ』
『偽者はお前だ』
『偽者はあなたなの!アドレットさん』
「違う!俺は本物だ!」
俺は本当だ。嘘じゃない。信じてくれ。
俺は本当の六花の勇者だ!
『アドレット…』
フレミーは俺に銃口を向ける。
どうして、どうしてそんな殺意を俺に向ける?
フレミー…信じてくれ。
『やっぱり、あなたが嫌いだわ』
「やめてくれー!」
「アド…大丈夫?」
目の前には心配そうに見つめるフレミーがいる。
銃口は向けられていない。
よかった。ただの悪い夢だ。
「アド…」
「フレミー、俺のこと好きか?」
時々、たまらなく不安になる。
俺のことが今でも嫌いなんじゃないか。
「…好きよ、アド」
フレミーは汗だくの俺を優しく抱きしめてくれる。
「俺のこと、信じてくれるか?」
フレミーは俺の背中を優しくさすってくれる。
「信じるわ。何度も疑ったもの。もう誰にも騙されたりしないわ」
「フレミー、もう俺に銃口を向けないか?」
優しく頭を撫でてくれる。
なんだかくすぐったい。
「…どうかしら?アドがちゃんと起きたら、撃ったりしないわ」
そこは否定してほしかった。でも、フレミーらしい気もする。
「フレミーがおはようのキスと愛してるって毎日言ってくれるなら、すぐに起きるよ」
「…調子に乗りすぎよ、アド」
もう俺が平気なのがバレてる。
流石フレミー。
地上最強の俺でも、フレミーは騙せないようだ。
もうちょっと甘えたかったな。
音もなくベットから離れ部屋から出ようとするフレミーが立ち止まって振り返った。
「…愛してるわ、アド」
顔を真っ赤に染めてパタパタと逃げていった。
「さっきはなんの夢を見たの?」
起き出した俺はフレミーとふたりで朝食を摂っている。
まだちょっとは心配してくれているようだ。
フレミーの冷たくて、優しいところはとても好きだ。
「神殿で閉じ込められたときのことだよ」
「だからあんなこと言い出したのね。納得したわ」
食事を終えたフレミーはお皿を流しに置いた。
「フレミー」
「なに?」
机に座り直し、フレミーと見つめ合う。
「ありがとな。フレミーのおかげで落ち着いた」
思わず目を反らすフレミー。
俺は多分、フレミーを恥じらわせるのがクセになっているのかもしれない。
「…落ち着いたのなら、仕事をしなさい」
「ああ。行ってくる。…フレミー、俺も愛してる」
「っ!…もう。
…やっぱり嫌いよ」
今日も仕事をする。
羊の毛を刈っては売り、羊のミルクからチーズを作り、キノコ探しをする。
あの頃は、またこんな風に大切な誰かと一緒に暮らせることになるとは思っていなかった。
あの苦しかった日々の修行も今は大切なものを守るための力になっている。
仕事から帰ると、フレミーはリビングの机で眠っていた。
普段のフレミーからは考えられないような寝顔。
まるで子供のようで可愛い。
フレミーの隣に座りそっと、フレミーが起きてしまわないように頭を撫でる。
俺が撫で続けているとフレミーが目を覚ました。
「…アド。帰ってたなら起こしてくれればよかったのに」
「フレミーの寝顔は滅多に見れないからな。見れるときに見ておかないと損をする」
いつもは俺が寝顔を見られているからな。
「…じゃ、じゃあ、私にもお、おはようのキス、して」
珍しい。フレミーからキスを求めるなんて。
俺はフレミーに優しくキスをした。
「おはようフレミー」
「おはようアド」
最後にもう一度キスをして、ふたりで夕飯を食べる。
「フレミー、あーん」
俺は自分のお皿から一口分をすくってフレミーの口へ運ぶ。
恥じらいつつ小さく口を開けるフレミー。
ためらいながらも食べてくれた。
すると今度はフレミーが自分のお皿からすくって俺の口へ運んだ。
「ア、アドも…」
俺にも恥ずかしがらせようとしているようだが、全然恥ずかしくない。むしろ嬉しい。
日々新しいフレミーを発見する。
それがとても楽しい。
「フレミー、もう一口ちょうだい」
「もう、アドったら」
そう言いながらフレミーは微笑みながら口へと運ぶ。
ちょっとだけフレミーのキャラが違ってしまっている気がします。
大丈夫でしょうか?