最弱無敗の神装機竜〜『白き英雄』〜   作:瑠夏

21 / 23
はい、サブタイトルは適当です(白目



クルルシファー・エインフォルク編
第19話 鬼ごっこ


 

 

「はぁ……はぁ……!」

 

シルクは、まだ日の明るい放課後の校舎の中を走っていた。見えない捕食者から逃げるように。

 

「はぁ……、何とか撒けたかな……?」

 

シルクはそこで一息つく。荒れた呼吸を整え、今自分の置かれた状況を整理していた。

 

「ルクスのヤツ、無事に逃げ切れてるかな?」

 

シルクとルクスは、遠征に出かけている女生徒を除いて、この学園にいる全ての女生徒に狙われていた。別に二人が全員に追いかけられるような、悪さをした訳ではない。寧ろ、いつも通りに女学園のため、注意深く過ごしていた。

二人を追いかける女生徒たちの目は、肉食獣のそれである。

 

(くそッ!なんで俺がこんな目に会わなきゃいけないんだよ!)

 

この騒ぎの発端は、ほんの数十分前に遡るーー。

 

 

 

「シルク君、ルクス君。学園生活の調子はどうかしら?」

 

授業も全て終了し、皆が教室から解散した放課後のある日。二人を自室に呼び出したのは、学園長のレリィ・アイングラムだった。

シルクとルクスが編入できたのはこの国の王女であるリーズシャルテの強い要望と、学園長であるレリィ・アイングラムの同意のお陰だ。

そして、周りが女子だけの環境に悩みや問題は尽きないだろう。それ故にレリィはこうして話をするために呼び出したのだという。

 

「何とか、うまくやれていると思います。初めはどうなることかと思いましたけど」

 

「右に同じく」

 

先にルクスが喋り、その後にシルクが簡単に続いた。

 

「右に同じって……自分の考えを言おうよ」

 

「まったくね……」

 

ルクスとレリィが呆れたように言う。

 

「え〜、だってルクスが言ったこと以外で言うことなしい」

 

ちなみにそう言うシルクの腕には珍しいことに妹のイリア・グランフェルトがいなかった。どうやら今日はクラスの友人と街へ出かける約束をしていたようで、学校が終わるとすぐに街へ出かけたようだ。

出かけるとき、シルクに抱きついて行った。それを見た友人たちは苦笑していたのだがシルクは気にしないようにしていた。

 

 

ルクスが言ったことに同意したのはシルクの本心だ。それはルクスも同じだろう。この学園にいるほとんどの女生徒たちは、シルクとルクスに対し好意的に接してくれている。

王都への演習から帰ってきた三年生たちも、二人の男の存在に驚いていたが、リーシャと互角の実力があることと、襲来した幻神獣からこの学園を守ったという話を伝えられ、シルクとルクスの編入に異を唱える者は出ていない。今のところは様子見と言ったところだろう。

 

「まあ、セリスさんの帰りが遅くなったおかげかもしれないけどね」

 

三年生トップにして、学園最強と名高い公爵家令嬢、セリスティア・ライグリス。四大貴族の一角にして、男嫌いで有名な彼女は、王都で発見された逆賊の討伐のため、もう少しだけ向こうへ残ることになったとのことだ。

その彼女は、シルクが学園に来る前に一度剣を交えた少女。

 

「でもね、ルクス君、シルク君。今、あなたたちに対する生徒たちの不満が、私のところにたくさん集まっているの」

 

「「えっ……?」」

 

ふいに悩ましげな表情で、レリィがため息をつく。

シルクは知らないうちに何かしたのではないかと不安に駆られる。隣にいるルクスを見るとシルク同様不安に思っているようだ。

 

「じゃーん!はい、これよ!」

 

バン!

