小白鬼の冒険―ショウバイグィのぼうけん―   作:りるぱ

7 / 7
第七話 極悪非道、白の鬼

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 黒色★収入だより                   盗賊同志会報 第二百十八号

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼                   

 

 夏の暑さもすっかり和らぎ、過ごしやすい秋の季節となりました。

 読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋……と沢山の秋があります。しかし、私達にとっては何と言っても旅行の秋ではないでしょうか。この季節、夫婦親子連れのカモがそれこそ鴨のように数多く街道をやって参ります。皆様におかれましても気持ちの良い紅葉が舞い散る最中(さなか)、鋭意的に鴨狩りを楽しんではいかがでしょう。いつもと違う気分が味わえるかもしれません。

 さて、お仕事に邁進するのも良いのですが、季節の変わり目は体調を崩しやすくもあります。やっと涼しくなったと油断してはいけません。特に今年は新型ウイルスが猛威を振るっています。くれぐれも衛生管理にご注意いただき、絶好の略奪日和をご満喫ください。

 

 

 

 

❖白鬼速報

 

 約三月(みつき)前に現れ、各地に多大なる被害の爪跡を残した小白鬼(ショウバイグィ)。一旦沈静化したかのように思われたが、近日パオズ山付近にて二十日ぶりに確認された。

 今回犠牲となったのは、パオズ山(ふもと)東側に居をかまえる構成員八十三名の大所帯、百胆団(バイダントァン)。生存者一名の大惨事となった。謹んでご冥福をお祈り申し上げる。

 

 当編集部は百胆団(バイダントァン)唯一の生存者、百胆団(バイダントァン)会計を勤める留林(リュウリン)様(仮名)に、当時のお話を伺うことに成功した。

 以下はその取材の様子である。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

編「こんにちは、(リュウ)さん。今回の取材をお受けいただき、ありがとうございます。

  この度はとんだご災難で、心中お察し申し上げます」

 

留「いえ。おれもあの恐怖を誰かに伝えたくて……。

  はは……見てください、おれ、手の震えが止まらないんです。あの日からずっと……」

 

 そう話す(リュウ)さんの両目は赤く腫れ、右手が小刻みに震えていた。

 

編「それでは早速、当日の様子をお教え下さいますか?」

 

留「…………。

  ……あの日、おれらの半数くらいが酔っ払ってました。いえ、酔っ払ってるのはいつものことなんですが、あの日の前日は運よく商隊が通って、それを囲んで皆殺しにして、分け前も一杯みんなに行き渡って……。それで前の晩、みんないつもより多く飲んでたんです」

 

編「なるほど。皆さん、いつもよりも弱っていた状態だったんですね」

 

留「いえ! そんなこたぁありません!

  ほんと、うち等は酔っ払っているのがいつものことなんです。むしろ酔ってた方が理性とかタカとかがもろもろ外れて、素面より強いくらいなんで」

 

編「つまり、戦闘力的には変わらなかったと」

 

留「ええ。

  ……最初に誰が言ったか、酔い覚ましにみんなで川で泳ごうって話になりまして。それで大所帯でぞろぞろと川に向かってったんです。

  それで……それで……丁度街道を横切ろうって時、あ、あいつ、がっ、け、来たんです」

 

 (リュウ)さんは震える手で湯飲みを持ち上げ、お茶を口に含んだ。

 どうやら当時の恐怖を思い出して、混乱しているようである。

 私は彼が落ち着くのを見計らい、話の続きを促した。 

 

編「どんな様子でしたか?」

 

留「……餓鬼が、背中に大きな背包(リュック)を背負っていました。まずはそれが最初に目を引いて……。それでみんなついでだし、軽くぶっ殺して背包(リュック)持ってくかってなりまして……」

 

編「なるほど。まぁ当然ですね」

 

留「みんなあのでかい背包(リュック)を誰が持つかでじゃれ合いみたいな軽い口喧嘩してたんですけど、その時おれ、ちょっとやばいかもって思ってたんです。

  おれ、黒収だよりを毎週欠かさず読んでて、どうもあの餓鬼の特徴が黒収だよりの速報に載ってる小白鬼(ショウバイグィ)と似てる気がして……」

 

編「ご愛読ありがとうございます。

  その似てたとは、具体的にどんな風に?」

 

留「……真っ白な顔して、八歳くらいの餓鬼で、服にでかでかと”鶴”の文字がありました」

 

編「我々がリサーチした通りですね」

 

留「ええ、速報に書いてあった通りで……。あ、あの時、おれがもっと強く言ってれば……。

  でも、誰だって思わないじゃないっすか、自分がそういう災害に行き当たるなんて」

 

