許してくださいなんでもしますから!
(何でもするとはいってない)
「起立、礼!」
「「「「ありがとうございましたっ!!」」」」
いつもの部活の終わり……
先生との相談の結果、俺はトランペットと
ユーフォニアムの持ち替えでやることになった。
「ふぅ……」
「よ、お疲れ」
「ん、九野(くの)もお疲れー」
「どうよ、調子の方は?」
「んー……まあボチボチ…かな」
「なんだ、珍しく自信なさげじゃんか
いつもなら完璧だとか言いそうなんだが」
「俺だって人間だ、ビビることくらいある。
それに……悲願の全国に行こうってのに、
こんなことしていいのか…今も不安さ」
そう、あの後よく良く考えたものの
自分の判断が正しいのか分からなくなっていた。
トランペットに集中してるべきではないか?
もっと他にやるべき事があったのではないか?
そんな考えばかりが頭をよぎる。
「……お前は俺らより実力が群を抜いて
上だ、知識もある。どうしたら効果的なのか
お前が一番良く知ってるはずだ……なんて
押し付けがましいにも程があるけど……
高槻の判断は、いつも俺達をいい方向へ
導いたんだ……もっと誇っていいんだぜ?」
「…………九野」
「ん?」
「……ありがとな」
「なーに、気にすんな。
お前が誘ってくれなきゃ、俺はコイツに……
オーボエに出会うことは無かったんだからよ」
「入ったのはお前の意志だろ?
だから……ありがとう」
ーーーーーーーーーー
「自分の行動を誇れ……か」
正直、そんな事考えたことも無かった。
誇るということは、同時に自分の選択を
悔いないことでもあるのだろう。
「後悔しない…………選択……」
〜〜♪
着信だ……誰からだろう?
「もしもし……?」
「あっ、ゆうくん?今暇?」
「ほ、穂乃果?あ、あぁ……もう部活も
終わったし帰るとこだが……」
「お願い!いつもの公園まで来て!約束だよ!」
「あ、おい穂乃果まてこら……!」
ブツッ……プーッ……プーッ……プーッ……
「切りやがった……」
あいつ……要件も話さずに何だってんだ?
ーーーーーーーーーー
「あ、いたいた。穂乃果ー?」
「ゆうくん!来てくれたんだね!」
「来てくれたもなにも……あなたが呼び出したんでしょう?」
公園にはどうやら穂乃果だけではなく
もう2人も来ていたようだ。
1人は長く綺麗な黒(青?)の髪の、いかにも
大和撫子という感じの園田海未。
もう1人はほんわかおっとり系の何だか
特殊な髪型の南ことり。
「や、久しぶり……ってほどでもないか」
「そうですね……
お呼び立てして申し訳ありません……
えっと……」
「由羅でいいよ、一番呼ばれ慣れてる」
「では……改めてすみません由羅……」
「まーまー気にしないで。
穂乃果に振り回されるのは今に限った
ことじゃないから……」
「あ、ひどいゆうくん!」
「そう思うならもうちょっと落ち着いて
行動しような……要件もまだ聞かせてもらって
ないんだからさ……」
「あれ、穂乃果ちゃん……要件話して
なかったの?」
「あはは……早く来て欲しくて忘れてた……」
「全く……あなたという人は……」
どうやら、お互いに穂乃果で苦労しているようだ。
「それで、要件ってのは?」
「はい……えっと、まず私がスクールアイドル
を始めたというのは……」
「あぁ、それは穂乃果から聞いてるよ」
「なら、話が早いね♪」
「ん?どういうこった?」
「あの……大変お恥ずかしいのですが……」
あれ、このあとのセリフが大方想像
できるぞ?おかしいなぁ……?
「私達……始めたはいいけどまだ曲とか
全然なくて……」
「なので、アイデアだけでも!
私達に手を貸してはくれませんか!?」
やっぱりな……アイドルというからには
曲とかそういったものが必要不可欠になる。
出来たてホヤホヤのグループが曲を
持っているはずもなく。
それで音楽に携わっている俺に手を貸してほしいと。
「……手を貸してやりたいのは山々なんだがな」
「え……?」
「生憎俺も部活が忙しくてね……いつでも
合流したりとかは出来ないんだ……
まぁ……都合がつけばなるべく君達に
合わせようとは思うんだが……」
「……構いません」
「私からも……由羅くん……お願い!」
「ゆうくんの意見があるだけでも充分なの!
私達……本気で学校を救いたいの!
だから……!」
「……」
俺は、じっと三人の目を見た。
逸らさずに、合わせ続ける。
本当に本気か、意思は揺らがないのかを
確かめるために。
一分?それとも十分?または更に長い
時間だろうか?
