もしもし、ヒトモシと私の世界【完結】   作:ノノギギ騎士団

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それは、まるで「残り香」のような

 

 

 パンジャの回想は、光景よりも先に幻の香りが鼻先に蘇る。

 作業用の手袋に包まれた手をするりと撫でて彼女は業後に目を閉じた。

 

(人間の記憶は、そう、聴覚よりも視覚よりも触覚よりも嗅覚が鋭いという)

 

 それは身を焼いた炎の記憶

 

 

◆ ◇ ◇

 

 

 燃え盛る研究所の窓が内側から壊れた。凍てついた硝子が焔との温度差に耐えきれず自壊したと知るのはそれを命じた彼女ひとりだけだろう。

 大量の煤と煙をまとって飛び出したふたりに何人かの同僚が駆け寄る。

 

「アオイ! しっかりしろ! しっかりしてくれ……!」

 

 口から熱のこもる煙を吐いて、パンジャはアオイを揺さぶった。アオイは煙を吸って気絶しただけだ。脚は止血しているが、それにしても酷い有様だ。千切れて飛んでいかなかっただけマシなのか、それともこれから切断しなければならないのか……。幸運を不運に、不幸を幸運に見間違う現状のなかでパンジャは理性的に頭を動かすことのできることをせめて幸運に思った。だからこそ、できてしまう恐ろしい想像にアオイを握る手に力がこもった。

 

「アオイ! アオイ──ア」

 

 何度目かの呼びかけで目を覚ましたアオイは、思いがけない力強さでパンジャの胸ぐらを掴んだ。

 

 必死の形相で彼はパンジャの手を引き寄せた。

 

「お願いだ、助けてくれ。助けてくれ……助けて、くれ……た、助けてくれ!」

 

「だ、大丈夫だ。もう連絡は十分に呼んである、から」

 

「違う! 違う! あの子だ、あの子がまだ中にいる! あの子を助けてくれ! お願いだ、お願いだ! パンジャ……!」

 

 アオイの白い指先から力が抜けていく。それがまるで生命の弱さに思えてパンジャは必死に縋った。彼の首を絞めんばかりに白衣を握りしめる。検討の余地は無かった。

 

「──あの炎が見えないのかっ! もうダメだっ! もはや……もはやダメなんだよ!」

 

 どうしても「死んだ」とは言いたくなくて、パンジャはそう言って俯いた。あの炎、その中心にいては助からない。それに、焔に焼ける以前に『彼』は──。

 

「もう、どこにもいない……」

 

 その言葉に、アオイの呼吸はたしかに一度止まった。

 やがて震えた肺で呼吸して、彼は手足をばたつかせて笑った。これまでパンジャの聞いたことのない、恐ろしい声音だった。世の中全てを恨んでも余りある嘲笑。それは、まるで知らない誰かだった。 

 

「──それなら私を殺せ! 殺してみせろ! 私こそ殺してくれよ!」

 

「や、やめろ……やめてくれ! そ、そんなことを言わないで……! 言うなっ!」

 

「だから──お願いだ! パンジャ、お願いだ。何でも君の願いを叶えるから……私の全てを君にあげたって構わないから! 頼む、あの子を……助けてくれ!」

 

 泣いたり、自棄になったりするのはどれも彼の本心なのだろう。心の整理がついていない。錯乱状態だ。ここで何を言っても彼には響かない。それどころか、焦げ付いた指先が頬を掻いてあたらしい血を滲ませた

 

「あぁぁ、焼けてしまう焼けてしまうじゃないか。悲鳴が聞こえる……! 聞こえるだろう? 聞こえているんだろう!? あの声が! ──ああほら、まだ生きている! 見えるだろう? 見えているんだろう!? 生きているじゃないか! まだ! ほら! 生きている! それなのに、どうしていなくなったなんて言うんだ! ええ!? パンジャ!」

 

「や、やめろ……やめてくれ! アオイ! わたしはそんな言葉、聞きたくない! 君はいま正気じゃない! おかしくなっているんだ! 悲しみに心を病んでしまっている! は、はやく、はやく病院へ──」

 