編「はい。得てしてそう言うものなんです。”まさか自分が”、と考えてしまいますから……。

  思い出すのはお辛いでしょうが、それからどうなりましたか?」

 

留「まずはお頭が脅しを入れました。どうせ最後には殺すんですけど、みんな人間の怯える表情とか大好きで、基本脅しから入るんです」

 

編「なるほど、古くからある良き手法ですね」

 

留「そうしたらいきなり、お、お頭の、く、く、首が、ぐるぐるって、ぐるぐるって回って、と、飛んでったんです」

 

 (リュウ)さんはここで一旦話を切り、湯飲みの中のお茶を飲み干した。

 そうして気持ちを落ち着かせるように一息つくと、視線を再び私の方に向け、続きを話し始める。

 

留「……おれらみんな訳が分からなくて。だって、首が独りでにぐるぐる回って飛んでったんですよ? おれ含めてみんなポカーンとしてました。あの餓鬼だって少しも動いてませんでしたし、関連付けて考えられるわけないじゃないですか」

 

編「ふむふむ。それは小白鬼(ショウバイグィ)の超能力ですね。こちらでもその情報は報告されています。正直眉唾物でしたが……どうやら本当のようでしたね。あ、続きをどうぞ」

 

留「そ、それで、あの餓鬼、にやりって、わ、笑ったんです。

  おれはもう真冬にストーブでぬくってるところを、背中から氷柱(つらら)突っ込まれたような気分になりました。金玉縮み上がっちまって、全身鳥肌が立って……。

  あいつ、笑った顔がまるで悪魔みたいで……。今でも、ゆ、夢に」

 

編「”白鬼笑”ですね。噂になっています。

  なんでもアレに出会って生き残った人は、皆それを思い出しては震えるそうで」

 

留「おれ、逃げなきゃやばいって、みんなにアレのこと知らせなきゃって、そう思って……。

  でも、おれ、アレに注目されたくなくて、だから小声で言ったんです。でもみんな聴こえてないみたいで、とりあえずよく分からないから得物持って突っ込んでいって……。

  ……最初に死んだのは波西(ブゥオシー)でした。アレの指が光ったかと思ったら、はっ、破裂したんです。

  ……気の良い奴でした……。よくおれと一緒に女攫って犯したり、逃げる餓鬼追っかけて殺して遊んだり……」

 

編「親友だったんですね……」

 

留「それで前日の夜に、里のお気に入りの娼婦に自分のガキが出来たって、それで次のでかい略奪が終わったら足を洗いたいって、酒を飲みながら言ってたんです。

  ……畜生、何であいつが死ななきゃならなかったんだよ!」

 

編「それは死亡フラ……いえ、ご愁傷様です」

 

留「よく分かんないうちに波西(ブゥオシー)が破裂して、でもそれだけで終わらなかったんです。あいつ、丁度おれらの真ん中辺りに居て、それが破裂したもんだから体の破片が周りの奴らに突き刺さったんです。

  …………もう、阿鼻叫喚でしたよ……」

 

 (リュウ)さん当時の様子を思い出したのか、悲痛な顔をした。

 

留「やっとみんなやばいって気づいて、半数くらいが逃げ出したんです。もう半数は向かって行きましたけど……。

  おれは真っ先に泣いて謝りながら逃げましたよ。へ、へへ……もしかしたら、俺が生きているのって、そのおかげかもしれませんね……。

  ……おれのこと、臆病者だって笑いますか?」

 

編「いえ、状況が状況ですし、仕方のなかったことでしょう。

  実際(リュウ)さんの行動は正解でしたよ。様々な生き残った遭遇者からの証言の統計によりますと、どうも泣いて謝るのが一番生存確率が高いようですから。

  それでは、(リュウ)さんはもうその先を見てないんですか?」

 

留「確かに全部は見てませんけど、何が起ってるのかはなんとなく……。超能力だと思いますが、アレが空に浮かび上がりましたから……。

  それでまた”ピカッ”って、指先が光るんです。

  光るたんびに誰かの悲鳴が響いてました。波西(ブゥオシー)のようになったんでしょうね……。

  おれはもう、いつ自分の番が来るか気が気じゃなくて……その時は生きることだけ考えて走りました。ごめんなさいごめんなさい言いながら出来るだけ誰も来ない方に逃げましたよ。巻き込まれるのは御免なんで……」

 

編「そして見事逃げ(おお)せたわけですね」

 

留「逃げ……遂せれたんですかねぇ……。

  あの後森の中で九時間くらい土下座してました。いつ見つけられてもいいように……。

  おれ……本当に逃げ遂せられたんですかねぇ? 今でもアレが追っかけて来てる気がして……。

  …………う、うぅぅぅ……」

 

