「マジで腹壊してるとは思わなかったぜ……はぁ。おい、パンジャ?」
「…………ああ、すまない。すこしボーッとしていたよ。ここのところ暑いせいだろうか。それでコウタ、注文はどうする? パフェのおかわりか? それともコーヒーを?」
パンジャは手袋をはめた手で額を撫でた。──これは彼女の合図だ。彼女自身さえ気付いていない手癖。しかも、あまり良い意味ではない。
「こちとら腹壊してんだよ、要らん。つーかチョコパフェ食われてるし。おい、お前、それはどうしたんだ」
コウタはそう言ってパンジャの手袋の下にある分厚い書籍を指さした。
「これか。これは……ただの図鑑だ」
「ハァッ? はっはっはー、研究者が今さら勉強かい?」
おいおい、どっから沸いて出てきやがった?
コウタはさりげなく首を回すふりをして周囲を見つめる。奇妙な髪型の白衣姿がちらりと視界の端に映ったが、それよりもパンジャが咳払いしたことに注意を奪われた。
「んんっ。コウタ」
「お、おう。なんだい」
パンジャはゆっくりと手袋を噛み、ぶつぶつと「そうだ。そうさ。そうだとも」と呟いた。
「──食べないのなら外を歩こう。ちょうど……行きたいところがあるんだ」
◆ ◇ ◇
真昼の裏路地は汚れていた。それでも普段コウタが暮らしている地下よりも明るい。
じりじりと夏の気配を感じる。深い森林とは別種の鬱々とした雰囲気が漂うここは地下とどちらがマシだろうか。
そして、背後に視線を感じる。鋭く刺す、棘じみた視線だった。
「やっぱ地上は暑いな……」
「コウタ」
「なんだよ。…………なんのつもりなんだぜ?」
名前を呼ばれて立ち止まった。
彼女は、もうとっくに足を止めていた。
「おいおい、なんで脚とめてるんだ? パンジャが言ったんだぜ? こっちが近道だって」
「ああ、わたしにとっての近道だ。君にとってはどうかは知らないな」
「はぁ? なに言っているんだ? 公園に行くんだろう? それなら道は一緒だろ?」
「道は既に違えたさ。さっき、いや、とっくの昔から? まぁいい。我々とは目的地が違うんだ。当然のことだった」
「あぁん?」
話が噛み合わない。
「──お前、さっきから電波ってるぞ。何を言っているんだ?」
コウタはポケットに突っ込んだままだった手を出した。頭の上で指をくるくる回して彼女をからかう。もちろん彼女はピクリとも笑わなかった。
(なんだこいつ。なに考えてる?)
嫌な予感がする。
ヤバイ。これはヤバイ。何がヤバイって、アイツが知っていて俺が知らないことがあることがヤバイ。トイレに行くまで情報の有利は俺にあったはずだ。
(パンジャは確信している!)──そんな確信こそが彼女の手の中で輝く塊を見たコウタの頭の中を巡った。
あの金色の塊の正体が、アオイとパンジャの未来を決定付けてしまう『運命』の代物だと彼女はもう気付いている。
だがコウタがトイレに立つまで知らなかったはずだ。彼女は知らなかったはずなのだ!
知ったとしたら、気付いたとしたら、それは、彼女が腕に抱えている物体のせいに違いない。
あの、図鑑だ。
(あーっ、ちくしょう! 誰? 誰だ? 誰なんだ? パンジャにポケモン図鑑なんてふざけた致命傷を与えやがった、まるでクソ野郎っていうクソ野郎はよ!)