と、レリィは満面の笑みで、机の上に分厚い紙の束を二つ叩きつけた。

両方ともに、百枚はゆうに超えている。

 

「えっと……もしかして、これーー」

 

シルクは机に置かれている紙の束を見て引き攣った笑みを浮かべる。

 

「あなたたちへの雑用の依頼。あまりに数が多過ぎるのよね……。だから、優先度の高い依頼をあなたたちは選んで、こなしてもらっているのだけれど、一向に回ってこない子たちが不満らしいの」

 

「…………」

 

シルクとルクスはなんとも言えない表情で固まっていると、レリィがニヤリと、悪戯っぽい笑顔を見せる。

シルクは何か良からぬことを考えているな?とは思ったが、ルクスに至っては何か確信的なものがあるような気がした。

 

「で、ですけど、それは仕方なくてーー」

 

シルクが何か言う前に、ルクスが慌てて弁解しようとしたたき、どこかで女生徒の歓喜の声が聞こえてきた。

 

「なんだ……?」

 

声の出所は、校舎内の教室や、学園の敷地内からのようだったがーー。

 

「わかっているわ。だから今、生徒たちに向けて説明をしているのよ。私が企画したイベントーー『ルクス君、シルク君争奪戦』のね」

 

「…………」

 

「……はい?」

 

シルクは何も言えず、ルクスは疑問の声を上げる。すると、レリィは赤い紙に書かれた二枚の依頼書を、机の上に広げて見せた。

 

「依頼を受けてもらえない生徒たちへの、不満を解消のイベントよ。『一週間だけ、ルクス君、シルク君に優先して依頼ができる、特別依頼書』ーーつまり、これを制限時間以内にあなたから奪い取った子が、あなたを一週間独占できる、ということね」

 

レリィは最後に音符が付きそうなほど、楽しげに言った。

 

「じょ、冗談ですよね!?まさか、本気でーー」

 

ルクスの顔が、思わず引きつる。

 

「ゲームの期間は、今から一時間。あなたたち二人にこの依頼書を預けるから、制限時間まで逃げ切れば誰の命令も聞かずに済むわ。あ、装甲機竜の装着は全員禁止だから、くれぐれもお嬢様たちを怪我させちゃダメよ?」

 

「……何で俺がこんな目に」

 

「ちょっ、ちょっと待ってくださいッ!いきなり、そんなーー」

 

本来関係ないシルクは雑用の依頼に関して、これからも続けていこうと思っていたが、いたのだが……。

いくら何でも、無茶苦茶だ。シルクもルクスも思った。ルクスが反論しようとしたとき、学園長室の外で、地鳴りのような音が聞こえてきた。

 

「あら? 早速みんながやってきたみたいね。早く逃げないと、すぐに捕まっちゃうわよ?」

 

「ルクス! とりあえずさっさと逃げるぞっ!」

 

「ああもう! 何考えてるんですか!」

 

次の瞬間、シルクとルクスは学園長室を飛び出し、走り出す。

その直後、校舎の階段を上っていた女生徒たちから、歓声かま上がった。

かくして、レリィ学園長の企画である『ルクス、シルク争奪戦』がスタートしたのだった。

 

 

 

そして、上手いこと生徒たちを撒けたシルクは校舎二階の廊下に、息を潜めて隠れていた。廊下の窓からちょこっと顔を出し、向かいの廊下の様子を伺う。

その廊下には、ルクスを先頭に女生徒の大群が走っていた。どうやらルクスは、シルクのように隠れることに失敗し、追いかけられてるようだ。それを確認すると、シルクは頭を下げ、胸をなでおろした。

しかし、階段を上ってきた女生徒が、シルクを見て声を上げた。

 

「あ、居たわ! 廊下の奥に隠れてる!」

 

「みんな、こっちこっち! 捕まえるの手伝って!」

 

直後、ぞろぞろと数十人の女生徒が目の前に現れる。女生徒たちの手には、棍棒、捕縛用のロープ、手錠やら首輪やら持っており、人一人捕まえるのには大袈裟すぎる。

 

「やばっ! って、あんたらは何を捕まえる気なんですか!」

 

これがシルクの率直な意見だ。

シルクを追いかける女生徒の中にはヨダレを垂らしている者までいる。

 

(おいおい、お嬢様として、いや、女としてそれはどうなんだ?)

