2.涼宮ハルヒの憂鬱の世界に転生   作:錯也

1 / 4
前に書いていた一話を間違って消してしまい、どうせだからと書き直す事にしました。
基本的な流れは前作と変わりません。

SAOとロードラメインになりますが完結目指して頑張っていきます!


2つ目の世界へ

 ゆっくりと目を開けると、其処に映ったのはただただ白いだけの景色だった。

 ようやく、俺、神無討也は、ロード・トゥ・ドラゴンの世界から戻って来たのだという実感を持つ。

 そして同時に、もうあの世界の人々とは会うことが出来ないことも。

 が、そんなことは気にしない。会えなくたって俺があの世界に居たという事実は変わらない。確かに、あの世界には俺の事を知る人物達の中に、俺が記憶として存在しているのだから。

 唯一心残りがあるのなら、あの世界に残して来てしまった宝条まゆという少女のことが気がかりだった。

 そんなことを考えながら、その少女が自分の髪を纏めるために結んでくれた白いリボンに手をやった。

 数千年を生きた人外とて、心はある。

『また、会うことだってきっと出来るさ』

 不意に、背後から声を掛けられて、俺はリボンに触れていた手を下ろす。

「そうかい?それじゃあ楽しみにしておくよ」

 楽しげな笑みを浮かべつつ、俺はゆっくりと背後を振り返る。

 其処にいたのは、輪郭も、色も形もはっきりとしない、しかし其処にいることだけは確かにハッキリとわかるそんな存在だった。

 名を《アドレナク》。

『さて、討也良い話と悪い話、どちらから聞きたい?』

 でた!人生で一度は言ってみたいセリフ!

 もう俺死んでるも同然だけどねぇ。

「そうだな、悪い話からにしようか」

 それを聞いて、アドレナクはふぅんとでも言いたげに頷いた。

『君はショートケーキのイチゴは最期まで取っておくタイプなのか』

「何故死ぬ直前まで取っとかなきゃあならんのだ!?最期言うな最期!最後だろう?」

『さいごさいごと分かりにくいよ討也』

 そもそも言い始めたのコイツなのだが?なんて考えながら、俺はきっと良い話からと答えていたら、アドレナクは『君はショートケーキのイチゴは最初に食べるタイプなのか』とでも言うつもりだったのだろうと予想する。

『その通りだ。つまり最期云々の会話は君が悪い話から聞きたいと言ったせいだよ?討也?』

 俺が悪いのか!?

『まあ、それは良い、それじゃ君の要望通り悪い話からだ。君を生き返らせる云々の話だけど……悪いね、まだ時間がかかりそうだよ』

 いや、正直ロードラの世界で数千年も生きてたからか、今更生き返るとかどうでもよくなっていたりする。

『おやおや?そうかい。まあ、それでも一応無理難題に挑むのは僕の暇つぶしになるからね。いざ生き返らせる準備が出来たときに、またもう一度考えて答えを出してくれればいい』

 ………へぇ?俺を生き返らせるのって無理難題だったんだ?

『おおっと、それじゃあお次は良い話さ』

 明らかにごまかしましたね?アドレナク=サン。

 輪郭すら曖昧なその姿でも、あ、今コイツ目逸らしたな!とかはわかるんですよ?

『良い話の内容は、君が次に行ってもらう世界を僕が決めておいたという事さ!』

 ほほう。そのアドレナクの《良い話》に、とりあえず俺は先程までのやり取りを忘れたふりをする。

 あくまでもふりだけどね。

「次はどこなんだ?」

『悪いがそれについては教えられないよ、それもまた面白いだろう?』

 確かに。

『これから行く世界のために、君に与えていた3つの特典は変更だ。あともうロードラの世界で気づいたと思うけど……』

「一個目の特典あれあんまり意味ないだろ?」

『うん、その通りだね』

 一個目の特典というのは、身体強度や能力の強化なのだが、元々俺の身体は俺が死んだときにアドレナクが作り直した物で相当なスペックがある。故に特典無しでも別に問題無いのだ。