その頃、パンジャはゆっくり、しかし油断無く歩き始めていた。水筒を手にして。
「その顔だ。その顔がわたしをどうしようもなく苛立たせる。なあ、君──気付いたな? いいや、違うね? 初めて見せた時には、もう気付いていたんだろう? それなのに今だって君は知らないフリをしている。冗談だとか、嘘だとか、勘違いだとか、わたしを騙したくて知恵を絞っているんだろう。わたしに不利を与えたな」
「お、おい、待てよ! な、な、何の話か、俺は……さっぱり分からないぜ!」
彼女の背後にふわりと寄り添ったバニプッチにコウタはヒクリと口端を上げた。
「とぼけるなよ! そして許さないぞ! わたしの友に対する姿勢を君は知っているはずだ。わたしの知識、技術、そして命は友のためにある! 仲良くお手々繋いで何となくの友達ごっこしている連中とは違うんだよ! わたしの友情は相互の実利のためにある!」
彼女の目がキリリと吊り上がる。彼女の最も敏感な琴線に最悪の形で接触したことをコウタは痛感した。
「…………」
ダメだ。コウタは歯噛みすることさえしなかった。
もう嘘は使えない。もはやダメだ。完全に、彼女は気付いてしまっている。
「……くそっ。ここまでかよ」
そういう形でしか友達を作れず、友情を感じられない彼女のことは、もう理解している。
そういう形でしか友情を感じられず、友達として扱えない彼のことも、分かっている。
分かっているのだ。『打算』とか『心算』とか『功利』とかそういうものが無いと安心できない連中だと言うことは、とっくの昔に。
だからこそ。
(ああ、そうかい。そうかい。そういう『つもり』かよ)
言ってしまおう。今まで思っていたこと、一切合切を伝えてしまおう。コールだ。
(カントーじゃあ、こう言うんだろ──)
「ああ、そうさ! 『ここで会ったが百年目』!」
コウタは指先を彼女に向けた。
「──好き勝手に言いやがるぜ! ああぁ!? 俺がそれの正体を教えることで何か変わるのかよ!?」
コウタは夏の陽炎、コンクリートの陰に現れる蒙昧を振り払うように腕を振った。
「死んだ奴はどうやったって、何をしたって、戻ってこないんだぜ!? それなのにお前らときたら何だって言うんだ!? 『いなくなった』だなんて自然消滅したような言い方をしやがって! 手前勝手に蒸発したようなこと言って死者を愚弄するんじゃねえよ!」
自らを奮い立たせるように、コウタは叫ぶ。
「お前らにできることはただひとつ! それを持ってタワーオブヘブンに行って鐘を鳴らすことだけだ! 今すぐそうしろ! そうすべきなんだよ! お前らのために! 『彼』のためにも!」
頼むからそうしてくれ、とは口が裂けても言えない。
金色に輝く希望をちらつかされるだけで『現状に満足できる』はずのコウタでさえその未来が欲しくなってしまうから。
「埋めちまいな、未来ごと! 『見なかった』ものが『無かった』ことになるように! 未来の残骸は冷たい土のなかにあるべきだなんぜ!」
感情が言葉に滲んでしまったからだろうか。
パンジャはコウタが捨てた蒙昧を掴み、明確な形を与えた。
「いいや、違うね! わたしはこれで友に応えよう、彼の夢に忠実に在ろう! わたしは『我々』の夢の体現者!」
パンジャはキラキラと輝いた笑みを浮かべて手を振りかざした。彼女の目には希望が映っていた。恍惚に顔を綻ばせ次にコウタを見た時は狂的な笑みを深めた。この時になってコウタは思った。──もしかして(喫茶店でテキトーなことを言って壊す系の選択肢を選ばせた方がマシだったんじゃね?)と。
しかし、現実は非情であり結果論しか残さない。
コウタは声の限りで叫んだ。
「ああああァァッ! こンのあったまでっかちのすっとこどっこいめ! さっさとそれをよこしな! そうでなきゃ、お前は誰かに必要とされたいだけの寂しがり屋だぜ!」
パンジャは怯まない。
一瞬の逡巡もなかったことが、対峙するコウタを怯ませた。
「ふッふはっはっはははァッ! 肝心な時に何もできなかった負け犬が、大きな口を叩くんじゃないっ! 君はわたしを羨ましいと思っている。『ある』かもしれない可能性を『できる』かもしれない確率まで引き上げるわたしのことを妬ましいと思っているんだろう!」
「は、はぁ!? なーに言ってんだよ!? 俺はお前を哀れんだことはあっても、羨んだことなんてないぜ!」
そのはずだとコウタは思う。自分を信じる。もしかしたら、など考えたことは無い。無いはずだ。
一瞬、自失したコウタは我に返り気付く。彼女のボールホルダーからボールが消えた。
(いッ! マズイ)
コウタもボールに手を伸ばしかけ──しかし戸惑った。
「いつまで意地を張っていられるか見物だな。──分からないか? 『蘇らせる』という技術の革新性。彼の失敗も、君の失敗も、彼女の失敗も、どんなマイナスだってプラスになる。ゼロじゃない、プラスになるんだ! 何もかもが生き返るッ! 賛頌せよ、科学の力は素晴らしい!」