「はっはっは『おかしい』!? 君はバカか!? そんなのガキの頃からずっとじゃないか! 私は! 私達は! ずっとずっと死ぬまでこれだ! このザマだ!」

 

「うるさいうるさいうるさい! 狂気がわたしに命じるのか!? わたしに『死ね』と言うのか!?」

 

「そうだ! そうさ! そうだとも! お願いだ! パンジャ、私のために死んでくれ!」

 

「なっ……!」

 

 今の彼は正気ではないと医学に素人のパンジャでさえ分かる。酔ったような目はおどろおどろしく淀んでいて、別の次元で焦点が結ばれていた。間違いなく狂気に片足を突っ込んでいる。だが──だが、それでも、いや、だからこそ!

 

(アオイ──)

 

 狂気が発した言葉であっても、錯乱中に迷い出たアオイの『本心』にほかならない。

 

(わたしは……!)

 

 親しい仲であっても、ひた隠しに。彼が大切に守り温めている『本心』。パンジャが知りたくて欲しくてたまらない彼の『本心』。渇望してならないそれを、彼はこの土壇場の独壇場で初めてこぼしてくれた。

 

 それに気付いた彼女にとってそれがどれほど格別な出来事であったか。アオイはもちろん、この場の職員の誰もが夢想だにしなかった。できるはずがなかった。

 

『研究所の装置が爆発』し研究員ひとりが『両脚を砕く大怪我』を負い、ポケモン一匹が『生死不明』の状況下において──。

 

(とても嬉しい! ああ、なんという幸福!)

 

 人生の絶頂を感じているだなんて。

 

 アオイの懇願は続く。

 

「ああ、分かってくれ。分かってくれよ! 私を理解してくれ! 君は優しくないが思いやりのある人だ。私を哀れんで助けて生かしてくれただろう!? そんな君に『お願いだから死んでくれないか』と一生に一度の願いを託しているんだ!──あぁ、だめだ、やめてくれ、ああ、嫌だ、助けてくれ、お願いだ、ダメだ、行くな、今すぐに行ってくれ!──な、なに? 何を言っているんだ、私は……私は、君に……あぁぁっなんてことを……!」

 

 ずっと黙っているパンジャに何を思ったのか、彼は不自由に身を捩った。その目に正気が戻っているように見えたのは本当に不幸なことだった。

 

(アオイ?)

 

 ふたりの言い争いをみた職員が思わず手を引く。誰もが引き攣った顔をしていた。

 

「……無理を言ってすまない。ここまで助けてくれて、今までありがとう。でも……あの子は私のとても大切な存在だから、私が助けにいかなければ……私がやらなければ……私がはじめたように、私が……」

 

 彼の両足はもうほとんど自立では動かないようだった。傷口の上部を縛っている両脚のハンカチは溢れ出た血で真っ赤になっていた。辛うじてパンジャの花の模様が見える。それを見て、花の名を持つ彼女は決心した。

 

 這って炎のなかに戻ろうとするアオイを引き留めた。その手は彼の傷に負けず焼けて痛々しい。

 

「ダメだよ、アオイ。……あなたはここで休んでいて。わたしが行こう」

 

「パンジャ……?」

 

 大きく目を見開いて、アオイは「まって」と子どものような小さな声で囁いた。

 

「バニィと一緒なら今のあなたよりマシだ。──でもね……アオイ、覚えていて欲しい。わたしは君にお願いされたから行くんじゃない。わたしは……過去のわたしに誓ったことを守っていたいだけなんだ。ただ、それだけなんだ」

 

 パンジャはボールホルダーを地面に落とす。そして水の張ったバケツに白衣を突っ込んでから袖を通した。冷たさが理性を研ぐ。熱さで鈍った思考力をもう一度だけ、素面に戻す。一呼吸あれば十分だった。

 

 独りだった時間が力をくれた。そして彼と過ごした時間が進む勇気をくれた。

 

(──さあ、行こう)

 

 あぁ、十分過ぎる。体には力が漲っていた。

 

 

◆ ◇ ◆

 

 

 

 あの時の気持ちは、今でも鮮明に思い出せる。

 