『ただし悪いけど今回は変更は出来ない。次にまたここに戻って来たときに変更の相談をしよう』

 まあ、特に不便なわけでもないし、あまり意味がないだけで完全に無いわけではないのでそれには了承した。

「でも、さっき変更だって言ったからには特典は変えるんだろう?二つ目の特典かい?」

 二つ目の特典は、影や光の当たっていない闇から、形や性質を自在に操れるダークマターを製作するというものだ。

 ロードラの世界でも、この特典にはかなりお世話になった。

『いいや、ある意味それは君固有の能力だからそのままだ。変更するのは、三番目の特典だよ』

 三番目の特典はロードラの世界に存在するスキルなどを全て習得出来るようになるというものだ。

 うーん。正直軽く数百はあるこれらのスキルが使えなくなるのは結構痛いが、仕方ないのだろう。

『いや、三番目の特典はあくまで習得を可能にするものだから。これから新たに覚えることが出来なくなるだけで、今使えるのはそのままだよ』

 お、それはラッキー。便利だからねぇスキルは。

 でも、新しい特典も受け取るなら事実上パワーアップにしかならないんじゃあ?

『まぁ、そうだけど……使いこなすのにはコツがいるぜ?今回渡す特典は』

 なるほど、つまり使いこなしてしまえばいいのだろう?

『ハハッ君のそういう所嫌いじゃあ無いぜ?』

「くハハッそりゃあどうも」

 お互いにニヤリと笑いあう。

『さて、新しい特典については転生先で確認してくれ、もう一足先にベリタスにはその世界に行ってもらっている、君も行くと良い』

 帰ってきてすぐ転生というのはなかなか忙しいものだが、やはりそういう方が面白い。

「それじゃあ、楽しんでくるよ」

『うん。向こうでやらなきゃあいけないことは、ベリタスに伝えておいたよ』

「りょーかい」

『またな、討也』

 そのアドレナクの声を最期に、おっと間違えた、最後に、俺の視界はホワイトアウトした。

 

 

 

 

 

 

「今回はいきなり山の中なんて事は無いみたいだな」

 目を開け、周囲の状態を確認する。フローリングの床、新品のベッド、そして何も入っていない本棚やタンスに文明の利器エアコンなどが見て取れた。

 服装は、ロードラの世界に居たときと同じように、真っ黒なコートに真っ黒なズボン。前回の転生と唯一俺の外見に違いが有るとするなら、髪を纏めている物が、黒いゴムから、宝条まゆという少女が結んでくれた白いリボンに変わっている事くらいだ。

「ま、また会えるってアドレナクも言ってたし、そのときを楽しみしにしようか」

 ふと、ズボンのポケットに重みを感じて見てみると、中に入っていたのはスマートフォンだった。

 しかも生前俺が使っていたやつじゃあないか!懐かしいぜ。

『ここ、お前が生前住んでた世界に似てるんじゃあないのか?』

 スマートフォンを少し弄っていると、背後から声を掛けられて、俺はゆらりと振り返った。

 そこにいたのは、紫色の光球のような姿をした、俺の相棒ベリタスである。

「みたいだな、今回も面白くなりそうだ。ま、まだここがどこかわからないけどねぇ」

 とりあえずスマホのGPS機能で現在位置を確認したので、ここが日本だという事はわかった。ちなみに兵庫県だった。

 世界地図を見た限りも、俺の生前と全く差異は見当たらない。

 そういえば、特典はどんなのかなぁ……と。

「……現実に思い浮かべた通りの影響を与える能力?」

 なんだこりゃ。この能力だけで軽くチートなんだけど。

 しかしなるほど、汎用性は高いけど完璧に使いこなすのは結構難しそうだな。まあ難しい方が面白い。

『そんなえげつねぇ能力が必要になる程ヤバい世界なのか?』

 ベリタスがそんな疑問を口にする。

 言われてみれば確かにそうだな。

「よし、それの確認も兼ねて外をうろついてみるかベリタス」

『ああ、一応俺はこの外見だから外は注意しないとな』

 それから、今俺がいるこの部屋は、俺の家であることがわかった。ちなみに3階まである。実質一人暮らしにこんな広さいらないと思うのだがねぇ。

 まあ、いいか。

 