「ンなことあるかッ! くそっ! あってたまるかよ! ……なぁ、お前はマジで自分が何を言っているのか理解できてるか? とんでもないことを口走ってるんだぜ? 少なくとも正気の沙汰とは思えない……ッ!」
「わたしは現実的な手段でもってこの問題を解決する。君は、黙って指を咥えていればいい。ああ、そうさ……。咥えて見ていろッ! 涎でも垂らしながらなッ! ──何者にも、わたしの邪魔はさせないぞ! さあ、障碍物だ! 切り刻んでみようかッ!」
ボールから現れたのは、眼光鋭いニューラとフリージオだ。そして、常に彼女の周りを浮遊しているバニプッチ──彼らが、氷タイプで統一された彼女の総力だ。そして、それが何を意味するか。
「物事には優先順位というものがある」
コウタの手持ちは、あいにくのところ抵抗が難しいだろう。相性の問題ではない。フィールドワークに外へ出あることが多い彼女の手持ちはレベルが高い。
彼女は語る。
「仕事ではとても大切なものだ。わたしは締め切りのあるものは先回りのように早め早めに取り組むタイプだ。だって嫌だろう? 後ろから常に追われているような気分になる。何か後ろ暗いことや悪いこともしているわけではないのにそんな気分になるのはとても最悪だ。とてもとても最悪だ」
「…………」
こちらの手持ちは、スコルピ、チョロネコ。
パンジャは、ゆるりと滑らかに肢体を伸ばした。まるでチョロネコが伸びをするようなしなやかさだった。
「君はわたしの友達だが、その最悪に成り下がったな。嗚呼、どうしてだろう。感傷的な感情が止まらない。ところで君は山が好きだったかな? 海が好きだったかな? できるだけ希望に添いたいと思っているのだがなにぶん女の細腕なものでもしかしたらより労力の少ない海になるかもしれない。あ、いけない。研究者が『かもしれない』なんて言ってはいけないな。アオイに怒られてしまう。君の進路は『土曜日に車に油を詰め忘れた』ので『海だ』。いいぞ。冴えてる。シンプルにいこう。大丈夫だ。わたしは冷たい人間ではいられないようなので君のポケモンも一緒だ。仲間はずれはいけないな。そう、わたしだって仲間はずれは寂しい」
「おっと、こいつァはクレイジーだぜ……」
できるだけ内容を頭にいれないようにしながらコウタは説得の機会をうかがう。これからの予定を自己評価するのは彼女なりのセルフメンタルケアなのだろう。彼女の心が罪で壊れてしまわないように自分を納得させているのだ。……どういう理屈なのかは友人だからこそ知りたくないが。
ひとしきり言った後で彼女は、ほんのすこしだけ──これまで休日を一緒に過ごしてきた彼だから分かる複雑さで「悲しみ」の表情を作った。それは他人には笑みに見えたかもしれない。だが、微かに開いた薄い唇が次の瞬間には噛みしめられ、そして手袋に包まれた指先が瞼に触れる。やがて開かれた。
「──科学は前進する。わたしは前進する。孤独は無いさ。アオイの夢と共に往こう。知の地平線まで! 彼ができなかったことをわたしが果たそう!」
「バカがッ! とことんぶん殴って正気に戻してやるぜ! スコルピ!」
これば『まとも』なバトルではない。相手が動かなくなるまで行われる戦いだ。
「ニューラ、みだれひっかき!」
『ならば』とコウタは思った。
(──うるせえ、殴ってやる)
まずパンジャは悪手を打った。
人間の注意には限度がある。限度のある一定量を目の前の物事に割り振っているのだ。ニューラの動向、待機させたフリージオの運用、スコルピの抵抗──戦力的優位にいる彼女は今こそ先手先手を考えている頃だろう。
そのため最も注意を払われるべき対象に彼女の関心は薄くなっている。コウタはスコルピさえ追い越して、とび出した。他のポケモンには目もくれず、ただ直線的に走る。直情的な行動にパンジャの反応が鈍る。
「っ……うっ!?」
「歯ァ食いしばりなあっ!」
「なにッ! くぅ……ッ!」
彼女の反応は遅れた。それでも咄嗟にガードに動いた左腕を躱し、コウタは握りしめた拳を横面めがけて振り抜く。ふら、と彼女の足下が不安定になる。
(今だぜ!)
ずっと握られたままだった彼女の右手にあるであろう──『彼』の欠片を奪う機会は今しかない! 手袋ごと引きちぎるようにコウタはそれを取った。
「はぁッ!? なあああいッ?」
思わず呻く。手袋の中には硬い感触が無い。どこだ。どこに隠しやがった? パンジャを見つめる。しかし。
「ッ!」
瞬間。フッと鋭い呼気。
手袋に気をとられているうちに彼女のブーツが目の前にあった。すぐさま手袋を掴んだままだった右手で受け止める。首に狙い澄ました蹴りが危うくまっとうに入るところだった。視界の隅に、彼女の左手が見えた。彼女は逆の手に金色の塊を握っていた。今思えば分かりやすいフェイクだったじゃないか。コウタは思う。ずっと手を握っているだなんて、分かりやすい。いかにもここにもありますよ、とでも言いたげな仕草だ。
(ガセを掴ませられた新聞記者ってこんな気持かもしれないぜ……!)