 ここで留林(リュウリン)様が嗚咽を漏らして泣き始めたので、取材はここまでとなります。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 今までの報告からまとめた小白鬼(ショウバイグィ)の情報をここに公開する。皆様自身の安全の為にも、是非参考にして頂きたい。

 小白鬼(ショウバイグィ)は八歳前後の子供で、真っ白な顔をしている。大きな背包(リュック)を背負っているとの報告も多数上がっている為、これも事実だろう。

 そして”鶴”の紋章が入った服を身に着けていることが多い。

 

 運悪く出会ってしまった場合、八割五分死ぬとの統計結果が出ている。生存率は限りなく低いと言わざるを得ない。

 しかしそこで諦めてはいけない。そんな時の為の、生存率を上げる三カ条をここに記そう。

 

 

第一条、いきなり襲い掛からない。

 子供が大きな背包(リュック)を背負って一人で道を歩くと言うのは、一見かなり好条件な物件に思える。しかしそこでちょっと待とう。ひょっとしたらそれはフェイクかもしれない。

 襲い掛かる前に必ず獲物が上記の特徴に当て嵌まるか確認するよう習慣付けることをお勧めする。

 小白鬼(ショウバイグィ)に襲い掛かり、尚且つ生還した例は、今のところ僅か一件しか確認されていない。殆どの場合、襲い掛かった瞬間に殺害されてしまう。獲物の事前検証を怠ることは死に直結することもあるのだ。

 

 

第二条、命乞いをする。

 第一条に従い行動したが、しかしすでに小白鬼(ショウバイグィ)の前に出てしまった、または見つかってしまった場合、この第二条が有効である。

 なんと今現在、小白鬼(ショウバイグィ)との遭遇から奇跡的に生還した人の全てが命乞いをしたと記録にある。

 皆様には長年盗賊をされて来た誇りがあるだろう。そして部下の手前、そんな無様な真似など……! なんてこともあるかもしれない。

 しかしそれら全てをかなぐり捨てても、この項目を実行に移す価値はあるのだ。

 人の命は一つしかない。例え培ってきた誇りを失ったとしても、親愛なる部下からの信用が失墜したとしても、生きている限り、やり直しが利く。だが、死んだら全て終わりである。

 是非ご自身の生命を大切にしていただきたい。

 

 

第三条、財宝を差し出す。

 さぁー、ここまでくれば生還までもう一息。

 命乞いをした者に対し、小白鬼(ショウバイグィ)は高確率で全財産の献上を要求する。

 これを拒否したことにより殺害された例も数件確認されている為、無策で断わらない方が身の為である。惜しい気持ちは分かるが、ここは断腸の思いでお宝を全て差し出すことが最も安全だろう。

 また献上金が少ないことにより不興を買い、四肢を切断されると言う事例も数件確認されている。少ないなどと文句を言われない為にも、ある程度の財宝を貯蓄することをお勧めする。

 未確認の情報ではあるが、小白鬼(ショウバイグィ)はホイポイカプセルに価値を見出さないと言う報告もされている。ひょっとしたら、余剰財産をホイポイカプセルに替えておくことで損失を減少させることが出来るかもしれない。

 

 以上の三カ条を遵守することで、飛躍的に生存率を上げることが出来ると当編集部は推測する。

 後日再来の可能性に備えて、本拠地を別の場所に移すこともやっておきたい。

 

 それでは、最後に運悪く災害に出会ってしまった皆様に助言を一つ。

 「蟻がロードローラに突っ込むのは勇気ではない。只の自殺である」

 

 また次回の白鬼速報でお会いしましょう。

 

 

 

 ※当編集部では小白鬼(ショウバイグィ)の情報を広く募集しています。

  有益な情報提供者には金一封を差し上げます。どしどしご応募ください。

 

 

 

 

▼今週のトピックです

 

 今年で四才になるサーベルタイガーの小梅ちゃん。激汗団(ジーハントァン)の熱い(おとこ)達に囲まれ、今日もマスコットとして大活躍です。

 そんな小梅ちゃんの嬉しいニュースです。

 先週火曜日、小梅ちゃんからめでたく元気な四つ子の赤ちゃんが産まれました。

 小さく、ふわふわな赤ちゃんに団員一党はメロメロ――――

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「どうも、すみませんでした!」

 

「すみませんでした!」

 

 何だろ、この状況……。

 

 ここはパオズ山から約600km離れた場所。

 辺りに植物を見かけなくなり、岩ばかりが立ち並んでいる。

 一面黄土色の砂漠一歩手前な景色は、まさしく荒野と呼ばれるものである。

 

 そこに”荷物置いてけ”と脅しをかけて来た追い剥ぎさん。

 

