ラブライブ! とある吹奏楽部員とμ'sの軌跡   作:ルカイン

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一月中になんとか投下できた……!

というより書いてるうちにまた吹奏楽のほうが
内容多くなってしまった……!
こんな駄文に付き合ってくれる読者の
皆様には感謝感謝です!



見る、見透かす

 

花陽を説得(?)した後俺は丘野月へ向かう

ために校舎を出、最短距離である校庭を

突っ切って行こうとしていた。

 

「……まだ間に合うか、ギリギリだけど」

 

腕につけた時計を確認し、顔を上げると

視線の先に見覚えのある影が映る。

 

「あれは……」

 

オレンジのショートカットにあの後姿……

間違いないな。

 

「おーい、凛ー!」

 

「ん……?あっ!ゆら君!?」

 

「よ、久しぶりだな凛」

 

花陽の大親友、星空凛だった。

転校初日からやけに知り合いに会うな……

 

「びっくりしたよー……いきなり

転入生としてゆら君が入ってくるんだもん!」

 

「俺もさ、花陽と凛もここにいるって聞いた

ときは驚いたもんさ。

そういや、凛は何してたんだ?」

 

「凛は陸上部の見学おわってかよちん

待ってたとこ!」

 

陸上ねぇ……元気で運動神経もいい凛らしい

といえばらしいかもな。

 

「……ついさっき、花陽にも会ったよ」

 

「ホント!?」

 

「あぁ、掲示板の前にいたよ。

相変わらず、あいつはアイドル好きだったな」

 

「かよちんは相変わらずだにゃぁ……」

 

「にしても、珍しいな……花陽と

別行動なんて」

 

「そうかにゃ?」

 

……凛が、少し寂しそうな顔をしたのを

俺は見逃さなかった。

 

「……凛さ、あの時のこと……

まだ気にしてんじゃないのか?」

 

「……!」

 

「……やっぱな。

制服のスカートだって、ちょっとまだ

抵抗あったりしないか?」

 

「……ゆら君はすごいよ……凛のこと

何でも見抜いて」

 

これは……相当キてるらしいな。

それほどまでに凛にとってはトラウマなんだ。

 

「……正直、俺はお前にどういう言葉を

掛ければいいのか分からない。

慰めの言葉だって、凛にとっては

疑い深いものかもしれない……からさ」

 

「ううん、ゆら君は嘘つかないもん。

だから……そう思ってくれるだけでいいんだ。

第一、ゆら君嘘下手なんだもん♪」

 

「ぐっ……お前なぁ…」

 

少しでも……僅かでも凛の心が救われるなら

……いや、まだだな。

……真の意味では、このままじゃだめだ。

 

「……なぁ、凛」

 

「?なにかにゃ?」

 

「お前も、花陽と同じところに……

立ってみないか?」

 

「え……?」

 

ようやく、本題を切り出せた。

 

「段々とだけれど、あいつも決意を

し始めてる……それにさ、凛も……ちょっと

憧れたりするだろ、アイドル」

 

「っ……でも、凛はむりだよ……

髪だってみじかくて、女の子らしくも

なくて……とてもじゃないけど……」

 

「周りがどう思うかなんて聞いてないよ。

第一な、向いてないから無理、なんて

花陽が言ってるのと同じだぞ?」

 

あーだめだ、また説教くさくなっちまう。

いつもこうだ、いっつもこんなことしか

言えないんだ、俺は。

だけど、こうでもしないと……あいつらは

進めなくなっちまう。

言葉だけでも、思いだけでも、俺は迷ってる

背中があるなら……そっと押してやりたい。

だから、言葉を続ける。

 

「始めるまで向き不向きなんて分かんねぇ。

やってみてちょっとでも楽しい、もっと

やってみたい。そう思えたならそれは

正解なんだよ」

 

「……ゆら君……こんな凛でも、いいのかな?」

 

「おう、俺が保証してやる。

お前は可愛いしな、惚れるやつだって

出てくるって!絶対な」

 

「かわっ……!////

もう、またゆら君はそんな事言って!」

 

顔を真っ赤にして照れてんのか怒ってんのか

分かんない凛。

あのな……

 

「だからさ、そういうとこも

可愛いんだよ♪」

 

「っ……ゆら君のばか!////」

 

「ん、ちゃんと笑えるな。

お前の武器はその笑顔だ、大丈夫……やれるさ」

 

「……うん」

 

「ほら、花陽んとこ行ってやれ。

俺はこれから丘野月で練習あっから。

……明日、µ’sと一緒に屋上で待ってる

決心ついたらきなよ」

 

「うん!ありがとうゆら君!」

 

大丈夫、今はこれでいい。

一つ一つ、一歩を確実に踏み出せてる。

俺はあいつらにとっての影でいればいい。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

「すみません、ちょっと遅れました」

 

「おう、気にすんな高槻!