そんなことを一瞬だけ思った。
そして、追撃。赤黒い何かが目の前に迫り頬骨を思い切り殴りつけた。
何に殴られたのか。柔らかく温かい──何か。勢いと痛みに仰け反りながらその正体が分かった時、コウタは頭が真っ白になった。
不意にスクール時代の彼女の生白い肌を思い出す。
あれから彼女は、いや、俺たち3人は、どれほど遠く離れてしまっただろうか。
いつからだ? すれ違いをはじめたのは……。
(どうしてこんなことになっているんだ? こんなザマ。こんな現状)
ぐわんと揺れる視界でコウタは思う。
あの日、あの時、思い描いた未来は、明るくはなかった。
でも決してこんな泥沼ではなかったはずだ。こんなザマではなかったはずだ。こんな現状とは違うはずだ。お互いに傷付け合って、秘密ばかりで身動きがとれない。言えないことが増え過ぎて何も言い出せない。
(──お願いだ。頼むぜ。最初からだなんて言わないでくれって)
この友情は、そう、最初からすこしだけ他よりも歪だった。けれど、確かにあった友情を俺の勘違いにしないでくれ。現状に満足できるはずの人間は柄にもなく願った。
彼女の、現実に触れて焼けた手指がそこにあった。心臓のあたり、白衣を掴んで彼女は吼える。
「これが、わたしの覚悟だッ!」
きっと彼女は本当にそう感じているのだろう。緑色の綺麗な瞳が歪む。
「彼のためならあと99回体を焼かれても構わない! わたしは選んだぞッ! そしてあの照明燈下に立った日から選び続けているッ! 誰にも邪魔されてなるものかッ! 邪魔するなら君も敵だッ! アオイの親友だろうと容赦はしないッ!」
夢のために戦う彼女は強かった。
腕っ節ではない。心が強かった。
しかし。
(なんつー顔してんだよ……)
どうして彼女はこんなにも苦しく、泣きそうな顔をしているのだろう。
そして、コウタは気付く。だから彼女の温もりが残る手袋を握った。
(……ああ、コイツも苦しいのか)
自分たちは現状と夢の狭間で多くのものを一度に失った。誰も彼もが苦しんで、もがいている。
(その結果がこのザマなのか)
ふたりはとうに失ったはずのものを探して争っていた。だが、笑うことはできない。
彼女は彼女なりのやり方、それも恐ろしく彼女らしい『破壊的な』方法でもって現状からの脱出を試みているのだ。
ひたり。まるで導かれたかのように目があう。彼女は北方の海底と似た色をしていた。この時、彼女の本心に隣り合う狂気と話しているのだとコウタは感じた。
「いまアオイは『人生』を賭け心の修復をしているのだろう」
静かに彼女は言った。その顔は路地を向いていた。なぜその方角なのか。コウタには分かった。その先にアオイがいるのだ。
壁に向かい、彼女は真剣に。誠実に。目を背けたくほど神経質に心を張りつめさせていた。
「わたしでも彼がどうなるか分からない。彼は『帰ってくるのか』という問いに頷いたが、あれは嘘を吐く時の目だった。いま彼の命はとても軽くなっている。ひとくち吹けば消し飛ぶ焔だ。それは君もよく知っているだろう」
「おう……」
庭まで作ったから収穫までは大丈夫だぜ。
そんなことを言うべきかどうかコウタは瞬きもしない彼女を見て、迷った。
「もしも何かがあったのなら彼は今度こそ躊躇いなく命を投げ出す」
「な、なにが言いたいんだ。あいつはそう簡単に死にゃあしないぜ」
断定的に言われるとコウタは居心地が悪い。咄嗟に言葉が口をついた。彼女は肯定する。
「自分のためには、そうだろう。でも、誰かのためなら? それがポケモンのためなら? 綺麗で素敵な理由があるのならそれに魅入られないと、なぜ考えられないんだ」
「……そんなわけ」
ないだろう。とは言えない。
彼は他者の好意をうまく受け取れない。それは彼の本質が『与える側』の人間であるからだと彼らは薄々気付いていた。だから彼の隣は居心地がいいのだ、と。
無私の奉仕は、美しいものだ。心が満たされる。
パンジャは心にも思っていなさそうなことを言ってアオイを評価した。
だからこそ彼は簡単に自分の命さえ他のものにあげてしまって満足してしまうのだろう、とも。
「時間が無い」
ぽつり。パンジャが言った。
その視線の先にはきっとアオイがいるはずなのに、彼女の目はまるで仇でも見るかのように硬質で冷たい。
「コウタ、分かるだろう? 時間が無い。猶予も無い。誰にも見えない砂時計がひっくり返された。この意味が分かるか?」
彼女が焼けた指で額を撫でた。
ただ、目だけはコウタを捉えている。
「彼が重大な決断を下す前に研究を終わらせる。──これは賭だ! どちらが早いか。次は誰が心を失うか! 既に彼の人生は投じられた! わたしは……だからこそ『人間性』を賭けたッ! さあ、君はどうする? 何のために、何を賭ける?」
「うるせえッ! 俺には関係ねえよッ! 止めてやる! どこにもいけないくらいになッ!」
ニューラの『こおりのつぶて』が飛びこんできて、コウタは伏せる。ちょうど蹴りやすくなったところで思い切りパンジャが脚を振りかぶるのが見えて、コウタは薄暗い裏路地を転がる。
互いの主人を庇うように、ふたりの間に割り込んだニューラとスコルピが鋭い爪を交わした。
「……『ぶん殴って正気に戻してやる』なんて言うもんじゃあないな」
コウタは膝をついて立ち上がる。
「殴ってから言うのか。ふっ。そうとも。なぜならわたしはいたって正気なのだ──」
「そういう意味じゃない。まるでワルモノみたいな言い方をしちまうのを反省したのさ。こういう時は、こういうべきなんだろうな!」
コウタは、パンジャを見つめ指を立てた。
「俺の名前はコウタ・トウマ! 親友の心の平穏と友の魂の安らぎのために、いま! 人道を踏み外した親友を正そう! 覚悟しな、武闘派インテリめ! そら、安全運転、出発進行だぜ!」
うぅぅ、と低い呻き声。パンジャは耳の先まで朱に染めた。
両腕で身を抱き、彼女は声の限りで叫んだ。
「があああぁぁッ! 正義漢を気取るなよっ! それとも男同士の友情だとでもほざくのか!? ああ、そうかッ! 好きなだけほざくがいいさッ! 妄想に溺死しろ! だから男は嫌いなんだッ! わたしをナメるなよッ! 質実剛健! 文武両道! 直線一気ッ! 人道を保って革新が生まれるかっ! 否! それは断じて否だ!」
パンジャが指を鳴らし、呼応してニューラが再び攻勢を取る。コウタも「いくぜッ!」と啖呵を切った。ツ、と撫でるように通り過ぎた冷や汗は気のせいだと思いたい。
ここは、バトルトレインではない。統一レベルによる個体値の優劣が限りなく排除された状況において最も重要となるのは練度、すなわちレベルだ。パンジャにとってのアッタカーたるニューラ。一方でコウタのスコルピは進化レベルさえ遠い。だからこそ、堪え忍んで攻撃という定石の戦法はできない。
狙うは、急所。
(時間稼ぎは限界だぜッ!)
