High School DxD Another Route 作:明日凪
あぁ~やはり戦闘描写は苦手です。
修正半端ない、すいません。
紅い月の下、剣戟の音が鳴り響く
少女が獣の咢の様な強く激しい破壊的な閃撃を繰り出せば、青年が楽器で旋律を奏でる様な繊細で緻密な剣撃を魅せる
互いの力量は互角、故に二人は未だ大きな傷も無く唯々獲物の衝撃音が不規則な二重奏を奏でていた。
「…やるね…っ!」
「…手強い…っ!」
額に汗を浮かべながらも自身と拮抗する実力の持ち主、そんな存在と相見えた強者故の悦びからか
「はぁっ!」
「っ!」
命のやり取りをしているのにも関わらず、互いの表情には薄らと笑みの色が浮かび見える
一進一退の攻防が続いていたが流れを変えようとしたのか木場が動く
「こんなのは、どうだい!」
「くぅ…っ!」
彼のしては珍しい打撃技、近接した状態からの肘打ちで少女が怯む
木場の打撃は彼女の大きな相棒に阻まれ命中しなかったが、予想だにしていない襲撃によって生まれた僅かな隙を木場は見逃さない
「はぁぁっ!!」
「ぐぅっ!?」
神速の斬撃が縦横無尽に襲い掛かる、彼女は大鎌を器用に操って防いでいたが…
「―っ!見えたっ!そこっ!」
「なっ!?」
木場が繰り出した下段からの斬撃によって彼女の相棒がその手から離れる
術者を失った大鎌はくるくると宙を舞った後、その鋭い切っ先をコンクリートの地面に突き刺した
驚愕する間もなく彼女の肩口から腹部へと奔る剣閃、噴き出した鮮血はまるで花弁の様に夜の闇に咲き乱れた。
「ぁ、がはぁっ…!」
「勝負あり、かな…?」
紅く染まる腹部を抑え膝をついた彼女の姿を見る、とめどなく溢れる鮮血は致命傷であることを示していた
「部長、終わりました」
「ご苦労様佑斗、怪我は無い?」
「大丈夫です、予想以上の手練れで苦戦してしまいましたが…」
「貴方が無事ならばそれで良いわ…」
木場佑斗の横に突然と現れた赤髪の少女、名は【リアス・グレモリー】誇り高い純血悪魔、大戦により多くを失った【元72柱】が一つグレモリー家の次期当主である
【紅髪の滅殺姫】の異名を持つ彼女も眷属には甘いのか、優しい微笑みで木場を気遣う
だがそれも一瞬の事、リアスは直ぐに誇り高き純血悪魔として敗者である【敵】を眼下に見据え鋭い視線を向ける。
「さて、私の領地で殺戮を繰り返した狼藉者である貴女には、本来であれば有無を言わさず死の審判を下すのだけれど」
「…」
「私の質問に答えるというのならば…今少しだけその命、屠るのを待ってあげる」
「…」
「答えなさい…貴女は魔を持つ者を殺め、何を成すつもりだったのかしら?」
「…ふ」
リアスの問いに対する答えはまるで彼女を馬鹿にするかの様な鼻を鳴らす嘲笑であった
「…次は無い、答えろ何故に我が領地を荒らした」
向ける右腕に紅黒色の魔力を纏わせながら先程とは違う圧力を増しての問い掛け、もしまた嘲る様な返答をしようものならばリアスは躊躇いなく血塗れの敵を消し飛ばすだろう
そんなリアスを血塗れの少女は空虚な瞳でジッと見つめ、ゆっくりとした動作で震える膝を叱咤しながら立ち上がる
「…何故?それは私が【私】である為、貴女の様に確固たる形も無く、唯々空虚である私が【必要とされる】存在であると自覚する為…そして何よりも…」
「何を…」
「全ては我が創造主たる至高の御方に認めて頂く為!あの方に認めて頂けるのならば…私は死すら恐れはしない!!」
「なっ!?」
「部長っ!」
自らを奮い立たせる様な咆哮を上げた少女の背には四枚の黒い翼、その手には何故か離れた場所に突き刺さっていた筈の漆黒の大鎌が握られている
「堕天の翼…!堕天使!?」
驚愕しているリアス、それを好機と見たか黒い翼を展開させた少女は四枚の翼を羽ばたかせ紅い空へと飛翔する
「くそ、追います!」
「っ!私としたことが…逃しはしないわっ!喰らいなさい…!」
「ぐっ…!ぅ、あぁぁぁっ!!!!」
「な、うわぁぁぁっ!」
「佑斗っ!」
後方から迫る木場を奮迅の一振りで薙ぎ飛ばし、大きな獲物を回転させリアスの魔力を霧散させながら彼女はひたすらに紅い空を目指して高く昇ってゆく
一定の高さまで昇りきった後、手に持つ大鎌で紅く染まった空を一薙ぎすると彼女が薙いだ先に本来の姿である黒い夜空が覗き見えた。
「まずいわ!朱乃!!」
「はい部長!雷よ!」
「がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!、っ、ぅ、うぁぁぁぁぁぁっ!!!」
上空で待機していたのか、朱乃と呼ばれた少女が放った雷撃が黒い翼の少女を捉え、その身を焦がしたかに思えたが、黒い翼の少女の執念か彼女はその身が雷に襲われたまま、彼女を満たす夜の帳が降りた暗闇が支配する空へと身を投げた。
直ぐに朱乃が急ぎ後を追い、リアスも続き闇夜に瞳を凝らして姿を探し、魔力を探るが二人が堕天の翼を持つ彼女を捉える事は叶わなかった。
これでも頑張った方だと思います。
見放さずお付き合い頂いてる皆様、有難う御座います。
…あ、小猫ちゃんは結界外から待機してた感じです。