(恐怖は無かった)

 

 むしろ清々しい気分を感じていた。

 

(わたしは、初めて『呼吸した』思いさえしていたんだ……)

 

 自己犠牲に酔ってはいなかった。パンジャはどんな大火でも戻ってくる自信があった。『彼』の最期を見届けて戻ってくる心算だったし、実際のところできただろうと思う。

 

 パンジャはヒリつく手の皮膚を撫でた。この世で最も尊いものに触れるように。

 

(アオイに頼られるのは、どうしてだろう、とても誇らしい気持ちになる……)

 

 後悔は無い。後悔のしようがないのだ。

 パンジャは、あの時、迷いなく行動することができた。動けなかったアオイとは対照的だった。未練がない。

 

 それが彼女を加速させていた。

 

(この世界でもっとも信頼に足る友人の役に立てるのならば──わたしは、何も、こわくない)

 

 

 

◆ ◇ ◆

 

 

 

 休日、というのは時間の過ごし方が分からない。──なんてことを言うと仕事熱心に思われるだろうか。

 

 ライモンシティの喫茶店で彼らは駄弁っていた。彼女は水筒も持っているはずなのに、よく喫茶店でに行くことを好んだ。たしかに多くの喫茶店は雰囲気は良いし、音楽も素敵だ。だが彼女はコーヒーが飲めない喫茶店通になるには割と致命的な欠点をもっていた。まあ、そこがいいところでもあるんだが。

 

 オープンな傘の下でふたりは軽食をとる。

 

「ったくよぉ……なんだってんだい、俺たち」

 

「分からない。わたしもそろそろ何に対して意地を張ってるのか分からなくなってきたところだ」

 

 偽装カップル、という言葉が成立するのかどうか不明だが、コウタとパンジャの行っていることはそれだった。しかし、3人が座れる椅子を無意識に選んでしまうあたりパンジャは詰めが甘い。そしてそれをわざわざ指摘するほどコウタもお人好しではなく、野暮な男ではなかった。

 

「そういえばコウタは好きな人いるのか?」

 

「いまそれ聞くかよ……? 俺ってば休日返上してお前の彼氏(笑)を演じてやっているつもりだったんだが、それ聞いちゃ台無しだぜ」

 

「構わないさ。そろそろやめようかと思っている。ここ数ヶ月のアピールで十分だろう。あとは、ほら、倦怠期とかテキトウに言えばいい。というか想像させればいい」

 

「……まあ、俺としてはパンジャに頼まれてこういうことをしているわけだし? お前がそれでいいならそれでもいいけどさ」

 

「なんだ、わたしを心配してくれているのか?」

 

 くす、と笑ってパンジャは首を傾げた。彼女は休日にも関わらず白衣を着ていた。美人ではないが、じっと見つめるに耐えるほどには彼女の容姿は整っている。それが悪戯を覚えた子どものように笑う。つい本音をこぼすには、まっとうな理由だぜとコウタは思う。

 

「そりゃねぇ。いちおう、俺らって友達なワケだろう?」

 

「え?」

 

 彼女の驚いたような顔に、コウタこそ驚いた。

 

「え? ……え?」

 

「……まあ、冗談だが」

 

「おい待てこら。何が冗談だ笑えないぜ」

 

「ありがとう、と素直に言えないだけだ。気持ちとしてパフェの追加を注文しよう。さあ、雄弁に食べてくれたまえ」

 

「嬉しいぜ──とでも言うと思ったのかよ、糖尿でコロコロする気かよ。いらねーよ」

 

「では、お詫びに侘び寂びを送ろう。カントー名産の抹茶パフェを」

 

「普通の抹茶でいい。お茶のほうな」

 

「分かった。──すみません、オーダーの追加を。この『全てを過去にするグレートな抹茶パフェ』をひとつ」

 

「おい! お前、俺の話聞いて──」

 

「彼には水を。注文は以上だ」

 

「おうおう。いい性格してやがるぜ」

 

 口をへの字に曲げてコウタは悪態を吐いた。

 

「羨ましいのなら一口くらいわけてやっても構わないが、アオイには内緒にしてくれよ」

 