コウタはサッと足下のスコルピを見る。すでに「つめとぎ」を完了したスコルピが油断なくニューラを睨んでいた。その目は決して敗北の恐怖に緩んでいない。
「機動力を奪う! ニューラ、『こおりのつぶて』!」
「スコルピ、避けろ! 『つじぎり』かましてやりな!」
ニューラはパンジャの期待に気負い過ぎたのだろうか。スコルピが狙いすぎの『こおりのつぶて』を避けることは容易い。後攻の利があった。きっと一度だけのチャンス、しかし十分だった。最高のタイミングでニューラにカウンター気味の『つじぎり』が炸裂し、ニューラの足がふらつく。ダメージはデカい。なによりアタッカーを鼻折られた形になった心理的ダメージはさらにデカい──はずだ。
「フリージオ、リフレクター!」
薄い光がぼんやり立ちはだかる。物理攻撃を軽減する防御壁だ。
(……チッ、組み立てるつもりだ)
ペースにハマってしまう。
それはさせない。
「よし、逃げる!」
「いいや、逃がさない!」
コウタは裏路地を抜け、さらに細い路地にとびこむ。スコルピがシャカシャカと器用についてきていることを確認する。生ゴミのバケツをひっくり返しながらライモンのどこかの通りに出た。
「ここは……!」
川の音。
橋を渡ればすぐにバトルサブウェイだ。これは最高にラッキー! 大きな通りに出た。
血相を変えて路地から出てきたコウタに衆目が集まる。「見てんじゃねえ!」と叫びたい気持ちを抑え、スコルピにさらに『つめとぎ』を頼んでおく。
路地を見つめていると、空から『れいとうビーム』が降ってきた。
「うわッ!」
「逃がさないと言っただろう……! そう……執念深さだけがわたしの取り得なんだ……!」
「お、お前なぁ、そういう情熱は、もっと別なところに使うべきだぜ……」
路地から出てきたパンジャはすでに人をひとり殺したような顔をしていた。まさか本当にしちゃいないとは思うが、それほどの気迫だ。
機械音のような鳴き声に見上げればフリージオがカチカチと音を鳴らしながらコウタを狙っていた。フリージオは防御ではなく攻勢に使う戦略に変えたようだ。
しかし。
一息吐いたパンジャが、妙に高い声を出した。
「──この浮気者!」
「はあっ? な、なにを言っているんだぜ?」
「──わたしが気付いていないと思っているのか!」
「な、なにぃっ!?」
「──あの女とのやりとりは何なのよ!」
「な、なんだってーッ!?」
「──卑怯者!」
「だ、だから、何のことだ、急に──あいぃいっ!?」
コウタはここで衆目の冷たさに気付く。侮蔑。侮蔑。侮蔑。侮蔑。どこを見てもそれだ。
「嘘だろ……」
そして主題が絶望的にすり替えられたことにも。
(コイツ──やりやがったな!)
パンジャは決してバカではない。ブーツのつま先にカップ麺のカラを引っかけて路地から出てきても、舌打ちをしながらもそれをルールに従い近くのゴミ箱に叩き付ける勢いでぶち込んだとしても、愚者ではなかった。
彼女は自分に『できる』こと、『できない』ことの境をよく知った人間だった。そして自分の言動が誰にどんな影響を及ぼすのか最適を弾ける頭を持ち合わせていた。ただし、その能力はこれまで他者とのコミュニケーションが苦手なアオイのために使われていため目の当たりにすることは少ないものだったが──現状を見ると分かりやすい。他者を貶めることさえ彼女には簡単なことだった。
(おい次は「痴漢です!」なんて叫ぶんじゃないだろうな! やめろ! やめろよ!)
