High School DxD Another Route 作:明日凪
一挙二話!
もう無理ぽ(´・ω・`)
「知りません…わかりません…!」
「あ、おい…!」
まるでこれ以上は聞かないとでも言うかの様に彼女は走り去って行く、その背中は何処か悲しげで小さくて
とても危うく思えた。
『知りません…わかりません…!』
「っ…」
家に帰っても思い出すのは、彼女の残したあの言葉ばかりだった。
いない では無く、わからない という言葉を選んだのはどういうことか?
何故あの子はあんなに哀しそうな顔をしていたのか、そんな疑問符ばかりが頭を過る。
あんな表情をした女の子が目の前にいたのにも関わらず、俺には何も出来なかった。
転生をして新しい自分になっても所詮は唯の人間であり超能力も魔法も使えない無力な存在だという現実に気付いてしまう
何がアニメや漫画の主人公だよ、人よりも少し運動が出来て頭が良い程度の【俺】でしかないじゃないか。
もしもアニメや漫画の主人公なら殺人鬼を捕縛出来たかもしれない、あの子を救うために手を差し伸べる事も出来ただろう
でも俺はどうだ?何もせずにダチと駄弁って、家に帰って来てまた同じ様な日々を過ごしてて良いのか?
俺は何の為に神様の申し出を受けたんだよ、強い主人公に憧れたからじゃないのか?
時計を見れば時刻は深夜を指している、母さんも今頃は眠っているだろう
ハンガーに掛けてあったコートに身を包み、ネットで拾った事件現場の地図をプリントアウトしてポケットに突っ込んだ
何か出来る力があるのなら今動かなくてどうする、その思いだけが俺の身体を動かしていた。
夜の帳が降り始めた、私は高層ビルの屋上に昇り眼下に広がる街の明かりを見やる。
やはり夜は良い、余計な考えも過らず冷静に自分を省みることが出来るのだから
私が私でいられる刻、それを再確認出来て私は安堵している。
あの場所を離れてから数刻過ぎた頃だろうか、主から念話が入った。
内容は簡単でいつも通り、選定した獲物を狩って来いという物だった。
「きばゆうと…」
駒王学園一年生 木場佑斗という人物が主が選んだ獲物、初めての【大物】という事になるだろう
仕留める事が出来れば主はきっとお喜びになる筈、相棒を握る手にも力が入る。
頂いた情報では木場佑斗は悪魔であるらしく特殊な力で【剣】を扱うらしい、剣戟戦になる事は必至であろう
私には魔力が無い、故に出来る闘い方は一つ…手に持つ相棒で獲物を薙ぎ、首を狩る方法のみ
相手が剣術を扱うならば私は鎌術でソレに打ち勝とうではないか、主が下さった私が使える道具だという事を示す機会、故に敗北など許されない、あってはならないのだ。
私が本来成る筈だった主と同じ存在【堕天使】にとっても【悪魔】は敵である、仕事を熟す前のこの時間からここまで意志昂騰したことがあっただろうか?
「行こう、キラー」
不気味な輝きを放つモノ言わぬ無口な相棒を手に、私は闇夜に染まった漆黒の空を舞う
全ては主の大願成就の為に
駒王学園から少し離れた場所に立つ僕に、【部長】からの声が響く
『どうやら釣れた様よ、佑斗』
「はい、こちらでも感じる事が出来ました、凄い殺気ですよ。」
段々とこちらに近づいてくる強い気配、恐らくは僕達が追っていた【狼藉者】の正体
殺害されていたものは皆、魔力を持ちそれを悪用していた者達ばかりだった。
故に悪を成敗する輩かとも思っていたが、遺体の惨状を見るにどうやらソレとは毛色の違う異質な者であると踏んだ。
力を誇示したい愉快犯か、快楽的な衝動を得たい狂者か…何れにしても我が主の領地で働かれた数々の狼藉、許されて良い物では無い
リアス・グレモリーが【騎士】である自分が始末しなくては
瞳を閉じ、集中する。
一迅の風が奔りぬけた刹那、その時は訪れた。
禍々しい気配、漂う強い殺気、隠す気の無い明らかな敵対の意志を見れば其処には幼い少女が立っていた。
「初めまして、一応名乗っておこうか僕は【木場佑斗】、我が主リアス様の命により其の命貰い受けるよ」
予め生みだしておいた魔剣を向け名乗る、剣士たるもの名乗りは礼儀だ。
「木場佑斗…狩るべき対象…っ!」
彼女は巨大な鎌を振りかざし僕に襲い掛かってきた、それを剣で防ぎ押し返す
「名乗りは無し…か、どうやら礼儀も知らないみたいだね」
「貴様に名乗る名など…無いっ!」
壁を蹴り高く跳躍する少女、その瞳には狂気が灯り手に持つ大鎌は妖しく輝いていた。
「僕もあまりお喋りな方では無いからね…今からは剣で語ることにしよう」
「…殺す」
朱く照らす月の下、僕達【異形の者】同士の殺し合いが始まった
次話は戦闘シーンも書きます。
苦手ですが頑張ります。