2.涼宮ハルヒの憂鬱の世界に転生   作:錯也

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時間空いた割には文量少なくてスイマセン!
ちょっと忙しくてなかなか書き溜める時間が取れずズルズルと…
更新はこれからもしていきます!


見た目通り中身もガキだったな

 刀を構えた状態で、刀ロリは不思議そうに首をかしげた。

 まぁ、当然その原因は俺にある。俺が武器を取り出していながら、一向に構えないことを不思議に思ったのだろう。

 が、構えない、ノーモーションは立派な俺の構えの一つである。

 別にふざけているわけでも、相手をバカにしている訳でもない。俺が以前いたロードラの世界では、構えから攻撃の手順とかを予想して対応するような化け物がかなりいたのである。

 それ故の構えない構え。ノーモーション。

 相手にこちらの動きを予想させないための構えなのだが、そもそも構えというのは攻撃のための予備動作である。音速程度のスピードなら軽く越えて行動できる俺にとっては、あまり必要ないのだ。

 しばらくこちらの隙を伺うように俺の事を見ていた刀ロリは、納得いかないというような顔をしながら、いつでも攻撃を繰り出せる姿勢をとった。

 まぁ、隙を伺おうにも、そもそもノーモーションなのだから隙しかないのだが。

「ねぇー、お兄ちゃん一応言っておいてあげるけど、私こう見えても強いよ?」

 なめられていると勘違いしたのか、そう忠告してくる刀ロリに、俺はにっこりと笑って答えてやる。

「大丈夫さ、俺も強いから」

 と。

「……あっそ」

 そう言いながら、ゆらりと一歩足を出した刀ロリは、次の瞬間には床を蹴って俺との距離を積めてきた。

 なるほど…………まぁまぁ速い。

 おそらく音速に少し劣る程度。十分、目で見て確認を取ってから対応して間に合う速度。

 構え方と、踏み出し方から予想していた通り、刀ロリは真横に俺の首を斬るように斬撃を放ってきた。が、今言った通り。予想していた通りなのである。

一瞬遅れて踏み出した俺も、刀ロリの側頭部を狙うように攻撃を繰り出す。

 もっとも、ギリギリ相手が反応できるだろう、という位の速度まで落として。

 期待通り、攻撃に気付いた刀ロリは、俺の首を狙った刀の軌道を、腕を引き戻すようにして修正し、寸前でなんとか防ぐ。

 刃同士がぶつかり鋭い金属音を鳴らすとほぼ同時に、俺も刀ロリも一瞬で攻撃を放ち合う前位の距離をとった。

 一瞬。やったことは至極単純だが、おそらく身体能力的に一般人の佐々木の目には、金属音と同時に、俺たちの立ち位置が入れ替わっただけのように見えただろう。

 少し視線を刀ロリから外して佐々木とベリタスがいる方を見てみると、佐々木のほうはポカーンという感じでこちらを見ていた。

「へぇ……言うだけあって強い……というよりかなり速いね?」

「そういう君は言う割には弱い……というよりノロいね?なに?今のが君の最速?」

「イラッ」

 うわぁ……数千年生きてきた俺でも自分で「イラッ」とか言っちゃう奴は始めてみるよ?