コウタは焦る。何が最善か。とにかく今はそれが問題だ。
スコルピに攻撃させるか? それとも衆目の中をさらに人気のない方に走るほうがいいのか? いや、人がいないところに行くのはマズイのか?
まさか周囲の彼らはここでコウタとパンジャが人生を懸けた信念のぶつかりあいをしているとは思っていないだろう。彼らはきっとこう思っている。──『あの男女は痴話喧嘩のまっただ中で、男はしらばっくれているらしい』とか。
大通りまで出れば人目を気にして彼女も派手な手段をとらないだろう。そう思っていたコウタは救いを目前に白黒盤をひっくり返された。これでふたりが大騒ぎしても『おかしくない』大義名分ができてしまった。
パンジャは勝ち誇った笑みを浮かべ──てはいなかった。手袋を奪われた手をかばうように握り、逆の手で隠していた。
不機嫌でムスっとした顔で命じる。
「フリージオ、『しろいきり』、バニプッチ『あられ』、ニューラ『こおりのつぶて』だ」
ヤバイ。
(詰んだ……!)
しかし、コウタの思う結果にはならなかった。フリージオが一帯に撒いた白霧に視界が奪われる。衆目からは小さな悲鳴が上がった。頭や手にパチパチと当たる小さな氷の粒、これは霰だった。スコルピの姿を探すと氷礫が当たったのか、ぐったりしていた。
視界を奪う霧に注意力を奪う霰、戦力を奪った礫。間違いない。パンジャは──。
「アイツ……!」
逃げやがった。
白い霧が晴れた時、サブウェイへ行く橋を走っていく彼女が見えた。
「待ちやがれ……おい、パンジャ、テメエ。逃げるんじゃねえよ……!」
コウタも走る。スコルピを抱え、人混みをかきわけ、これ以上無いという加速をみせ、やがて橋の欄干に手をついた。橋の真ん中で振り返った彼女と視線が交錯した。彼女はもう何の感情も浮かべていない。
「……君、本気ではないな」
「なんだと?」
「わたしを本気で止めるつもりがないということだ。もうひとつのボールにいるチョロネコを出すそぶりもない。君はわたしを殴るより先に関節技でもきめるべきだったな」
彼女は焦げた指で自分の頬を撫でた。コウタは一歩だけ踏み出す。
「動くな。次の一歩は容赦しない。フリージオの『ぜったいれいど』が炸裂するぞ。わたしのフリージオは『せっかち』なんだ。分かるだろう?」
「ああ、分かったぜ。お前も本気じゃないってことがな。わざわざ警告しやがって。なんのつもりだ? 今さら俺に惚れたなんてバカ言うなよ」
「君に情を移したわけではない。君は『アオイには言えない』から、わたしが口止めする必要がなくなっただけだ」
「はぁ? んなわけないだろ。『お前の親友がトチ狂ってるぜ』の一言がなんで言えないと思うんだ?」
「君がわたしと同じように、アオイの親友だからだ」
「それこそバカなこと言うなよ。俺たちゃ思ったことはすっかり言うタイプだぜ」
「いいや、言えないね。君は優しい。わたしと同じように彼を傷付けることはできない」
「……。お、おい……!」
わたしと同じように。その言葉が引っかかる。コイツは今、自分が何をしようとしているのか、それがアオイに何を及ぼすのかを正しく価値を認識している発言をしたぞ。──アオイを傷付ける、と。
おい、とコウタは呟くほどの声でパンジャを呼んだ。
「……お前、ほんとは分かっているんだろう!? 何をやったってホントは無駄なんだって! ダメなんだよ。人の心っていうのは科学じゃない。自分でやるしかない、悲しいことも苦しいことも……自分で納得するしかないんだ。俺だってお前だってアイツだって……みんな、そうだ」
「そうだな」
パンジャの言葉に自然と下がっていた目を上げた。肯定の言葉。
それを真実だと思いたい。思いたかった。
「そうさ。そうだとも。『自分でやるしかない』とみんなが思っている」
だからこそ。
パンジャは焦げた手指をかたく握りしめた。
「わたしがやるんだ! 墓の下に埋められる以外の選択肢をわたしが作ってやる!」
「──この野郎! 待てよ!」
コウタは感情的に一歩を踏み出す。弾かれたようにフリージオが予告通りの『ぜったいれいど』を放った。
「マズッ──」
あ、俺、ヤバイ。
コウタは既に踏み出している。体重の移行は限りなく前方に寄っている。避けられない、宣言通りだ。直撃コース。咄嗟にガードに上げた腕からスコルピがするりと抜ける。賢いな、いいぞ、逃げろ。おい、ちょ、待て、逃げてくれ!