「さっき脅しをかけられたような……」

 

 彼らは僕が何かする前に突然目を皿のように見開いて驚き、そして揉み手をしながら謝罪してきたのだ。

 

「やだなぁ~、坊ちゃんったら~。あれはジョークですよ、ジョーク」

 

「そ、そうですよ! もう、ヤムチャ様ったら~」

 

 脅したことを謝罪したばかりなのにそれをジョークと言う。僕の予想以上に彼らもテンパっているのかもしれない。

 

『ま、まさかさっきの今で遭遇するとは……』

 

『ここは平身低頭の一択ですよ、ヤムチャ様』

 

 なんかこそこそ喋っているが、全部聴こえている。

 天さん程じゃないにしても、僕の五感も一般人より遥かに上なのだ。

 とは言え、意味が分からない。さっきの今とはどう言うことなのだろう?

 僕は以前こいつらと会った記憶はない。例え彼らが僕の良く知る人物だったとしても――。

 

 しかしこの流れは歓迎すべきである。ここで彼らへの過剰な干渉は避けるべきだ。

 ここまできて未来が変わってしまったなんてことになったら、僕がドラゴンボール探しを自粛したのが馬鹿みたいである。ここで立ち去れば影響はほぼないだろう。

 もちろんバタフライエフェクトが起こる可能性は完全に否定できないが……こうなってしまった以上、そこはもう諦めるしかない。

 

『なぁ、プーアル。本当にこいつがあの小白鬼(ショウバイグィ)なのか? 只の餓鬼じゃないか。

 と言うか、例え本物でもオレなら勝てそうな気がするのだが』

 

『ダメですよヤムチャ様。今までそう言って何人もの人が殺されて来たんですから』

 

 変わらず小声でこそこそと喋っている二人。

 とうやら、僕に襲い掛かるべきかの相談のようだ。

 

『いや、見ろよ、あの油断しきった姿。今なら確実に殺れる――』

 

『ヤ、ヤムチャ様っ』

 

 そろりそろりと腰にある曲刀に手を伸ばすヤムチャさん。

 僕には油断した覚えが欠片もないのだが、一体どこを見てそう判断したのだろうか?

 ヤムチャするなぁ……ヤムチャさん……。

 

「あ、あれ?」

 

「ヤムチャ様! 身体が動きません!」

 

 『超能力、念動固定』

 

 対象はヤムチャとプーアルの全身。

 

「こ、これが小白鬼(ショウバイグィ)の超能力。クッ!」

 

 僕の念動固定に抗おうとするヤムチャ。

 この頃の彼は感覚で気を使っているから、僕の超能力を解除するのは難しいだろう。

 しかしこうして超能力で固めたのはいいが、このまま放置したら、効果が切れた頃にまた追いかけてきそうだ。

 

 仕方ない。少し脅しておこう。

 無造作に右手人差し指を差し出す。

 

「どどん波」

 

 ――バコッ、バコッ、バコッ、バコッ、ちゅどーん!

 

 強めに撃ったどどん波はヤムチャの頬を(かす)り、彼の後方へと飛んで行く。

 そのまま荒野に立ち並ぶ石柱を四つ打ち壊し、約400m先の地面に当たって爆発。空に小さなきのこ雲を作り上げた。

 

 空から砂と小石がパラパラ降り注ぐ中、ここで念動固定を首だけ解除。

 曲刀に手を伸ばそうとしたポーズのまま、首を後ろに向けてきのこ雲を見上げるヤムチャとプーアルの二人。

 プーアルは無意識になのか、”あわわわわ……”と呟き、ヤムチャは目を丸くして鼻水が飛び出た表情で固まっている。いや、固めたのは僕だが。

 

 そして僕の方を向いて”ニコッ”と笑うヤムチャさん。

 

「あの……坊ちゃん。実は僕、坊ちゃんに全財産をプレゼントしたいな~と」

 

「はい! 金貨・宝石、何でもありますよ!」

 

 念動固定を解除。

 

「いらない。帰れ」

 

「「はいっ! 失礼しました~」」

 

 ヤムチャとプーアルは同時に跳躍し、プーアルはヤムチャの肩に飛び乗り、ヤムチャはバイクに飛び乗った。うん、お見事! いい連携だ。

 

 二人の乗ったバイクは”ブルルルン!”と音を立て、土煙を上げながら走り去っていく。

 

 ――よかったですね、ヤムチャ様。もうけですよ、もうけ。

 

 ――何も変わってないだけだ。

   情報を提供するぞプーアル。金一封が貰えるらしいからな。

 

 二人の乗ったバイクは遠ざかっていく。

 最後に少し気になることが聴こえたな……どこかに情報を提供するとかなんとか……。

 話の流れからして、情報とは僕のことだろう。

 

「……?」

 

 僕の情報を誰が好き好んで買うのだろうか? 