 

「そういえば、俺がこの世界でやる事って何だ?」

『あ、ああ《本物の神を倒せ》だそうだ』

 外を歩きながら、俺はベリタスと雑談していた。というのも、あまりここは都会ではないらしく、人がほとんどいないのだ。しかも、ベリタスの姿は誰も見えていないようであり、俺は周りに人が居るかどうかに気をつけつつ、会話しているのだ。

 だってほら、ベリタスが他の人に見えてないって事は俺が独り言をいってる危ない子みたいに見えちゃうだろう?

 ちなみに、外はなかなか暖かかったので、コートは家に置き、フードのついた白い薄い上着の下に赤いシャツを着ている。ズボンは変えるのが面倒だったのでそのままだ。あと髪を纏めていない。

「それにしても、本物の、ねぇ引っかかる表現だな」

『まあ、俺はなんとなく理由がわかって来たけどな』

 は?

『原作の事を考えるとな、地名からなんとなくコレかなぁ?ってのは予想できるだけだ。間違ってたら嫌だから言わない』

 へぇ、地名から原作が分かっちゃうなんて、相変わらずとんでもない相棒だぜ。

 そんな事を考えている間に、俺たちは《西宮北口駅》の近くまで来た。

「そういえば、新しい三番目の特典、能力を使おうと思ったときにしか現実に影響を及ぼせないようにしておいたぜ」

 なんといのか、この能力強すぎて逆に使いすぎると詰まらなくなってしまいそうだ。

『なんか、早速使いこなしてる感あるな?流石と言うべきか』

 いや、まだ使いこなせてる気は全然しない。とりあえず想像力が必要な能力なのは分かった。

「それにしても、人が少ないってのもあるけど、子供が少ないな。あれか?学校とか?」

 そう言いながら、スマホを見ると、時計は金曜日の午前である事を示している。

『ま、そうだろうな…………っと一人制服姿の子が居るな』

「ん?」

 手もない、目もないベリタスだが、しかしそこは長年のつきあい、ベリタスがどの方向を指しているのかはだいたいわかってしまうのだ。

 ベリタスの指す方を見ると、確かにいた。

 スカートの丈から考えて中学生だろう。ベリタスの言う通り、制服姿で、ブラウンのショートヘアの女の子が居た。

 居た、というよりは、こちらに歩いて来ていた。

 奇妙なのは、こちらを見ながらという事だろうか、いや、自意識過剰とかではなく、確かに少女の視線は俺に向けられている。

『そういや、言おうか言うまいか迷ったけど、やっぱ言うわ』

「何だよ?」

 なんかやけにもったいぶった言い回しをするなぁ。

『今のお前、女に見えるから気をつけろ?』

 どうやって!?

 なんてベリタスのアドバイスに突っ込みを入れていると、こちらに歩いてきていた少女が、俺の前で立ち止まった。

 ?

 何だ?とベリタスから視線を外し少女を見る。それから、身長差のせいで見下ろしている格好になっていることに気付いて少し腰を曲げて。

「どうかしたのかい?」

 と話しかけた。

 すると、少女はニコリと笑ってから、人差し指を立て、それをベリタスに向ける。

「その、突然ごめんなさい。どうしても、それが何か気になったもので」

 その言葉に、俺は楽しげに笑みを浮かべた。

 この少女にはベリタスが見えている。この世界の基準で考えるなら、魂だけの存在であるベリタスは、幽霊に近い。それが見えているという事は、おそらくこの少女は普通の人間ではない。

 コレは、この世界に来てそうそう面白くなってきた。

『成る程、わかったぞ。予想通りだ』

 そういったベリタスが楽しげに揺れたのを、少女は食い入るように眺めいた。




先に言ってしまうと、この主人公神無討也君は涼宮ハルヒの憂鬱はアニメだけしか見てません。
さて、この少女原作キャラなんだけど……だ~れだ?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。