しかし、スコルピはコウタの願いに反し彼とフリージオの間に飛び出す。スコルピが凍り付いて弾き飛んだ。
「スコルピ、おいっ! ──くそ、パンジャ!」
パンジャは結果を見ることなく橋から飛び降りていた。水音はしない。
欄干から身を乗り出して橋下を見る。彼女は、川のなかに作り出した氷柱に器用に乗っているところだった。
「お、おい……待てよ、この野郎……おい、ざけんなよ……おい……おいッ! 逃げるのか!? パンジャ! 落とし前つけていけよ……! 俺から逃げんじゃねえッ!」
「いいや、違う」
ピンと背筋を張って彼女は言った。そして。
「勝つのさ」
完全にパンジャに気をとられた。次の瞬間に気付く。
(……ッ! ニューラがいねえ!)
パンジャのいる氷柱にもいない。どこにも──。
鋭い視線を感じて振り向く。突進じみた勢いで、すでに最高スピードに達したニューラがいた。とっさに顔を庇う。指先に痛みを感じた。
「んぐッ!」
咄嗟に手袋を掴んでいた手を離す。ニューラは宙でそれを掴み、宙に浮いているフリージオを飛び台にパンジャのいる氷柱に立った。
「──ま、待てよ……おい、パンジャ!」
「いいや、待たないよ。賭に勝つ。彼の望む先へわたしが往こう。それこそ、わたしが『パンジャ・カレン』であるために必要になんだ」
「なに……言ってんだよ……ふふ、ふふっふひひひ……あああああァッ! ふざけんなよ! テメエ! 分かるように言えよ! この野郎! 好き勝手言いやがって! 手前勝手で納得してんじゃねえよ!」
コウタは欄干を殴りつけた。もちろん手が痛い。だが、もっと別のところが痛かった。痛くて痛くて堪らなかった。
遠くから、キュ、という歪な肌を滑る化学繊維の音が遠くに聞こえた気がした。
欄干を握りしめて、コウタは力無く座り込んだ。パッと見開かれた瞳からボタボタと涙が零れ落ちていた。
「なんでだよ……なんで、なんで、そんなバカなことを考えるんだよ……お前ら頭がいいんだろ……頭が良いならそれらしい解決をしやがれよ……。生き返らせるとか、まず無理だろ。そこんとこ分かれよ、わかれよぉ……」
コウタは動けないままでいるスコルピをボールに戻し、ポケットからモバイルを取り出した。
だが。
やがて晴れ晴れとした笑みを浮かべ、不吉に「ひひッ」と引き攣った声を漏らした。
「──だがな、たった今からお前の予想ってのをぶっ飛ばしてやるよ。ああ、そうだやってやる、やってやるよ、完全にやってやるぜ。俺がアオイに言えないだ? この俺を甘く見てんじゃねえ。俺が『現状に満足できる人間』っていう大本質を忘れてるのかよ」
コウタは言う。彼が彼らの友人なりえた理由の一つだった。
「俺はたとえひとりでも孤独を感じずに生きていけるんだぜ」
なぜなら『現状に満足できる』から。
もちろん、友情を感じることができる。
友達がいればそれで嬉しい。相談できる人がいれば人並みに安心もするし、頼りもする。
けれど、それらを永遠に失ったからといって再起不能に悲しむことはないしどうしても悲しめない。やはりその日の夕飯が不味くなるだけだ。彼の心は人生に起きるどんな起承転結も、その程度で済んでしまうのだ。それが特別だとは思わない。まして不幸だなんて考えたことすらない。
コウタは現状に満足していて、その満足感こそが自分の幸福であると正しく理解している等身大の人間だった。
だから。
アオイの希望を踏みにじろうとパンジャの思惑を木っ端みじんにしようと別次元で幸せになれる。──そうした確信があった。そして彼は自身の幸福という最大問題に対しては容易に理性で囲った善悪を超越してしまう。
パンジャが見つけ、持ち去った金色の塊。
その正体は『部品』。
そして、アオイが大切に思っていた『彼』の地上に唯一存在している遺骸だ。
それが無いせいでアオイはいつまで経っても『いなくなった』と言い、踏ん切りが付けられてない。口では何度だって踏ん切りの話をするけれど、彼の脚は止まっていた。
そして何より彼は一度だって魂が登る塔、タワーオブヘブンに行っていない。……まあ、情熱はもう埋めてしまったつもりかもしれないけれど。
だが。
キッカケがあればどうにかなるっていうなら、俺が作ってやるよ。
(コールだ……! どいつもこいつも腹の中ぶちまけなッ!)