 

 

「これ、捕まったら何されるか……考えるだけで恐ろしい」

 

シルクを見る目は肉食獣のそれだ。

捕まった時のことを想像すると思わず身震いしてしまう。

 

「あっ!待ちなさい!」

 

と、女生徒の一人が言うが、

 

「待てるわけないでしょー!」

 

シルクは即座に逃げるため、階段を下りようとした。しかし、階段には前と同じくらいの女生徒たちがいた。いわゆる挟み撃ちだ。

階段にいる先頭の女生徒が勝ち誇ったように、そして獲物を見つけた肉食獣のようなる。

前からは肉食獣の群れが、そして背後にも同じ肉食獣の群れが迫っていた。まさに絶体絶命のピンチ。

 

だが、

 

「すいません。本当に捕まると怖いので、ここは逃げさしてもらいます……よっ!」

 

シルクは勢いをつけて、“階段にいる女生徒たちの方へ飛んだ”。

 

「ちょっと!あ、危ない!」

 

「みんな早くどいて!」

 

「お、押さないで下さい……きゃっ!」

 

女生徒たちが慌てる中、シルクは飛んだ勢いで、壁を蹴り、女生徒たちを上から追い越す。そして、シルクが飛んだ際、押されて後頭部から階段を倒れそうになっていた生徒の背中を着地したシルクは受け止めた。

 

「…………ッ!あれ?」

 

いつまで経っても転ける衝撃がこないことに不思議に思ったのか女生徒が目を開け、シルクを見た。

シルクは生徒のと目を合わせ、支えたまま言う。

 

「大丈夫?怪我しなかった?」

 

「……え?あ、はい…………え?」

 

まだ自分がどうなったのかわからなかったらしいが、シルクの声を聞いて、自分が今どうなっているのかを把握したようだ。顔が、リンゴのように赤くなっていた。

 

「もし、足とか捻ったりしてたら手当てしてもらって、それじゃ!」

 

「あ!し、シルクさん……」

 

シルクは、女生徒をしっかり立たせると、また走り出した。

残された女生徒はシルクの背中が見えなくなるまで、ぽーと、熱っぽい視線をシルクに送り続けていた。

 

 

 

「はぁあ……!疲れる……」

 

シルクは見つからないよう隠れつつ、演習場の控え室へ向かう。

 

(ん?待てよーー授業が終わっているなら今は誰もいないはず!)

 

シルクはそう思って、控え室に忍び込む。予想通り、その広い空間には誰もいなかった。

 

「ーーよし!」

 

見つからないように、念のため着替え用の仕切り板の向こう側へと移動した。

 

「はぁあ……!」

 

シルクは長いため息をつき、その場に座り込んだ。あと数十分、時間が過ぎればゲームは終了だ。シルクがそう思ったとき、ガチャリとドアの開く音が聞こえた。

 

「ーーーっ!」

 

シルクはとっさに息を止め、気配を殺す。

 

「はぁ、本当に嫌になるわよね。せっかく今がシルク君とルクス君を捕まえるチャンスなのにーー」

 

「あはは。まあ仕方ないよ、装甲機竜の修理が終わったんだから、ちゃんと試運転しておかないとーー」

 

声から察するに入ってきたのは五、六人。学園の遊撃部隊、『騎士団』の団員である生徒たちのようだ。

 

(やばっ…!このままじゃ……)

 

ルクスは見つかるまいと、より一層息を殺す。

 

「ーーーそういえば、噂のあの男子二人。シルク・グランフェルトとルクス・アーカディアって言ったかしら?本当に彼らをこの学園に入れて、大丈夫なの?」

 

ふいに三年生らしき女生徒の、警戒した声が聞こえる。

 

「ううん。それが話してみると、ルクス君だと結構腰が低くていい人なんですよ。シルク君だって話していて面白いですし、ルクス君同様いい人ですしーー」

 

「ええ、ルクス君は王子様だけあってお顔も可愛いですしーー」

 