 謎である。

 

 さて、余計な”気”を使ってしまったが誤差の範囲内だ。

 休憩はこれくらいにして、飛んでいこう。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 西の都を出てから約半月が経過していた。

 今回は少々急を要するので、殆ど飛行の旅となった。鶴仙人様の言いつけを破ることとなったが、まぁこれは仕方ない。臨機応変に行こう。

 そして舞空術を使い続けたおかげか、僕の気の総量が順調に増加している。

 これは嬉しい誤算の一つと言えよう。

 

 さて、まず僕はパオズ山に向かい、そこを旅の始点とした。

 原作において僕が覚えている地名がパオズ山しかなかったからである。

 とは言え、これからどの方角に進むべきかとパオズ山(ふもと)の山賊団アジトで悩んでいたら、以前耳無しに頼んでおいた情報が携帯に届いた。

 パオズ山周辺で極道的なことをやっているうさぎの情報である。

 

 どうも耳無しは”パオズ山周辺”と言う曖昧な指示に対し、かなり広い範囲の解釈で調べてくれたみたいだ。パオズ山を中心に半径3000km程の情報が僕の手元に届いている。

 しかしやはり”うさぎ”のカテゴリーに属する獣人やくざは少ないのか、名簿にある名は全部合わせても二十三人しかない。

 そして、その中に覚えのある名を見つける。

 

 兎人参化(とにんじんか)

 

 そう言えばこんな変てこな名前だったな~と、ついでに前世も思い出して、少しノスタルジックな気分になる。

 

 ブルマさんが旅に出る九月まで残り十一日。

 長期休暇が十月に終了すると言っていたので、そこから逆算して考えると、彼女が孫悟空と出会い、物語が始まるまでもうあまり時間の猶予はない。

 その前に兎人参化(とにんじんか)を配下にし、ピラフ城を見つける。

 これが僕のとりあえずの目標である。

 

 パオズ山を出発し、ヤムチャとエンカウントしたのは二日前。そしてつい先日、フライパン山を上空から見学した。

 燃え盛る火炎山を見て、感動がじわじわと僕の内側から溢れ出す。

 今僕はまさに、ドラゴンボールにおける初期の舞台の真っ只中にいるのだ。

 

 

 

 ぼーと飛んでいたら、いつの間にか荒野を抜けていた。

 辺りには背丈1m~10m程の巨大きのこが樹木のようにあちこちから伸びている。

 地面の土は未だに水分の少ない乾いたもので、巨大きのこ以外の植物は見当たらない。

 そして進むごとに、巨大きのこの数はどんどん増えていった。

 

 僕は巨大きのこを避けながらの飛行を続けていた。

 この何だかファンシーな光景を楽しむ為に、地表すれすれでの超低空飛行を行っているのだ。

 

 

 そして、このきのこの回廊を飛び続けて、二時間が経過した。

 

 

 

「えい」

 

 すれ違い様に巨大きのこにパンチ。

 ボコッと(えぐ)れるきのこの幹。

 結構硬い。通常の樹木とほぼ同じくらいだ。

 面白い。本当にこの世界は不思議で一杯である。

 

「あ」

 

 顔を前に向けると、視界が一気に広がった。

 巨大きのこの森を抜け、砂色の町が見えてきたのだ。

 突き出た丸い屋根や三角錐の屋根。石造りの家が数多く立ち並ぶ町並み。

 中々に広そうである。これだけの面積があれば、都市と呼んでも差し支えはないだろう。

 

 よし。

 飛行スピードを上げて町の中へ。

 

 

 

 

「わわ!?」

 

「な、なんだ!?」

 

 シュタッと着地する僕に驚く周りの通行人。

 気にせずに通りを進む。驚愕した人々も特に大騒ぎすることなく、いつもの生活に戻っていった。

 そもそもこの世界では、人間が空から降りてくるのはまぁ、珍しいだろうが有り得ないことではないのだ。伊達に種族が多いわけじゃない。少々の非常識は皆、”あら、びっくり”程度で終わらせてしまう。

 

 キョロキョロと辺りに目を向けながら大通りを歩く。

 町全体がオリエンタルチックな砂色である。街路樹のように巨大きのこが道の両脇に並んでいて、先へと続いていた。

 所々椰子の木が首をもたげているのを見て、”久しぶりにきのこ以外の植物を見たな~”などとどうでも良い事を思う。

 