 まぁ確かに煽ったけどさ。

「うふふふふふふ……」

 と、思ったら今度は笑いだした。

 何かこの子からは危ない(痛い)雰囲気を感じるなぁ。

「いいよ、そこまで言うなら私の本気を出してあげる。……長門さんには殺しちゃダメなんて言われてないしね………………う、うんダイジョブだよね?うん、ダイジョブ!」

 …………長門さんってこの子の上司かなんかかな?メチャクチャビビってる感じだったけど。

「うん、そっちの事情は知らないけど……ならこっちも半分くらいやる気を出してあげよう」

「……さっきの攻撃やる気すら出して無かった!?」

 具体的に言うと、二度寝したあとに気分的に三度寝までして、そのままの勢いで学校サボるくらいの気分でやってた。

 まぁ俺が本気を出すのなんて一回位は致命傷を負ってからでも全然遅くない。なんなら死んでから本気出しても早すぎるくらい。

「さて、それじゃあ……今度は俺からいくぜ?」

 ふざけた雰囲気を(半分くらい)吹き消して、一歩足を出した俺を見据えながら、刀ロリが油断なく刀を構えた。

 ちなみに、先ほど構えから攻撃を読めると言ったが、防御の隙だって読むことができる。

 もっとも、俺がこれからする攻撃は回避不能で防御も難しいというえげつない物だったりする。

 やることはいたって単純。ものすごい速度で空中を殴るだけだ。

 刀を左手に持ち変えて、俺は右手を腰だめに引く。そのまま、一歩足を踏み出すと共に、空中をパンチした。

 凄まじい音と共に、衝撃波が刀ロリのいる側に向かって波状に飛んでいく。

 質の悪いことにこの衝撃波というの、目でみることが出来ない。

 当然、俺がただ空中を殴ったようにしか見えなかったであろう刀ロリは、「何してんだコイツ?」というような表情を浮かべた次の瞬間には、受け身もとれずに吹き飛ばされた。

 そのまま床を転がって柱にゴスッと鈍い音をたてながら頭をぶつけてやっと止まる。

 ていうかすっごい痛そうだな今の音(他人事)

「うっ、ううぅっあ!!」

 呻きながら、フラフラと立ち上がってこちらを睨み付ける刀ロリの目は……涙目だった。というかもう泣いてた。

「もう一万回位いっとく?」

「桁がおかしい!?」

 うん、突っ込み入れる余裕があるなら大丈夫だね。

『うわぁ……鬼がいるよ……』

「何が起きてるのかさっぱり……討也さんが幼女虐めて笑ってるようにか……」

『や、実際そんなもんだろ今の状況』

 なんかひどいこと言われてる気がするなぁ?気のせいだよねぇ?

 後でベリタス絞めとこう。

「まぁ、冗談は置いといて……まだやるのかい?君じゃ俺には勝てないと思うけど?」

 もう少し強いかと思ったのだが……これじゃあ場所の関係もあって本気で攻撃出来ないからつまらない。

 俺のそんな考えが伝わったハズは無いが、刀ロリは、何故かククククッと笑いだした。

 どうでもいいけど笑い方うふふふふふふじゃなかった?

 何がおかしいのか知らないが、笑い続ける刀ロリを俺はとりあえず冷めた目でゴミを見るように眺める。

「うぅ……ヤメテそんな目で見ないで……くそぅ私をこんな人格に作った本体許すまじ!……とにかく勝負は引き分けって事にしといてあげる!追ってこれるなら追ってきてごらん♪じゃあね~!」

 と、長ったらしいセリフを吐くと、刀で自分の背後の空間を切り裂いてなにやら次元の断層のようなものを作ってそこに飛び込んで行った。

 ……面倒だし、あの刀ロリよりよいご飯の方が優先順位高いから追わなくていっか……。セリフの途中で蹴り入れて見れば良かったなぁなんて思いながら、俺は衝撃波を放ったせいでメチャクチャになった店内の時間を巻き戻し、さらに時間停止を解いた。

「とりあえず……あの刀ロリ……人間じゃあ無さそうだな」

 まぁ、ほうっておいてもああいうのは向こうからリベンジしてくるだろう、と考えた俺は、とりあえず佐々木とベリタスを呼び戻し再び食事をとることにした。

「見た目通り中身もガキだったな」

 

 

 その後、佐々木がまた明日俺の家に来ることに決まって駅前で解散したのだが、俺は未だにこちらの様子を伺う視線を感じていた。とりあえず佐々木の方にはベリタスをつけ、彼女を家まで送り届けたあとは俺の家に向かうように言っておいたので、今は単独行動である。

 どうやら刀ロリとは違いそうだ。なんというか、気配で普通の人間なのがわかる。

「うーむ、ここがなんの世界なのかわからないせいもあるんだろうけど……目的が見えないなぁ……佐々木を見張ってた訳じゃあ無いのかねぇ?」

 俺が見られてる事に気づくくらいだから、間違いなく視線が俺に向けられているのは間違いない。ベリタスじゃああるまいし他人に向けられてる視線とか殺気とかを感じとるような真似は俺には出来ない。

