幻想転生記   作:黒崎竜司

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お久しぶりです。めっっっっっっっっっちゃいろいろありましたw


第42話

現在、青龍と戦闘中だ。

「むぅん!」

「くっ…そが!」

青龍は神術系使いかと思ったが、龍だけあって力も強いようだ。尻尾を叩きつけてくるだけでもかなりの威力だ。

「我を侮るなよ?」

「悪かった…なぁ!」

 

そう言いながら迫り来る尻尾をはじき返す。偃月刀みたいな長柄武器だから助かっているものの、これを刀とか斧でやるのは厳しそうだ。

「今度はこっちから行くぜ!」

弾いた勢いを利用して青龍に斬りかかる。狙いは…ガラ空きの胴体!

「でやぁぁぁぁぁぁ!」

「甘いわ!」

流石に狙いがバレたのか、水で刃の勢いを殺される。

「くそっ…そういう使い方もありかよ…」

水を防御に回されるとは…

「まさか、もう手詰まりとは言うまいな?」

青龍が余裕綽々な態度でこちらを煽る。

「…」

こっちの攻撃手段は直接攻撃しかない。正直に言うと、厳しい状況だ。刃とは、得物の鋭さも大切だが使い手の『技量』と『勢い』も大切だ。どれだけ鋭利な刀であろうと、素人が振っても役に立たない。逆にどれだけ鈍(なまくら)な刀であれど、極めた者が振れば人の命を奪えるだけの武器として機能する。

「『月の英雄』はこの程度なのか?貴様の力量を見てやろうと貴様の領分に入ったというに…英雄もどきめが!」

青龍の体にまとわりついてこちらの攻撃を受け止めていた水が弾け飛ぶ。その勢いで俺も飛ばされてしまった。

「ガハッ…!」

「英雄と信じた我が愚かであったわ…一思いに潰してくれようぞ!」

そう言うと、青龍は俺の周囲に水柱を展開してそれをこっちに放ってきた。

(ここまで…なのかよ…)

どうにか逆転しようにも、俺一人では水に阻まれてまともな攻撃を与えれないのがオチだ。

(せめて…あの水だけでも突破できれば…)

不意打ちで居合いを決めれば突破できるだろう。だが、ここまで余裕の無い戦いじゃ簡単に居合いを決めることができない…それに、偃月刀じゃ居合いんて到底不可能だ…

 

考えをまとめている間にも、水柱は迫ってくる。

「所詮本物など死んでおる…か」

青龍の呆れた呟きが聞こえる。正直、それに応える余裕も無い。

「ぬえぇぇぇぇぇぇい!」

諦めかけたその瞬間、迫っていた水柱が『蒸発』した。

「なっ…」

その光景に俺は絶句した。あれだけ苦労していた水が一瞬にして無効化されたのだから。

「…英雄よ。この朱雀の目を覚まさせていただいたこと、深く感謝する。許されるのであれば、参戦させていただこう…」

声のする方を振り向くと、朱雀がいた。諦めかけていた朱雀が立ち直ってくれたのは嬉しいが、正直相性が悪いと聞いてしまったので不安の方が大きい。

「ほう…朱雀よ。貴様もこの偽物を庇うか…」

「この者は…本物だ!」

朱雀の炎が青龍に向かう。青龍も負けじと水を放ち、迎撃する。

「朱雀よ!目を覚ませ!」

「青龍!貴様こそ目を覚まさぬか!」

朱雀と青龍の凄まじい打ち合いが発生する。人間である俺は余波で吹き飛びそうだ。

(これが…本当の神の戦い…)

朱雀と青龍の戦いに思わず惚けてしまう。人間である俺がどうにかできるのか…?

「臨人!我が術を抑える!貴様は青龍の目を覚まさしてくれ!」

「そんなん言われたって…」

さっき全力が弾かれたばかりなのに、何かできるのか…?

「ふん!所詮偽物は偽物よ!我らを、国を救うなどできぬ!誰も守れず愚かに死にゆくのみよ!」青龍の言葉が刺さる。だが、意気消沈してしまった俺はその言葉を聞いても動くことができなかった。その時、二人の声ではない声が洞窟に響き渡った。

 

「その者が偽物かどうか、この戦いで見極めるが良い!」

朱雀の裏に白い影が現れる。

「朱雀だけでなく白虎までもが信じるとは…」

「青龍!随分と疑り深いではないか!まさか、怖いのか?」

「ほざけ!我に恐怖などあるものか!」

白虎…まさかここで来てくれるなんて…

「英雄!貴様にこの白虎の力を与えよう!」

白虎がそういうと、首回りに見覚えのあるチョーカーがぶら下がった。

「貴様にこの我、白虎の力を与えた!」

そう言われ、首に下がったチョーカーを見る。

(ウォアアァァァァァァ!これ、白虎牙じゃん!マジモンの白虎牙じゃんか!)

生前はゲームでしか見たことなかったが、俺の体に白虎牙が装備されている。

「これで青龍など怖くないだろう!」

正直、白虎牙がどれだけ効果があるのかわからないがここまでもらったら戦わなきゃ男じゃねぇ。

「やってやる…やってやるさ!」

青龍VS朱雀戦の余波を避けつつ青龍の元に向かう。

「今更偽物に何ができる!」

青龍の水柱が俺の眼の前に立つ。だが、不思議と今の俺は怖さを感じなかった。

(今ならいける!)

躊躇いなく水柱に向けて横薙ぎの斬撃を放った。すると、その斬撃は水柱を超えて洞窟端の大岩を切り裂いた。

(まさか、これって!)

生前漫画で読んだ技の中の一つ、『空破斬』のような物ができた。

「青龍!人ってのはな!神から見ればちっぽけかもしれねぇ!でも、人は何かと力を合わせりゃ神をも超えれるんだよ!」

朱雀、白虎、お前たちがチャンスを作ってくれたから青龍にコレを当てれる!

「喰らえっ!『空破斬』!」

青龍偃月刀の刃から空気の刃が放たれる。その刃は不意を突かれた青龍の角に直撃し、その角を切り裂いた。

「…まさか、角を切り裂かれようとはな」

「どうだ青龍、少しは話を聞く気になったか?」

「…これ以上角を切り刻まれては堪らぬ。話を聞こう」

こうして、俺たちは青龍の沈静化に成功した。




また次はいつになるかねぇ…
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