それだけ経っても、三人の目はずっと俺だけ
を見つめ、逸らすことは無かった。
「……分かったよ、協力する」
「「「……!」」」
「ただし、さっきも言ったけど付きっきり
でいられるわけじゃない……それに、廃校を
阻止するためには、色んな困難があると思う。
きっと、とんでもない理不尽だってあるかも
しれない……ましてやアマとはいえアイドルを
やるんだ…体力や精神力だっている。
それら全部ひっくるめて……❮最後まで❯
やり通せる?諦めないって、言える?」
「……大丈夫、穂乃果は、絶対諦めないよ」
「無論です……!やるからには、全力です!」
「私も……待ってるだけじゃ結果はでないもん……
絶対諦めない!」
あぁ……いい目をしている。
「よし……分かったよ。
俺も、出来うる限り皆との時間は作るように
努力してみるよ」
「ゆうくん……ありがとう!」
「……見返り……といってはあれなんだけどさ」
「何でしょう……?」
「8月から……もしかしたら11月まで……
吹奏楽のコンクールがあるんだ。
君らの都合が付いたらでいい……良ければ
見に来てくれないか?」
「由羅くんの吹奏楽部……うん!
ことり、絶対見に行く!」
「私も!コンクールってことはゆうくんの
本気でやってるところが見られるんだよね?
だったら、行かない手はないよ!
ね、海未ちゃん?」
「えぇ……私達にお忙しいなか協力してくれる
のですから、これくらい…………
いえ、実を言うと……私自身が吹奏楽というものに
興味がでてきまして……是非見に行きたいです!」
「……皆、ありがとう」
「よーし!それじゃぁ早速会議だね!
私の家にゴー!」
「えっ、もう決めるのですか……!?」
「当たり前だよー、善は急げっていうじゃん!」
「はははっ……!
あいつらしくていいじゃんか、な?海未?」
「うみ…っ…!?////」
「あ〜♪海未ちゃん照れてるー♪」
「も、もう……からかわないで下さいことり……!」
「三人ともー!何してるのー?
早く早くー!」
「……あぁ、今行くよ!」
ーーーーーーーーーー
「で、あてとかはあるのか?」
そんなこんなで、現在穂乃果宅で今後の作戦会議を行っているところだ。
何だかんだ女の子の家にお邪魔するのは初めてなので
内心、心臓バックバクである。
「うん……衣装はことりちゃんがそういうの得意
だからお願いしてて、歌詞は海未ちゃんに。
あとは曲だけなんだ……」
「まぁ……そうだろうな……
曲なんてそんなポロポロ作れたりするわけ
でもないからな……」
「それでね?実は……あて…というかはわからないんだけど凄い歌の上手い子を見つけたんだ」
「あぁ……前に話していた一年生の?」
「うん、確か名前は……
❮西木野❯さんだったかな?」
……ん?西木野……?
どこかで聞いたことがあるような……
……西木野……まさか。
「穂乃果、その話…もう少し詳しく聞かせてくれ」
「ふぇ?あ、うん……えっと……何から話せば
いいかな?」
「見た目でも何でもいい、その人について
知ってること覚えてること…話してくれ」
「うん……えっとね……?」
~~~~~~~~~~
「ふむ……なるほど……」
間違いない、今の話を聞いて確信した。
穂乃果のいう西木野さんとは絶対にあいつのことだ。
「穂乃果……俺、もしかしたら……いや。
ほぼ絶対に、ソイツを知ってる」
「えっ!?そうなの由羅君!?」
「本当ですか!?」
「あぁ……西木野総合病院…知ってるだろ?
俺、あそこに小学生の頃は体が弱い方だった
からよく通ってた、たまに入退院もしてたし。」
「ゆうくんが……入退院を……?」
「(こくり)
そん時に、よく病院内をぶらぶらしてたら
あいつに良く会ってな。
話してる内に仲良くなってた、そう…真姫とな」
「そうなのですか……」
確かにあいつは昔から歌や音楽が好きだった。
吹奏楽部に勧誘した事もあったが、家業の跡継ぎ
として勉強を……とか言って断られたっけ。
「……もし真姫に会えたら、俺からも進言しとくよ」
「ほんと!?ありがとうゆうくん!」
「ま、こんくらいはしないとな……」
「本格的に道が見えてきたね、穂乃果ちゃん!」
「うん!」
「これは明日も是非頑張らないといけませんね……」
「大丈夫、やれるさ」
明日にでも、真姫に会えたら話でもしてみよう。
各キャラ呼び方まとめ
❮由羅→μ’s❯
高坂穂乃果→穂乃果
園田海未→海未、(たまに海未ちゃん)
南ことり→ことり
西木野真姫→真姫
星空凛→凛、凛ちゃん
小泉花陽→花陽ちゃん
矢澤にこ→にこさん、(たまにパイセン)
綾瀬絵里→絵里さん
東條希→希さん
主は真姫ちゃん推し