 道には駱駝(らくだ)を引くターバンの男性、巨大きのこの下では井戸端会議をしているヒジャブや二カーブの女性。まさにアラビア~ンでイスラム~な光景である。

 僕はそんな異国情緒溢れる景色の中を歩いていた。

 

 そのまま通りを進んでいると、辺りは徐々に活気のある空気に包まれていった。

 喧騒が耳に届いたのだ。

 一歩進むごとに、それらは段々と無視できないボリュームへと変わっていく。

 

「らっしゃいっらっしゃいっ!」

「ナツメヤシ~! 甘い甘~いナツメヤシ! 1kgたったの百三十ゼニー!」

「採れたてだよ~! 今朝採れたて~!」

「舶来品! 舶来品! 舶来品の壺はいかが~!」

 

 うん、うるさい。

 故郷の蚤の市を思い起こさせる。どうやらここは市場らしい。

 

「ほい、坊主坊主。ちょっとこっち来て見」

 

 露店の中から、フェズを頭に被った髭のおっちゃんが僕を手招きする。

 なんだろ?

 

「坊主、観光だろ。

 おっちゃんマームール売ってんだ。甘くて美味しい老若男女誰もが気に入る」

 

 なんだ。呼び込みか。

 

「おやつにしてよし、お土産にしてもよし。

 おすすめだよ~。今なら特別に安くするぞ~。どうよ?」

 

 んっと……。

 うん。買ってこう。丁度小腹も減ったしね。

 

「いくら?」

 

「なんと一袋たったの六百ゼニー! さーどれにする?

 こっちはナツメヤシが入ってて、こっちは胡桃(くるみ)だ」

 

「何枚入ってる?」

  

「う~ん。十二,三枚くらいかな?」

 

「うん。買う」

 

「毎度あり~」

 

「五十ゼニーで」

 

「…………え?」

 

「お腹減ったー。はやくー」

 

「いや、坊主。五十じゃなくて六百……」

 

「はい、五十ゼニー」

 

 流れる動きで五十ゼニーを手渡す。反射的に受け取るおっちゃん。

 

「う、うん。いや、じゃなくてね」

 

「ナツメヤシの方で」

 

「は、はいってそうじゃなくてね」

 

 またしても反射的に僕にマームールが入った袋を手渡すおっちゃん。

 

「適正価格」

 

 袋を持ちながら僕はにこにこして言う。

 さっき、原材料のナツメヤシが1kg百三十ゼニーで売られていた。これくらいのサイズの袋に入ったマールームならこんなもんだろ。

 それに、僕が五十ゼニーを渡したらおっちゃんは反射的にそれを受け取ったのだ。きっとそれだけ常日頃から、この程度の小銭を受け取ってきたのだろう。

 僕の商品要求に対し、これまた反射的にマールームの袋を渡したのも、心の中でおっちゃんがこの五十ゼニーという値段に納得しているからに他ならない。

 

「いや、まいったね~。

 でもこれだけの量があれば、適正価格は百ゼニーくらいだよ。

 さすがに五十ゼニーと言うのはねぇ……」

 

 苦笑いするおっちゃん。

 僕は受け取った袋を開けてみる。

 

「かなり砕けてる。不良品だから五十ゼニー」

 

「いやいや、そんな、砕けてないマームールなんて大きい百貨店にしか売ってないよ」

 

 うん、そうかもしれない。

 僕のこれはただのいちゃもんだ。

 しかし、すでに商品を僕に渡した時点でアドバンテージはこちらにある。

 ここで僕が何も言わずに立ち去れば、それで交渉の余地なくこの件は終わりだ。

 

「道教えて。ボーナスあげる」

 

「道? 坊主、迷子だったのかい」

 

「うん、そんなもの。

 うさぎ団の本拠地が知りたい。どこか分かる?」

 

「う、うさぎ団って……、あんな物騒なとこに何しに行くつもりだい、坊主」

 

 さすがに驚いた顔をする。

 

「大丈夫。待ち合わせ」

 

「待ち合わせって……あんなとこで……?」

 

「知ってる?」

 

「あ、あぁ……。

 ここの道を真っ直ぐ行って市場を抜けて、最初の大きな交差点を右に曲がる。そっから延々と歩いて二十分くらいだな。そしたらでっかい人参(にんじん)の建物があるから……まぁ、見りゃ分かる」

 

「ありがとう」

 

「いいか坊主、あそこに近づくんだったら本当に気をつけろよ。

 待ち合わせしてる奴に会ったらすぐ離れるんだ」

 

「うん。分かった」

 

 ポケットから三千ゼニーを取り出し、露天のカウンターに置く。

 

「はい。ボーナス」

 

「お、おーー!?」

 

 そのまま踵を返し、立ち去る。

 どうせはした金だ。今の僕は割りとお金持ちなのである。

 

 ふふんっと、ちょっといい気分になって市場を歩く。

 辺りは変わらず売り子の呼び込みの声に満ちていた。

 

「赤い、赤いりんご~! 甘い、赤いりんご~!」

「ねえちゃん、無花果(いちじく)なんてどうだい。いや保障するから、ウチのは絶対に酸っぱくねぇって」

「マームール! さくさくマームール! 三十個入りで三十ゼニー!