合奏まだだから今のうちに音出しして来い」

 

「はい!」

 

たった少し居なかっただけなのに、もう

随分とここを離れていたような感覚に

襲われる。

ここは、俺にとってのホームにも等しい。

自宅、今通ってる音ノ木、丘野月の部室。

ここを中心に、今の俺があると言っても

過言ではないだろう。

 

「さーて、やったりますかぁ!」

 

楽器を出し、マウスピースを当て音を出す。

ある程度慣らし、楽器本体にマウスピース

をはめる。

 

「今日もよろしくな、相棒」

 

B♭〜♪

 

 

ーー数分後

 

「よし、揃ってるわね。

じゃ、合奏していくよ!」

 

「「「「はい!」」」」

 

「それじゃ……まずは課題曲から。

❮勇気のトビラ❯の準備して!」

 

まずは課題曲か。

なら、ひとまず俺はトロンボーンに持ち替え

だな。

トロンボーンなら姉ちゃんに一通り

教わってるし、俺のもう一つの武器と言っても

いいくらいだな。

 

「よっ、トロンボーンパートにおかえり由羅」

 

そう話しかけてきたのは、トロンボーンの

パートリーダー吾妻拓斗(あずまたくと)先輩。

金管のまとめ役で、普段は冗談を言ったり

して場を和ませるが、演奏になると豹変。

獲物を狩る狼のような眼光になる。

実際、吾妻先輩の本気の音量や技術は

部内でもトップクラスの実力だ。

その実力から部内では

❮固定砲台❯、❮1人ファンファーレ❯などの

異名すら飛び交っているらしい。

 

「先輩……俺のホームはトランペットです」

 

「良いだろ?ちょっと浮気してもよぉ♪」

 

「そんな交際関係じゃないんですから……

ほら、始まりますよ?」

 

「っと……俺も負けられないんでね。

今日はお前を喰わせてもらうぜ」

 

「いいですねぇ……一勝負……しましょうか」

 

そうしているうちに先生が指揮棒を構える。

 

「1…2…3…4!」

 

曲が……始まった!

前半の中低音達は大人しく自分の

役目に徹している。

 

この曲の前半の主役は高音達だ、俺達で波を

作り、気持ちよく吹いてもらう。

それが役目だ。

 

「(さぁ、もうすぐ俺らのターンだ!

着いてこいよおめーら!)」

 

「(キタ……!吾妻先輩にスイッチが入った!)」

 

曲の中盤、それまでのメロディから一変。

俺達中低音が勇ましいメロディを奏でる。

中低音のパワーの源はトロンボーン

そして吹奏楽の全ての根本、チューバだろう。

この2パートは、いわゆる2振りの剣。

だが、それはまだ荒削りのなまくら。

この剣の真価は……!

 

「(ったく、あんたらだけで突っ走るんじゃ

ないよ全く……!)」

「(折角暴れるなら、中低音皆で、ネ♪)」

 

キタ!ほかの中低音達が俺達に力と鋭さ

を与えてくれる!

この皆のパワーが、2振りの剣の切れ味を

増してくれる。

 

「(っ……互角(食い切れなかった)か……)」

 

「(危なかった……首元まで牙はあった……

まるで本物の狼が迫るような……

……?本物の……狼……?)」

 

……まて、何故ここまで正確なビジョンが

見えたんだ?

こういうイメージで、という演奏は

今までにもして来た。

だけど、今は違う。演奏のかたわらに

正確な光景が、今まさに俺を食いちぎらん

とする狼の姿が……ハッキリと見えた。

 

「(……まさか、共感覚(シナスタジア)か……?)」

 

ーーーーーーーーーー

 

「本日の合奏はここまで!」

 

「「「ありがとうございました!」」」

 

終わりの挨拶が、音楽室に木霊する。

俺は、ある疑問をハッキリさせるために

先に部室を後にし、ある人物に電話する。

 

「……あ、もしもし?神峰か?」

 

「ん?……あぁ高槻か!合同以来だな」

 

「だな。急に電話してすまないな、

お前も忙しいだろうに」

 

「大丈夫だって、丁度部活終わったとこだから」

 

電話の相手、それは以前鳴苑との合同練習で

連絡先を交換した学生指揮者、神峰翔太。

あれ以来、何だかんだ連絡する機会無かった

からこれが初めてだ。

 

「それで、どうしたんだよ?」

 

「あぁ、ちょっと聞きたいことがあってな?」

 

「聞きたいこと?どんなだ?」

 

「あぁ……実は……」

 

自分の見たものを覚えてる限りで

神峰に話す。

演奏中に情景が見えたこと、目の前の

狼のビジョンがハッキリと見えたこと。

すべて伝える。

 

「……て、感じなんだが……

なにか分からないか? 」

 

「……高槻、それ間違いなく共感覚だ」

 

……やはりか。

まさか、俺にそんな力があったなんて

考えもしなかった。

 

「音を聞いて味を感じる、音を聞いて色が

見える……あんたの場合は情景が……景色が

みえる共感覚だな」

 

「景色……ね」

 

「……高槻、俺は確信した」

 

「確信……?」

 

俺の能力で、なにを?

 

「お前のその目、伊調や俺よりも

鋭敏な共感覚になってくる。

んでもって、なによりも俺達の全国金賞

へのドデカイ壁になる」

 

「……ははっ、まさかお前にそこまで

言われるなんてな…

こりゃ、なおさら負けらんねぇよ。

首洗って待ってろよ神峰、全国で会おうぜ」

 

「おう、またな」

 

新たな能力、それが導く末に

何が見えるのかな?





誤字脱字、アドバイスなどありましたら
よろしくお願いします。
一文でも作者にとっては創造意欲を
掻き立てるのに充分なのですw
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