「くそっ。さっさと告白しちまえよ、お前。いらないっつーの! 俺に横取りの趣味は無いんだよ!」

 

 嫌そうな顔をしてコウタはすっかり時代に取り残されたモバイルを弄びはじめた。会話がなんとなく終わったのをきっかけにパンジャも懐から何かを取り出した。

 

 視界の端できらりと光る欠片にコウタは注意をひかれた。

 

「ん……? おい、それ何だ?」

 

「これか。実は私にも分からないんだ……。君は分かるか?」

 

 彼女は思案顔でその輝きを見ている。

 

(ん? なん……あ、あれは……っ──おい……!)

 

 コウタは、パンジャのグローブの中で光る金色の塊を見た時、ゾッとして背中に鳥肌が立ってしまった。分かってしまう。それが何なのか。少し考えただけで、もう分かってしまったのだ。

 

 つとめて平静を装い、何も知らないふりをする。

 

 我ながらここ最近で最高の演技だと思った。それもこれもここ数ヶ月、偽装彼氏を演じていた成果だ。もっとも彼女のための演技が彼女を欺いているのは皮肉であった。

 

 だが、確認をしなければならない。

 本当に彼女は気付いていないのだろうか? もしも気付いているのだとすれば? その上でこうしてカマをかけているのだとすれば? 

 

(いや、待てよ。カマをかけるってなぜ? 動機がないはずだ。いや、無いはずだろう? だって、それは俺にはどうしようもこうしようもない『部品』だ。使い途だってないはずだ)

 

 ツー、と冷や汗が滲む。

 しかし。

 もしや、の可能性にぶち当たりコウタは、やってきた水を一息に飲んだ。

 

(こいつ、俺が他の『部品』を持っていないのか疑っているのか? それなら理屈が通るが、研究所の部外者たる俺がどうやって他の『部品』を入手するというのだ? そもそもまだこの世界に『部品』としてでも存在しているのか?)

 

 ヤバイ。

 

 コウタは言葉の選択に時間がないことを悟る。パンジャの目はいつの間にかコウタを見ていた。言葉を待っているのだ。これ以上の沈黙は次の返答を雄弁に裏切る。

 

「誰かが落としたキーホルダーじゃねーの? 研究所の連中には聞いたか?」

 

「いや……聞いていない。わたしはこれを知っているはずなんだ。それなのに思い出せないのはなんだか苦しくて。これはわたしが思い出さないといけないことのような気がするんだ……」

 

 セーフ! セーフだ! こいつ、ほんとに分かってないんだ!

 

『分かっていない』ことが分かり、余裕ができると他にも気になることが出てきてしまった。

 

「……なあ、アオイにはその話したのか?」

 

「していないが。なぜ?」

 

「ほ、ほら、昔っからお前ら何か困りごとがあるとお互いに相談してただろ? だからさ。それにあいつ、定期的に連絡するって言っていたが、ほんとにしてんのかなーとも思って」

 

「彼から連絡は来たがこの話はしていない。後輩の育成に忙しそうなんだ……」

 

「そうか! 残念だったな!」

 

 よし! こっちもセーフだ!

 

(アオイにも知られていないっつーことは、このことはパンジャと俺しか知らない。だが、どうする? パンジャに正体を教えるか? 正当な『持ち主』はアオイになるべきだが、どうする? どうりゃいいんだ? このままパンジャが持っていて、どうしても思い出せない場合、きっといつかはアオイに相談するだろう。俺が先回りしてアオイに存在を教えるか? だが……いや、マズイか? これの存在をアオイが知るのは……もうアイツは歩き始めている。いまさら振り返ることは……いや、今だからいいのか? ちくしょう、分からないぜ!)

 

 どうすりゃいい?

 

 人が過去を振り返るのは相応しいタイミングがある。今がその時なのか?