 はい、安いよ安いよ~! マームール、三十個入りで三十ゼニー!」

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 ……ボーナス、上げなくてもよかったかも。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「……」

 

 目の前に大きなオレンジ色の人参(にんじん)がある。

 もちろん本物ではなく、人参の形をした三階建ての建築物だ。

 

「…………」

 

 僕の頬に一筋の汗が流れる。

 すごいセンスである。

 ヴィオラートに通じるものを感じる……。

 

 前にも述べたことがあるが、僕がここに来た目的は兎の獣人、兎人参化(とにんじんか)を配下に引き入れることである。

 

 僕は考えた。

 地球人の身体能力ではどう逆立ちしても強力な異星人には勝てない。

 基礎能力がまるで違うのだ。

 ならどうするのか。

 負けることが地球人類の存亡に関わる為、簡単に諦めることは出来ない。

 そしてここを現実として生きていく以上、全てを完全に主人公に放り投げるのもなんだか不安である。

 

 僕は再び考え込んだ。

 そもそも、単純な身体能力だけのガチンコ対決で強力な異星人に勝とうとすること自体間違いなのだ。

 素手で老虎(ろうこ)に挑む人はいるのか?

 いる訳がない。

 もしいたとすれば、それ阿呆(あほう)か独歩さんである。

 まともに戦って勝てない相手は、それ以外の方法で無力化しなければならない。

 つまり僕ら地球人に必要なのは、虎に対する猟銃のような、そんな切り札だ。

 とは言え、地球の科学技術で作り出せる兵器が奴らに通じるとは思えない。

 戦車は怪獣に踏む潰されるのがお約束なのである。 

 

 さて。

 この地球上には摩訶不思議な生命体、通称人間が数多く存在する。

 その中には反則的な一芸に秀でたものが、少数ながらもいるのだ。

 ならばそれを利用して行こうと言うのが、今回の僕の行動理由である。

 

「おい、糞餓鬼! てめぇ、さっきからウチの前を何ウロチョロしてんだよ」

 

「ははは」

 

 人参の中から兎耳(うさみみ)軍服のおっちゃんが二人出てきた。

 頭をすっぽり覆うパイロット用の軍用帽子とゴーグル足す(うさ)な耳。

 ……一体誰得なのだろうか……? と言うか、暑くないのだろうか?

 そして可笑しなことを言う。

 僕は玄関の前にジーと立っていただけで、ウロチョロなどしていない。

 

「今俺ら丁度暇してんだよ。どうだ? 暇潰しにお兄さん達が整形してやろうか?」

 

「おいおい、怯えてんじゃねぇか、ぎゃははははは」

 

 片方のおっちゃんがなんか自分のことを”お兄さん”とか図々しいことを言っている。そしてもう片方は笑い上戸のようだ。ついでに目も悪いらしい。

 とりあえずこいつらには用がないので軽くぱんち。

 

「うんぎゃっ」

 

「うぷっ」

 

 前にいる兎耳をブッ飛ばし、後ろにいる兎耳にぶつける。

 

「な、な、こ、こいつ、やべーぞ」

 

「あ、あにきー、来てくれーあにきー!」

 

 軽すぎたか。

 這って人参の中に戻りながら、あにきなる人物を呼ぶ二人。

 

「なんだ? どうした、お前ら」

 

「まったく、人騒がせな」

 

 呼ばれて出てきたのは髭の生えたデブと煙管(キセル)を咥えたノッポ。

 同じく兎耳に軍服のファッションだ。

 顔に付けたゴーグルが日の光を反射してピカッと光り、左胸のデフォルメされたうさちゃんマークが愛らしく微笑んでいる。

 そして二人の左腕に”うさぎ団”の腕章。

 

「あ、あの餓鬼がー」

 

「助けてくれよーあにきぃー」

 

「……マジで言ってんのか、てめぇら?」

 

「こんな子供に……だからいつまでたっても仮団員のままなんだよ、お前らは!」

 

 縋りつく下っ端に蹴りをくれてやるノッポ。

 

「で、てめぇはなんだ? 糞餓鬼」

 

「二,三発で勘弁してやろう。そうしたら消えていいぞ。

 そら、じっとしてろ」

 