「今はほっとくか」

 あんまり事を起こしすぎて楽しみが後に無くなっても困るしね、とそんな事を考え楽しげに笑みを浮かべながら俺は家へと足を向けた。

 

 

 神無討也に、刀ロリという名で識別された少女色並彩繋は、時間の止まったレストランの中から逃げ出すなり、急に何かに引っ張られ上空を飛んでいた。

 自分の腕を掴んで建物の壁面を蹴飛ばし移動する人物をみて、思わず「げ」と言いそうになったのを慌てて飲み込む。

 ヤバイなーこれから何を言われるんだろう……と内心で恐怖しながら、彩繋は先手を打っておくことにした。

「な、長門さん。その……逃げて来ちゃってすいませんでしたー」

 その言葉に反応するように顔をこちらに向けるのは、眼鏡をかけた小柄な少女、長門有希である。

「……問題ない。退却指示を出そうとしていたところ。こちらも迂闊だった」

 ほっ。どうやら怒られるような事は無さそうだ、と胸を撫で下ろす彩繋。まぁ絶壁だけど。

「私でもイレギュラーが時間停止の操作を行ってから、影響を取り除くのに348秒を要した。方法は不明だが、あのイレギュラーには時間という概念を支配下における手段が存在する。先ほど729秒の間、情報統合思念体本体を含めた全宇宙の時間が停止していた」

「…………は?」

 全宇宙の?いや、それができるから長門は、時間という概念を支配下における、などという表現をしたのだろうが、それにしても方法が不明というのはどういう事だろうか?

「今確認されている未来の時間軸からきた人間とは別勢力って事ですか?」

 彩繋は、少し前に突然この時間軸に現れたあのイレギュラー、神無討也とコンタクトをとるために急造されたインターフェースである。

 事前に確認できたのが常人ではあり得ないほどの情報密度をあのイレギュラーが持っているという事だけであり、目的も能力も不明であることから、イレギュラーとコンタクトをとるために造られた彩繋は他のインターフェースとは異なる部分が多々存在する。

 

 対イレギュラー専用戦闘用ヒューマノイドインターフェース。

 

 先ほど、神無討也とコンタクトをとるために造られたと言ったが、そのコンタクトというの、何もお話をしましょうというものではない。

 情報密度から考えても、高い能力を持つであろうイレギュラーが何らかの行動をとった時にそれに対抗出来るようにと造られたのが色並彩繋なのである。

 まぁ、全くもって相手にならなかったが。

「むしろ、あのイレギュラーが未来の時間軸からきた人間達と同勢力である可能性は極めて低い。こちらで観測したデータも合わせて考えるならば、身体能力、時間操作能力のどちらをとっても、人間である可能性自体も薄いと推察する」

「……人間じゃあない……」

 まぁ、見た目が人間だからといって本当に人間とは限らないというのは、インターフェースである彩繋自身もよくわかっている。

 けれどそれでも、人間でないならあれはなんなんのだ?と思うのだった。

 

 

 刀ロリから襲撃を受けた翌日、俺は家に佐々木とベリタスを残し一人で町をブラついていた。

 家を出てから、こちらを見る視線と、後を着けるように距離を保つ人影を俺は感じ取っていた。

 佐々木が今日俺の家に来るとき、ベリタスに迎えにいかせたのだが、その時から気配を感じていたとか。

 つまり、佐々木と俺の両方を見張っている可能性もあり得る。

 なんで?知らん。

「ついて来てるのは……一人みたいだなぁ…………うーん……」

 見られているのがわかるだけに、あまり気分の良いものではない。俺に勘づかれないくらいに気配を殺して接近するならまぁ……それでも、気分が良いものではないが、まだ許せるが、バリバリ見られていますというのがわかるだけに鬱陶しい。

「仕方ない……楽しみは取っておきたかったが……用件を尋ねるとしますかね」

 そう呟いて、俺はイメージを現実に反映する得点を用いて細工を始めたのだった。




次回はあの娘の登場です。主役キャラほとんど出せない……(^-^;

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