 

 コウタは頭をぐるぐると動かす。

 

 アオイは、いつかこれの存在を知るべきだとコウタは思う。研究所での事故はひどい大火だったと聞いている。だからこそ彼は『彼』のことを『死んだ』ではなく『いなくなった』と言い続けているのだ。傍から聞けばどちらも存在の消失を意味する言葉だが、彼の中で複雑な感情の往来があるのは容易に想像出来る。──だからこそ、事実を確実な過去にする、これの存在は彼にとっても『彼』にとっても重要なもののはずだ。だが、劇薬であることも確かだ。

 

 そして問題は、最大の問題は、パンジャ──彼女だ。

 

(どうすればパンジャからあれを取り上げられるっていうんだよ?)

 

 パンジャが正体を知った結果、どうするのか検討が付かない。場合によっては壊すことだって躊躇わないかもしれない。彼女がアオイを思う気持ちは正真正銘の本物だ。でもアオイは何も知らない。彼女の真摯さ、誠実さ、情熱の温度──そして後ろ暗い衝動。コウタだけが知っていた。

 

(あ、あれ? ちょっとちょっとちょっとちょっと待ってくれよ)

 

 だからこそ。逆説的に紡がれる想像に、耳の奥でザァと血の気が引く音が盛大に聞こえた。幻聴だと思いたい。

 

(ま、待てって……!)

 

 もしも、パンジャがこれの正体に気付いた時、そして破壊に類似する行為に及んだ場合、もっとも危ないのはコウタ、俺自身ではないか?

 

 そして、彼女の性格からして壊す系の選択肢を取ることの方が確率上高い──気がする。

 

(おいおい、嘘だろ! ヤバイぜ……!)

 

 彼女は『無かったこと』にしたいはずだ。その時に『無かったこと』にしたはずのことを覚えている誰かがいたら……排除するのは当然だろう、俺だってそうする。

 

「どうした、コウタ」

 

「チョコパフェ追加でよろ」

 

「了解した。……すみません、追加の注文を」

 

 危うい。危うい。とても危うい。

 

 誰もの立場がそれぞれに相関していて危ない。誰かひとりでも選択肢を誤れば全員がしっちゃかめっちゃかになってしまう。もうみんながこれ以上ないほど精神的におかしくなっているのだ。これ以上、どうなってもたまらない。コウタはきっとノボリの二の舞だ。重ねておいしいのは『つるぎのまい』だけで十分なのだ。

 

「あんまり考え過ぎんなよ。俺が細々したことを考えるのは苦手なんでね。パスパス。──部品あわせは他の奴とやってくれよ」

 

「……ああ。……そう、させて……。……もらおう、か、な……」

 

「腹冷やした。トイレ行ってくる」

 

 もう黙っていってくれないかな。

 

 パンジャがデリカシーの無さを嘆き、それっきり会話は途切れた。

 

 席を立ったコウタはトイレに駆け込む。鏡の中の自分は引き攣った顔を両手で覆っていた。

 

「マジかよ」

 

 鏡の中のコウタは言う。

 

「俺だって、俺だってなァ、アイツがマジモンのアレな奴だとは思わないぜ……!」

 

 まったく、クレイジー。

 

 笑えない。冗談にならない。二重の意味でコウタはうろうろと視線を惑わせた。さしこむような腹痛があったのだ。

 




【 全然 読まなくても 大丈夫な あとがき 】

 小説を書き始める時、恋愛をどうするかを考えました。
 アオイとパンジャであったり、コウタとパンジャであったり、まあプロットにもならない妄想の範疇でしたが、なんかこう違うなぁ、という違和感が消えず、結果として「俺は書きたいものを書くぞー!」ということに落ち着きプロットをひとまず完成させたワケですが、意外と後悔はしていないです。書きたいテーマではあるのですが、今のところこの作品には似合わないような気がしています。うーん、詰めすぎるのはよくないのかもしれませんね。 

 さて、パンジャがアオイに執着する理由がすこしだけ触れられました。


没台詞「パンジャ! お願いだ……お願いだと言っているだろう? この私の! 一生の一度のお願いを使っているんだぞ!」

 よっぽど言わせようかと思いましたが……アオイがイッちゃっているように見えたので修正いたしました。いえ、そうでなくともイッちゃっているんですが。

作中、面白かったもの、興味深かったものを教えてください。

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  • 世界観
  • 文章表現
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