「シルク君は、逆にキリッ!としててすごくカッコいいです。時々見る紳士的な行動はどこか貴族の方のようです」

 

「ふうん。でも、痴漢や覗きをされたりする心配もあるんじゃないの?いやらしい目で見たりとかさ。結局ーーこの国の『男』なんて、ほとんどそんな生き物でしょ?」

 

シルク、ルクスを持ち上げる言葉に、もうひとりの三年生らしき少女の声が反論する。

だが、

 

「いえ、あのお二人にかぎってそんなことないですよ!彼らは、そういう卑怯なことはしないと思います!」

 

「はいーー。彼らの戦い振りを見たわたくしたちは、信頼していますわーーーそれに、わたくしは、し、シルク君、あの方にならいやらしいこと、されても……平気ですわ」

 

頬を赤くしながらも、か細く最後にそうつけつわえた。しかし、それはシルクにも、隣にいる二人にも聞こえなかった。

 

(フォローはすごく嬉しいけど、これじゃあますます見つかるわけにはいかないな)

 

何故見つかってはいけないか。それは話している『騎士団』の団員が全員下着姿だったからだ。着替えているのに気づいたシルクは早くなる鼓動を抑えながら、控え室から出ていくのを待っていると、

 

「あ、クルルシファーさん。こんにちは」

 

着替え中の女生徒から放たれた明るい声に、シルクはびくっと身を竦ませた。

 

(まず!どうにかしてここから逃げないとーー)

 

しかし、上手く逃げる方法がなくただ時間が過ぎていく。

 

「そういえば、クルルシファーさん。装甲機竜の指南書。どこにあるか知らないかしら?確か、この部屋に何冊か、置いてあったと思うんだけどーー」

 

「ああ……。本は日に当たると痛んでしまうから、確かこっちに置いてーー」

 

という声が聞こえた直後、

 

「ーーえ?」

 

「あ……」

 

仕切りのこちら側にやってきた少女と、シルクは目があった。制服を上下を脱いで、下着姿のクルルシファーと。

 

「………ッ!?」

 

一瞬、意表を突かれたような顔で、クルルシファーはシルクを見た。いつも冷静なクルルシファーの頬が、羞恥で紅潮する。

シルクもた、声も出せず、ただクルルシファーに見惚れていた。

一切無駄がない、スレンダーな身体。しかし、女性的な生々しさを感じさせる、胸と腰回りの肉付き。艶かしい新雪のような肌と、微かに漂う香水の香り。初めて見たクルルシファーの下着姿は、途方もなく魅力的で、綺麗だった。

 

しかし、

 

(ーーアウト)

 

シルクはこのままみんなにバレて今度こそ犯罪者として檻に入れられる。そう最悪の想像をしたが、クルルシファーはいつもの涼やかな微笑に戻し、シルクの側を歩く。

そして、近くにある本を手に取ると、何事もなかったかなように、仕切りの向こうへ戻った。

 

「やっぱり私は、今日の訓練はやめておくわ。《ファフニール》の整備がまだ終わっていないのを、思い出したからーー」

 

クルルシファーがそう言うと。既に着替え終わっていた女生徒たちは頷いてから演習場へ向かっていった。

 

「出てきていいわよ、かっこいい覗き魔さん」

 

シルクが仕切りから出ると、クルルシファーは制服に戻り、テーブルで本を読んでいた。

 

「ありがとう、クルルシファーさん」

 

「いいのよ。それより、少し休んでいったら?ちょうど、あなたに聞きたいこともあるし」

 

せっかくのお誘いだが、今はまだ争奪戦の時間。そのため、シルクはお誘いを断ることにした。

 

「ごめん、今はそんなゆっくりはしていられないんだ。だからーー」

 

「あなたの争奪戦とかいうイベントは、さっき終了を告げる鐘が鳴っていたみたいだけど?」

 

「えっ……?」

 

そう言われ、控え室の時計を見ると確かに終了時刻を過ぎていた。

 