 状況を把握しているのか把握していないのか、意味不明なことを言う二人。

 とりあえずこいつらには用がないので軽くぱんち。

 

「うんぎゃっ」

 

「うぷっ」

 

 前にいるデブをブッ飛ばし、後ろにいるノッポにぶつける。

 

「な、な、こ、こいつ、やべーぞ」

 

「お、親分ー、来てくれー親分ー!」

 

 這って人参の中に戻りながら、親分なる人物を呼ぶ二人。

 ……なんかデジャヴュ。

 

「どうしました、あなた達。人騒がせな……」

 

 出てきたのはチャイナ服にサングラスのうさぎ。

 間違いない。目当ての人物だ。

 

 

 耳無しから送られた資料によると、名は兎人参化(とにんじんか)

 うさぎ団という少数精鋭の黒幇(ヘイバン)を率いている。

 彼の能力はその名の通り、人参化。

 触れた生物を人参にすることが出来るのだ。

 

 原作漫画において、彼は敗北した孫悟空により強制的に月へと放逐される。

 その後、天下一武道会で大猿と化した悟空を元に戻す為、亀仙人が月を破壊。

 月と共に木っ端微塵となった可哀相なうさぎさんである。

 

「で、でも、あの餓鬼がー」

 

「情けない声を出すんじゃありません。まったく、こんな子供相手に――」

 

 うさぎさんが絶句し、立ち尽くした。

 サングラスがズレ、口は半開き。目は大きく見開いている。

 

「あ、あなた達!

 喧嘩を売る時は相手を見て売りなさいとあれ程言ったでしょ!」

 

 うさぎは引き攣った笑みを浮べながら、揉み手で近づいてくる。

 

「すみません、坊ちゃん。

 ウチの馬鹿共がご迷惑をお掛けしたみたいで……」

 

「お、おやぶん!?」

 

「どうして!?」

 

「黙りなさい! そして良く見るのです。あの胸の”鶴”の一文字を!」

 

 僕の胸を指差すうさぎ。

 

「あ……あー!」

 

「これは坊ちゃんが鶴仙人様(ゆかり)の者である何よりの証明!」

 

 うわぁ……。

 鶴仙人様、こんなとこにまで影響あるの?

 

「そして白いご尊顔に大きなお荷物。

 この方こそ今(ちまた)で有名な暴れる災害! 小白鬼(ショウバイグィ)様その人なのです!」

 

「え? ……ひっ、ひぃぃぃ~!」

 

「こ、殺さないでくれ~!」

 

 え?

 それ、どこの(ちまた)

 で、何? その変な二つ名みたいの。

 

「と言うわけですので、どうかお許しください。

 何でも致しますので、お命だけは……」

 

 深く頭を下げるうさぎ。

 

 それにしても……………………いひひ。

 何でもするとは、何と言う棚牡丹(たなぼた)

 

「うん。

 ならお前、僕の子分になる」

 

「え?」

 

「選択権はない。拒否したら殺す」

 

「え!?」

 

「お前を鍛える。一緒に来い」

 

 超能力でうさぎを持ち上げる。

 何しろ触ったら人参になってしまうからね。

 

「うーわわわわわ」

 

「お、おやぶん~」

 

「置いてかないで~」

 

 手を伸ばすデブとノッポ。

 

「ん。ならお前らも来る」

 

 超能力でこの二人も持ち上げる。

 

「え? い、いや~、あの」

 

「ちょっと遠慮したいかな~~なんて――」

 

 僕も空に浮かび上がり、持ち上げたこいつらと共に飛行を開始。

 

「ひ、ひ~~!」

 

「いやーー!」

 

「なんでおれまで~!」

 

 さー、楽しい楽しい修行の時間だ。




今日のトリビアをキミに
用語解説 出た順

黒色収入
 灰色収入とは出所が不明瞭な収入のこと。主に賄賂など。
 では、それが黒色になるということは……。

ヒジャブ
 イスラム教女性が身につける髪を隠す為の頭巾。
 髪は隠して顔を出す

二カーブ
 イスラム教女性が身につける髪を隠す為の頭巾。
 目だけ出し、顔を全て隠す。

フェズ
 トルコ帽子のこと。
 背の低いバケツ型の帽子。頭頂部から房が垂れ下がっている。

マームール
 クッキーでアーモンドやらピスタチオやらナツメヤシやらレーズンやら胡桃やらを包んだもの。腹にたまるなかなかのボリューム感。サイズは一般的に小さめのまんじゅうくらいある。

ヴィオラート
 某にんじん村のにんじん大好きな錬金術師。

独歩さん
 愚地独歩(おろちとっぽ)。素手で虎を仕留めちゃうすごいお方。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。