凶悪に嗤ってコウタはボタンを押し込んだ。
【絶対読まなくてもダイジョーブなあとがき】
物語をギコギコと動かしていきます。ハァ……ギィーコー、ギィーコー、プッツン。
作中がアレ過ぎてあとがきが困るようになってきました。
コウタの原型は、箱庭系物語の原案そのものを擬人化したものです。そういう『現状満足型人間』と設定した際、もっとも困難なことは箱船のような人間ができあがってしまったということです。他者からの影響がもっとも少なく、必要としない性質を持っているのですから、小説としては絡ませにくくて仕方がない。
性質上、自分の「幸せ」というものがごく低い位置に、しかも柔軟に設定されているために簡単に幸せになってしまっている。しかもその幸せが自分にとっての最善で取り得る最大の最高を得ているという自覚をしている、という効率の良さ。常に「最ッ高にハイッだぜ!」という感じではないですが、まあ「エブリディーハッピー」という仕組み。
彼は常に幸せで現状に満足できています。彼にとっては交友関係が途切れても暇つぶしの手段がひとつ無くして「暇だなぁ」と思うことはある程度なカンジ。
誰とでも友達になれるくらいのコミュニケーション能力の高さは、幸せを追求する労力が無いせいで他の人よりも潜在的な心の余裕があるからちょっと遠いところにいるため『人がよく見える』という設定があったりします。
コウタ「幸せになりたいんだろう? 現状に満足できれば幸せになれるんだぜ? なのに何でお前は現状に満足できないんだよ。幸せになりたいってのは嘘なのか? 頑張れよ、本気になれよ、お前ならできるぜっ!」
アオイ「現状に満足したら未来を生きられないだろう。……君こそ頭は大丈夫か」
コウタ「うーん、噛み合わない」
アオイ「そうだな。根本が違うな」
ふたりはお互いに違いを認めながら友達をしているのです。
そしてパンジャとコウタの関係はアオイがいてこそ正しく成立するため、ふたりだと化学反応を起こしてしまう傾向にあるような気がします。
コウタは幸せなことは良いことだと思うので誰も彼も幸せになって欲しいと思っています。けれど、どうしてもこうしても人は簡単に、そしてコウタほど単純に幸せになれないようで、彼らのことを考えるとやはり理解が難しくてイライラしてしまうこともあるようです。
「だってさ……俺も、まあまあに優しい人間だからさ。人並みの感情はあるし、その日の夕飯が不味くなるようなことはしたくねえじゃん? 食材もったいないし、時間なんてもっともったいねえじゃん?……(byコウタ)」
とはいえ、そんな性質だから誰をも繋ぐ橋として成り立つし、排他的に爆弾としても機能してしまう人間であるらしいです。
【おい、ポケモンじゃなくて人間戦ってんじゃねーかよ】
この小説は少年漫画の雰囲気で書きたいとおもっているので仕方ないですね。うん。(書いててめっちゃくちゃ楽しかったです)
コウタが咄嗟に拳で戦おうとするのは、それなりに腕力があるから。パンジャが決定打に蹴りを出すのは腕力が無いから、腕より強い脚が先に出る。でも片足で立つということは体幹のバランスを失うことであるから、滅多にやらない。片足取られると体勢が崩れちゃうから……少年漫画的に最後は「殴る」が至高。
【フリージオの思い出】
こう、なんていうか、無機物系のポケモンっていうのは、なんで、こう、見ているだけで満足するくらいいいものなんでしょう。コイルの新商品が出たとか何とか見た気がしますが、いや、やはり無機物系ポケモンは最高。可愛い。楽しい。何が楽しいって多分、他のポケモンとの生態を考えるとかなり違いがあるはずで、そこを想像するのが余地ありすぎで楽しい。コイルが磁石のところをクルクルまわしているところとか、なんで浮いているのか、とか考察が進む。
フリージオは初めて見た時、ポケモンの造形にしては凝りすぎていると感じることがあってなんとなく興味が引かれなかったものでありました。しかし時代は流れたようです。チャンピオンロードにて氷タイプがいないことに気付きスカウトのため初めて図鑑を開いて検索をすると、ふと目にとまりました。なんか三体くらいまとまって合体して超変形しそう。ロボットの変形は昭和からの約束。つまり、格好良い。しかも『ぜったいれいど』覚えるのか、これは、つよい。つよいぞ、フリージオ。筆者の脳内では『ぜったいれいど』を覚えるのはカイオーガだけだと思っていた。時代錯誤過ぎて詳しい友人に相談することになりました。監修友人ですね。……うむ。
メタリックで機械的なボディは最高。でも、図鑑を眺めながら敵にした時は厄介だったなぁ、と思いました。
ところで、参考までにフリージオを捕獲しに行こうと思ったら……ポケモンリーグ制覇していないとダメなのかぁ、となったのでレベリングし無事にクリアしました。それにしても出現率低くないかい? イマドキのポケモンはこんなもんなのかい? フリージオ探してうろうろしている間に、うっかりレジ系と遭遇した時はボールの少なさとレポートしなかった自分にガッカリしました。これなんだろうって調べる前にレポートは必須ですよね。
古きよき経験値稼ぎの経験としてチャンピオンロードでランニング(+タブンネ)しましたが、これがなかなかの満足感があります。まぁlv60台だったのでね、そらぁちゃっちゃと上がりますよね。
だがガントル、君は特性上一発で沈まないので敵にすると厄介だというのが再確認できた。あと全体的に『じしん』はやめるんだ。それはランプラーとドラピオンにきく。やめてくれ。レベリングがままならない。やめてくれ。やめてくれ……。
作中、面白かったもの、興味深かったものを教えてください。
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登場人物たち
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物語(ストーリーの展開)
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世界観
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文章表現
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結果だけ見たい!