「やっと、終わったぁぁぁああ」

 

シルクが机にうつ伏せになると、クルルシファーはくすりと笑う。

 

「例の依頼書はなくしてない?うっかり取られたりしてたら、笑えないわよ?」

 

「それもそうだな。ちゃんとあるかどうか」

 

シルクは確認のため、ポケットにしまってあった特別依頼書のを取り出した。次の瞬間。

 

「ッ……!」

 

シルクは一つの疑問が頭に浮かび上がり、そして、横から何かが近づいてきているのが視界に入る。シルクは特別依頼書を即座にポケットにしまった。

 

「あら、見せてくれたっていいじゃない」

 

特別依頼書を取ろうとしたクルルシファーが拗ねたような口調になる。

 

「いや、渡すわけにはいかないよ」

 

「どうしてかしら?もう時間は過ぎたのよ?」

 

「うん。そうだな。控え室の『時間』は過ぎた。でも、このイベントが終了の『鐘』はまだなっていない」

 

「あなたが、緊張しすぎていて鐘が鳴ったことに気がつかなかっただけじゃない?それに、証拠として時間が過ぎているでしょう?」

 

クルルシファーは涼しい顔で言う。

シルクが疑問に思ったこと。それは、イベントの終了を告げる鐘の音がなったのか?ということだ。クルルシファーは緊張により聞き逃したのだろうと説いた。しかし、そんなことはあり得ない。常に、遺跡の中で国の依頼をこなしてきたシルクは緊張下の中でも、周囲の状況を全て把握するぐらいの技は持っている。

ゆえに、鐘の音を聞き逃すなどあり得ないのだ。

 

「そんなの証拠にはならないよ。だって、控え室の時計なんて、“簡単に遅らせたり早くしたり”できるからな」

 

「…………」

 

クルルシファーはシルクを見つめたまま何も言わない。少しの間、シルクを見つめていると、くすりと笑った。

 

「ふふふ、あなた以外に鋭いのね。簡単に騙されると思っていたのだけど……」

 

「ルクスならほいほい引っかかっていただろうがな」

 

シルクがそう言うと、「そうね」とクルルシファーが呟いた。もう狙われないだろうと思っていたシルクだが、次のクルルシファーの言葉に耳を疑った。

 

「なら、シルク君。単刀直入に、その紙私にくれないかしら?」

 

「はい………?」

 

あまりの直球の言葉にシルクが間抜けだ声を出していると、

 

「別に渡さなくてもいいけど、その時はあなたが着替えを覗いていたことを学園中に知れ渡るだけだから」

 

「ち、ちょっ……!」

 

サラリと恐ろしいことを言ったクルルシファーに、シルクは驚愕した。

 

「わたしも下着姿を見られたわけだし……これがバレたらあなた、どうなるかしら」

 

楽しそうに言うクルルシファー。それと真逆に、絶望しかけのシルク。

 

「ほら、どうするの?早くしないともう終わってしまうわよ?」

 

「くっ……!」

 

急かすような声に、シルクの思考は焦る一方だ。

 

「バレれば牢獄行き確定ね。そうすればあなたの大切なイリアちゃんはどうするのかしら」

 

「!」

 

(痛いところをついてくるな)

 

シルクは降参と、テーブルに特別依頼書のプリントを置いた。

 

「ふふふ、ありがとう」

 

クルルシファーがそう言った直後、

 

「終了時間です!今、赤い依頼書を手にしている女生徒が、ルクス君を一週間、自由にする権利が手に入ります!」

 

係員らしい女生徒の声が、鐘の音とともに遠くから聞こえてくる。

こうして、シルクを自由にできる特別依頼書はクルルシファーが手に入れ、終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻。

もう一人逃げ回っていたルクスは、

 

 

「おい!この天然娘!さっさとその依頼書から手を離せ!」

 

「姫様が離せばいい。わたしはルーちゃんと一緒にケーキ食べるから」

 

「そんなこと私が知るか!」

 

と、ルクスの特別依頼書を掛けて、言い合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。